エッセイらしき何か 「エルフについての考察」
エルフをご存じだろうか。
耳が長くて魔法特性が高く、美形キャラばっか的な扱いになっている、あの種族である。
「いや、そもそもエルフとはゲルマン神話の~」とか言い始めるとクソややこしくなるので、誠に勝手ながらここでは「エルフ=ジャパニーズカルチャーの耳長な感じのアレ」とさせていただきたい。
さて。
エルフと言えば、どんな姿を思い浮かべるだろうか。
耳が長くて金髪で色白で美形。
あとおっぱいとかがでかい。
原型となる伝承では細い体、となっているのだが、日本のファンタジーものだと大体エルフ女性は巨乳である。
多分、某超有名な島というにはデカすぎるんちゃうん? と思われがちな島を舞台にした、あの作品群の、超有名すぎてもはや「=エルフ」ぐらいの扱いになりがちなあの方の功績と言えるだろう。
兎も角。
とにかく美形で魔法攻撃力が高く、物理防御が低め。
めっちゃプライドが高くて内向的な村に暮らしてるはずなのに、若者は結構外に憧れがち。
魔法以外で言うと弓が得意で、兎に角遠距離攻撃ユニットなことが殆ど。
マッチョな印象はほとんどなく、ほそっこい外見、の割りに実は人間より筋力がある。
多分魔力の影響で筋力激強になってるんだろうな、って思う。
このように、エルフは日本において元々の「ゲルマン神話」とは違った存在感を発揮している。
もはや、独自のキャラクター性を持った存在と言ってもいいだろう。
日本のサブカルチャーに触れた人の多くは、「エルフ」と聞けば「美形の魔法特化耳長族」を思い浮かべることだろうと、筆者は考えている。
私は日本、とりわけタマゾンと呼ばれる地域に住んでおり、ライトノベルを書いて暮らしている。
ジャンルはもっぱらファンタジーで、やはりエルフとは切っても切れない関係だ。
そういった気持ちがあるからか、私はよくエルフを物語に登場させている。
のだが。
どうも「アマラと言ったら変なゴブリン」という認識が強いらしく、私が作中でエルフを使っているイメージはあまりないらしい。
甚だ遺憾である。
私の作品には実はエルフ一杯出とんねんぞ、「神様は異世界にお引越ししました」とか見てみろと言いたい。
まあ、ともかく。
このエッセイを投稿する前、正確には2018年3月11日に、私はあるエッセイを投稿した。
タイトルを「エッセイらしき何か 「ゴブリンについての考察」」という。
この作品に置いて、筆者はある考察を披露させて頂いている。
詳細については実際に該当作品を読んでいただくとして、おおよそのところは今回のエッセイにも関係があるので、ご説明させて頂きたいと思う。
そうだねっ! プロテインだねっ!
というのが「エッセイらしき何か 「ゴブリンについての考察」」における結論なのだが。
まぁ、これだけ言われてもなんのこっちゃわからないと思うので、もう少し詳しく説明させて頂きたい。
といっても、そう難しい内容ではなく、以下のような簡単なものである。
ただ、これらはあくまで「考察」であり、「ぼくはこうおもうんだっ!」的な奴であることをご留意頂きたい。
ジャパニーズカルチャーのゴブリンって、実は人間とは別種の人類である。
一定程度の知性を有する彼らは、戦闘によるもの以外で群れの序列を決めている。
その方法は、多くの戦い以外のもので序列をつけるのに用いる、肉体を使ったもの。
おそらく、何方がどれだけ体が大きいか、筋肉が発達しているか、というモノだろう。
そう、つまりボディービルである。
ゴブリンは己の筋肉を見せつけ合うことで、序列を決めているのだ。
そうなると、ゴブリンを倒すとお金がドロップする、RPGでお決まりのあの仕様の正体もわかる。
ゴブリン達はあのお金で、プロテインを買うつもりなのだ。
人間を見るとゴブリンがギャァギャァ騒ぐのは、彼らの言葉で「あ、すみませーん。プロテイン持っていたら、売ってほしいんですけども―」という意味だったのである。
と、まぁ、大幅に端折るとそんな感じだ。
「どういうこと???」ってなった方は、是非「エッセイらしき何か 「ゴブリンについての考察」」をご一読いただきたい。
懇切丁寧に書いているので、きっとご理解ご共感頂けるものと思う。
さて。
この「エッセイらしき何か 「ゴブリンについての考察」」の中で、私はある疑問にぶち当たった。
もしゴブリンがプロテインを求めて徘徊しているとするならば、当然プロテインを供給する側もいるはず。
では、そのプロテインを供給する側とはいったい、誰なのだろう。
筆者は様々な考察の末に、答えを導き出すことに成功した。
もちろんこの答えは「筆者が独自に考察をした結論」であって、全ての「ジャパニーズファンタジーにおける結論」というつもりは毛頭ない。
あくまで筆者である私「タマゾンに住む猫状生物 アマラ」が様々な作品に触れてきた経験から独自に導き出した「考察」の一つである。
なので、「この考えでは〇〇という作品とは矛盾しますなぁ~」とか「そうはならへんやろ」といった感想コメントは、出来ればご遠慮いただきたいと思う。
もちろんどうしても言いたいと思われるようだったら、書き込んでいただくのは一切構わない。
あくまで筆者サイドからの「要請」であり、「強制」ではないというのを、ご理解いただきたい。
なんでこんなことを言いだすかというと、私がこういう免責でもしておかないと何かしら叩かれたときに怖くて震えて泣いちゃうチキンハートの持ち主だからだ。
ゆえに、読んでくださる読者の方々は、是非優しく穏やかで生暖かい目で持って、読んでいただければと思う。
と、免責が長くなったが。
早速ではあるが、一体誰がプロテインを作っているのか、まずは結論を述べた後、そう考えるに至った理由を説明していきたい。
何故なら察しの良い方ならば、ここまでの話の流れで「プロテインを作っている何者か」の正体について、既に気が付いているであろうからだ。
では、結論を書こう。
プロテインを作っているのは、そう、ほかならぬエルフである。
何故そう考えるに至ったか。
順を追って説明していきたい。
説明していきたい、などといったが、実際はそう難しいことではない。
単純な消去法だ。
まず大前提として、ゴブリンは金を持って歩き回り、プロテインを売ってくれる相手を探している。
ということは、ゴブリン達はプロテインを作ることができないということだ。
自分達で製造しているのであれば、金を持ってうろつく必要はない。
もし自分達の種族で作っているなら、簡単に買いに行けるだろう。
わざわざ金を持ってうろつくからには、そうせざるを得ない理由があると考えて然るべきだ。
では、一体どんなことが考えられるのか。
プロテインは他の種族が作っている。
しかもその種族とゴブリンは、定期的な接触などがない。
もし定期的、あるいは連絡手段があるのだとしたら、うろうろと歩き回る必要はないのだ。
金をためて多いて、接触する機会を見計らって買いとればいい。
となると、プロテインを作っている種族は、ゴブリンと友好的な種族ではない、と考えられるだろう。
表立った、定期的な接触がないと推測できることから考えて、あるいは敵対しているともいえるような関係であるケースも考えられる。
敵対しているならば、取引は成立しないのではないか。
そう考えるものもいるだろう。
だが、考えても見てもらいたい。
地球でも、金さえ払えば敵国に技術や武器を売る輩はいる。
ましてや戦争してるわけでもない、いがみ合っているだけの相手であれば言わずもがな。
むしろ全く取引がない方が、不自然だと言えるだろう。
その前提の上で、どんな種族がプロテインを製造しうるのか考えてみよう。
まず、獣人系は除外してもいいだろう。
獣系の方々はなんか製造系とかはあんまし得意とは思えない。
もちろん個人単位ではそういったことを得手にしているものもいるだろうが、「犬型獣人は理系」とかそういう系統の話は聞いたことがない。
そういった設定にしている作品もあるかもしれないが、あまり「一般的」と言えるイメージではないはずだ。
では、ものづくりに定評があるドワーフはどうか。
こちらはどちらかというと「道具」や「武器防具」を専門にしているイメージがある。
化学とかに強いドワーフ、というのは少々珍しいのではないだろうか。
まあ、こちらもやはりそういう設定にしている作品もあるだろうが、「一般的」なイメージとは言えないだろう。
そうなると残る主要異種族は、極々限られてくる。
残るものですぐに思い浮かぶものと言えば、多くの人にとってそれは「エルフ」ではないだろうか。
エルフがプロテインを作る。
それもなんかイメージに合わない様な気が、しないでもない。
だが、筆者は此処で「まてよ」とさらに深堀してみることにした。
そもそもプロテインとは何だろう。
日本でプロテインと言われるものは、一般的に「タンパク質などを主原料とした、プロテインサプリメント」のことを指している。
つまるところプロテインというのはタンパク質の塊なのだ。
その原料は、動物性と植物性の二種類に大きく分けられる。
動物性の原料の代表的なものは、牛乳だ。
牛乳を飲むと大きくなれるというのは、沢山のタンパク質、つまりプロテインの原料が入っているからなのである。
プロテインを飲むと大きくなれる。
実に理に叶ったことなのだ。
※余談だが、子供にプロテインを摂取させると成長が止まる、などという誤解があるが、これは間違いである。
プロテインというのは「タンパク質」であり、別に薬品の類ではない。
子供向けにもプロテインは販売されており、その代表例は「ネスレ」の「ミロ」であろう。
栄養補助食品としてのプロテインは、正しく付き合いさえすれば、むしろ子供の成長をサポートしてくれるのだ。
子供を持つ保護者の方々は、この辺りのことは自分でしっかりと調べ、かかりつけ医などと相談してたうえで、日々の食事に役立てて頂きたい。
閑話休題
では、植物性の材料というのは、何だろうか。
代表的なものは、ソイプロテインである。
ソイとは何ぞや?
と思う人も多いだろう。
ソイというのは、大豆のことである。
畑のお肉、等というように、大豆にはタンパク質がものメッチャ含まれているのだ。
他にも、バナナ、そば、トウモロコシ、アボカド、芽キャベツ、アスパラガス、ブロッコリー、等々。
様々な植物が、高いタンパク質を保有するものとして知られている。
エルフと言えば、植物だ。
そして、植物からもプロテインは製造可能。
比較的頭良さそうなイメージを持つ人が多く、薬とかも作ってそうなイメージも持たれがちなエルフである。
様々な亜人種の中で考えれば、彼らがプロテインを製造している、というのが、一番しっくりくるのではないだろうか。
植物に関する豊富な知識をもとに、植物を材料にして栄養補助食品を作るエルフ。
やはり、不自然ではない。
いや、むしろもやしっ子っぽい感じに思われるエルフが、筋肉を付けるため、つまり自分達でも使うようにプロテインを作る。
何らおかしいところはないではないか。
森の中を、二つの種族が歩いている。
片方はゴブリン、もう片方はエルフ。
たまたま出会ってしまった双方は、一度は身構える。
そうしてから、お互いの数を確認。
大人数であれば種族間の争いが起こるが、少人数同士であるならば、話は変わってくる。
まずアプローチするのは、ゴブリンだろう。
彼らは同族間での主導権争いに勝つため、あるブツを求めている。
そう、プロテインだ。
対価になるものは、やはり金だ。
エルフがゴブリンの要求するもの、プロテインを持っていたら、取引が始まる。
プロテインを受け取ったゴブリンが、対価を支払う。
それは金である場合もあるだろう。
あるいは別の、例えばドングリとかである可能性もある。
もしくは冒険者とかから奪った物品である場合もあるだろう。
とにかく、プロテインと対価が釣り合ったら、取引成立だ。
ゴブリンは筋肉を育てるためのプロテインを得る。
エルフもなんかしら利益のあるものをゲットする。
両者は次に会ったら敵同士になるかもしれないものの、ここではにこやかに別れる。
こんな光景が、容易に想像できるのではないだろうか。
少なくとも筆者には、アニメで声優さんによるフルボイス付きで想像することができた。
想像が出来たということは、そう不自然ではない状況だ、ということではないだろうか。
ゆえに。
ゴブリンが消費するプロテインを作っている亜人種は、エルフである。
ここではそう、結論付けたいと思う。
さて。
そうなってくると、新たな疑問がわいてくる。
エルフはなぜ、プロテインを製造しているのか、ということだ。
ゴブリンとの取引の為だけに、プロテインを作るのだろうか?
接触機会が多く、大きな取引なのであれば、そういうこともあるだろう。
輸出するためだけに商品を作るというのはおかしな話ではない。
だが、ゴブリンとの取引はそこまで大々的なものではないはずだ。
対外的に、というか大抵の真っ当なエルフは、ゴブリンとは敵対的なはずなのである。
エルフ達にとってゴブリンとの取引はあまり表ざたにできない、つまり反社会的行動と考えるのが自然だ。
もちろんそれが凄まじい利益になるならば、当然積極的に製造するだろうが。
ゴブリンの経済規模を考えるにそれは少々考えにくい。
あるいはゴブリンからしか得られないものがあるとすれば別だろうが、だとすればそれこそ「大々的に」「表立って」取引をした方がいいはずだ。
わざわざ、ちまちまとせせこましくプロテインの取引でどうにかしようなどと考えないはずである。
では、プロテインの主要な製造目的は何なのか。
筆者はこれを、「自分達での消費目的である」と考えた。
エルフだって筋肉を鍛えてもいいはずだし、栄養補助食品として優秀なプロテインを、植物好きなエルフ達が摂取するというのは納得がいく考察ではなかろうか。
しかし。
ここで筆者はある疑問にぶち当たった。
文章にすると少々解りにくいので、あえて口語でそれを書かせて頂くと、以下のようになる。
マッチョなエルフって見たことなくね?
そう、プロテインを飲んでいるにもかかわらず、エルフの大半はほそっこい。
マッチョなエルフとかほぼ見たことがないのだ。
もちろん、プロテインを飲んだからと言ってマッチョになるわけではない。
栄養補助食品であるプロテインは、肉体の健康に貢献するものであって、必ずしも筋肉を鍛えるためだけのものではないのだ。
とはいえプロテインである。
プロテイン常飲者=筋肉鍛え人
ぐらいのイメージの方が大半ではないだろうか。
エルフはプロテインをしょっちゅう飲んでいるはず。
にもかかわらず、マッチョなエルフはいない。
おかしい、もしやこの考察自体が間違っているのではないか。
そんな疑問に苦しんでいた筆者に、ある考えが浮かんだ。
やはりこれもあえて口語で書かせて頂こう。
マッチョって皆、日に焼けてるよなぁ。
っつか、マッチョエルフも見たことないけど、日に焼けたエルフも見たこと無くね?
それはダークエルフでは?
と思うモノもいるかもしれない。
だが、ダークエルフというのは北欧神話の「闇のエルフ」が原案になっているものと思われる。
つまり彼らは日に焼けて黒い肌色をしているのではない。
もともとそういう種族なのだ、と考えられるのである。
マッチョで日に焼けたエルフ。
そういうのが出てくる作品ももちろんあるだろうが、そんなに頻繁にはお目にかからない。
ここでさらに、筆者にある考えが浮かんだ。
いや、まてよ?
エルフって日に焼けたら黒くなるのか?
緑色になるんじゃね?
なんのこっちゃわからん、と思う人もいるかもしれない。
だがちょっと待ってほしい。
エルフというのは植物と親和性が高い種族である。
何だったら植物そのものに近い種族といってもいいかもしれない。
植物というのは、光合成をする。
葉緑体というのを体に持っていて、光に当たるとこれを増やしてエネルギーを作るのだ。
例えばもやしを作るときは、わざと光を遮断する。
そうすることで芽が出た植物は白く細長くなり、食感などを楽しめるようになる。
この芽は当然日に当てれば、青く太く育つ。
そう、お分かりだろうか。
日の光をあんまし浴びて育たなかったもやし。
これが、実はいわゆる誰もが知っているエルフなのではないだろうか。
白くて細い(巨乳のエルフもいたりするが、まぁそれはそれということで)というエルフのイメージともやしは、非常にマッチする。
(まあ、エルフの人に怒られるかもしれないが、そこは筆者が土下座させて頂くことで許していただきたい。)
となると、日に当てて元気に育てた場合は、どうなると想像できるだろうか。
緑色でぶっとくなる。
つまり、エルフのビルダーは緑色のゴン太ボディということになるのではないか。
ここで筆者に、電撃的な閃きが舞い降りた。
マッチョなエルフって、もしかしてオークなんじゃね?
ジャパニーズファンタジーにおけるオークのイメージとは、どんなものだろう。
まあ、とりあえず性質的なものは置いておいて、とりあえず外見だけにスポットを当ててみよう。
豚とか猪の亜人であるケースもある。
そうでない場合は、大体が緑色のボディで筋骨隆々だ。
あと耳とか尖ってる場合もある。
そう。
緑色のボディでマッチョ。
しかも作品によっては耳とかも尖っている。
なんということだろう。
これは筆者が想定したエルフビルダーの外見的特徴にピッタリではないか。
オークとはエルフのビルダーのことだったのだ!!
しかし、エルフとオークは敵対的種族として描かれることが多い。
もちろん同種として抱えることなどほとんどない。
だが、これには比較的簡単に説明が付く。
考えてみてほしい。
人間でいうところの色白の細いタイプというのは、どういった性質を持っていることが多いだろうか。
そう、陰キャである。
対して日焼けしたマッチョというのは、どういうタイプが多いだろうか。
そう、陽キャである。
つまりエルフとオークというのは、同じ種族の陰キャと陽キャだったのだ。
誰もがごぞんじのことと思うが、陰キャと陽キャというのは相容れない存在である。
さらに、基本的に陰キャは陽キャを憎んでおり、毛嫌いしている。
これをエルフに当てはめてみると。
エルフはオークを憎んでおり、毛嫌いしている。
ということになるではないか。
通常のエルフは細くて引きこもりがちな陰キャ。
これが筋肉日焼けマッチョになって陽キャになると、オークになる。
なんということだろう。
少なくとも筆者には、辻褄が合うように思われて仕方がない。
ゴブリンが欲しているプロテインを作っているのはエルフである、ということを考察するうち。
新たな、恐ろしい考察が生まれてしまった。
これを詳しく考えるには、まだまだ時間と深い考察が必要だろう。
オークというのは、マッチョ陽キャのエルフである。
次回の考察の題材は決まった。
また考えがまとまり次第、ご報告させて頂くことにして。
今回のエッセイは、これにて終幕とさせて頂きたいと思う。