97話
本格的なレベル上げはいずれするとして、今は目の前の敵に集中しよう。笹の湯から南東に飛び、新モンスターを探していると、足軽のような格好をしたモンスターを見つけた。
現代の街に、ブラックオークやゴブリンに混ざって足軽がうろついている。身体に矢が刺さっていたり、鎧がぼろぼろだ。なんだかアンデットっぽい。
「お経で供養してみよう」
破邪の経文を取り出して使用すると、足軽たちが消えていく。残りのモンスターたちはシュナイダーが魔法で片付けていった。
101番 亡者足軽 アイテム1 打刀 アイテム2 足軽胴鎧
ドロップは武器と防具か。足軽胴鎧はモンスタードロップの中でも割と貴重な防具類だ。鉄でできており、結構防御力がありそうだった。
しかし鎧は既にもっと良さそうな真紅龍の鎧を手に入れているので、装備することはなさそうだ。コレクションアイテムだな。数を集めて避難所に配るのはありかもしれない。
足軽を殲滅しながら探索を進めていくと、避難所を発見したので立ち寄ってみる。門番の人と話すと、なんだかこちらを既に知っているようだった。
どうやら以前立ち寄った避難所のワイバーン隊が既に訪れて、自分のことを話していたらしく歓迎された。モンスター図鑑についても知られているらしく、ある情報を提供してくれた。
「お城ってあのお城ですか?」
「そうです、城跡に城が建っているのです。周囲に足軽も多くいますし、何かいるのではないかと思います」
県の史跡に指定されている城跡に、城が建っているのだという話を聞く。十中八九ダンジョン的な何かだろうな。
情報に感謝して物資を提供し、さっそく向かってみることにした。
「本当に城があるな」
上空から見ると、市街地の水堀に囲まれた場所に城が建っていた。敷地内や門前を槍や鉄砲を持った足軽たちがうろついている。
透明化と隠密を併用して上空から乗り込もうとするが、ツリーの上空でも遭遇した謎の壁に守られているようで、ゼロが無理だと教えてくれる。
どうやら、きちんと正面からお邪魔しなければならないようだ。透明化と隠密はそのままで、門に到着する。当然のことながら門は閉ざされており警備の足軽も存在していた。
こっそり門を押してみると、閂などは掛かっていないようで簡単に動く。しかしそれと同時に透明化と隠密が解除され、一斉に周囲の足軽が襲いかかってきた。
バレてしまっては仕方がない。まぁどの道倒すつもりだったのだ。ちょっとスニーキングミッションを楽しもうなどと思ってなんかいない。
「キェー!」
雄叫びを上げてこちらに襲いかかってくる足軽を、破邪の経文や魔法で蹴散らしていく。鉄砲で撃ってくる足軽もいたが、ゼロが壁になってくれて当たらなかった。鉄砲の連射はできないようで、その隙をシュナイダーに狩られていく。
あっと言う間に門前の足軽たちはいなくなり、ドロップアイテムだけが残された。
102番 亡者槍兵 アイテム1 長槍 アイテム2 足軽胴鎧
103番 亡者鉄砲兵 アイテム1 弾薬 アイテム2 火縄銃
図鑑を確認してみる。足軽たちはアンデット属性のモンスターのようだ。破邪の経文がかなり刺さるな。
長槍は本当に長く、自分の身長の三倍以上はある。五〜六メートルくらいだろうか。火縄銃はなんというか、魔法があるし使わないかな。さっき戦った感じでは連射もできないようだし、弾込めの手間もある。
出現する雑魚モンスターの強さからいくと、城の中も大丈夫だろう。特効アイテムの破邪の経文も大量にある。さて、攻略を始めるか。
書籍化が決まりました。ツギクルブックスから11月9日発売予定です。予約なんかも始まっているようです。





