98話
城門を開け中に入ると中に居た足軽たちが襲いかってきた。物理と魔法、お経で一掃して一息つく。城の外から中に入る際は無効化された透明化と隠密は、敷地内に入ると普通に使えることがわかったのでダンボールなしのスニーキングミッションを開始することにした。
敷地内を探索していく。マップスキルのおかげで自動で地図が描かれていくのが非常に便利だ。もう手描きには戻れない。
探索を進めていくと厩を発見した。中には馬のようなモンスターと刀持ちの足軽が数体いた。馬型のモンスターは、普通の馬と然程大きさは違わなかったが歯をむき出しにして目も血走っており、いかにも暴れ馬といった感じだ。
まずは厩の中にいる足軽を破邪の経文で成仏させる。透明化が解除されると、こちらに気がついた馬が房から飛び出していななき突進してきた。
突進してくる馬を岩石槍で迎え撃つ。真っ直ぐに地面を走ってくる馬は岩石槍の良いカモで、足や胴を貫かれて次々と転倒して消えていく。
この城も獣王と戦った某ランドや竜宮城と同じように、中の地面や建物が収納できなかったので落とし穴戦法は使えない。
そういう時に岩石槍は足止めに結構効果的だった。こちらのレベルや魔力が上がっているせいか、足止めどころか倒してしまうのだが。
104番 暴れ馬 アイテム1 馬肉 アイテム2 スクロール(体力増強)
厩を出ると中に入れなかったゼロが足軽たちに絡まれていた。身体に群がる足軽をまるで虫を払うかのように蹴散らしている。
油断せずに慎重に探索しようと思っていたのだが、この感じなら楽勝かな。
その後はモンスターを蹴散らしながら探索を進め、マッピングもすんだのでいよいよ城内に侵入する。ここから先はサイズ的にゼロは出現出来なさそうなので、謎空間に戻ってもらう。
「しかし凄いな。本当にこんなのだったかわからないけど、モンスターさえ湧かなければ良い観光地になりそうだ」
お城好きなら結構たまらないのではないか、そんな感想を抱きながら城内を攻略していく。城内には足軽だけではなく、いつぞや戦った忍者系のモンスターたちも混ざっており、天井から降ってきたり畳の中から飛び出して襲ってきたりと奇襲を仕掛けてきた。
ある部屋で忍者が掛け軸の裏から飛び出してきたのを撃退し、その掛け軸の裏を覗いてみると、どうやら隠し通路になっているようで道が続いていた。暗くて狭くて戦いづらそうだが行くしかない。
浮遊松明を浮かべて通路を照らしながら進む。壁の中や天井裏に続くハシゴなんかもある。忍者たちはここを移動しているようだ。
時折遭遇する忍者たちを倒しながらマッピングしていく。なんだか自分が忍者になったようだ。
「うーん、お宝とかは無い感じか……隠し通路といえば宝箱だと思うんだけど」
ダンジョンにクレームをつける。ワクワクしていたのに裏切られた気分だ。しかし、まだ城内には探索していない場所がある。そこには何かあるかもしれない。
残りあと少しとなった隠し通路のマッピングを続けていくと、なんだかやたら広い天井裏にたどり着いた。生命感知で見ると下の部屋にいくつかモンスターの反応がある。
(お、新しい反応だ。奇襲できないかな?)
調べてまわると、動かせそうな板を発見する。丁度その下には先ほどから微動だにしないモンスターの反応があった。
そっと板をずらして隙間から部屋を覗く。真下にいかにも武者といった感じのモンスターが座っていた。
(ボスっぽいけど、どうしよう。足軽たちはアンデットだったしこいつにも効くかな)
隙間から覗いたまま、破邪の経文を使用してみる。すると武者がもがき出し、身体から煙がたちのぼりはじめた。
どうやら効果はありそうだ、しかし足軽たちのようにすぐには消えない。連続で使用していると巻き添えを食らったのか、他にあったモンスターの反応が減っていく。
この調子でいけそうかなと思ってお経をあげ続けていると、もがき苦しんでいた武者と目が合った。
(あっ……)
武者は脇に置いていた槍を手に取ると、天井裏にいるこちらめがけて突き出してくる。咄嗟に回避する。バレてしまっては仕方がない。部屋に降りて正々堂々と戦うことにした。





