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91話

 まずはご飯を食べてお腹いっぱいになってもらおう。山での採取やキラーラビットからのドロップ、備蓄してある食料で食いつないでいたようだが、皆結構やつれている。精神的な負担もあったとは思うが……家族連れで来たのだろう。中高生くらいの女の子が二人に男の子も一人いる。可哀想に。

 すぐに食べられるようにインスタントの味噌汁やスープ、オニギリを取り出して皿に並べる。温熱付与の魔法ですぐにお湯を沸かせるので、あっというまに準備が整う。

 適当に肉類も焼いて提供していると、ある程度食事を終えた女性陣が代わると申し出てきたので任せ、自分もさっと食事を済ませる。


 しばらくして食事が終わると、順番にお礼を言われていく。自分には余裕があるからできることだし、人として当然のことをしたまでだ。さすがに自分もかつかつな状況だったり、無限収納で大量の物資を運べなければ、ここまでの人助けは不可能だっただろう。

 それでも善意に感謝で返されると嬉しくなる。ありがたく礼は受け取っておく。話し合う大人たちにお茶やコーヒーなんかを提供し、時折質問に答えながらシュナイダーをモフモフする。

 最終的に明日、隣の県の避難所に全員送り届けるということになった。チンピラに絡まれた避難所だ。もちろん電話で人が増えても良いか確認を取り、快く引き受けてもらえることになった。

 既に海を越えて本州の避難所とのやりとりも始まっており、最近ではチンピラたちも来ないようなので色々と順調なようだ。


 この先の行動方針も決まり、今日は山小屋で一晩過ごすことにする。窓辺に座り、外の景色を眺めると紅葉した木々が見える、そろそろ秋も終わり次第に寒くなるだろう。

 いつもはこういう屋内にいる時、謎空間に一緒にいるシュナイダーが、現在子供たちの相手をしているのでゼロが大変暇そうだった。


(それじゃあちょっと散歩がてら、夜のモンスターでも探しに行くか。シュナイダーは……まぁ大丈夫だとは思うけど、一応ここの守りをお願いね。あんまり遅くならないようにするから)


 山田さんたちにも一言断り、薄暗くなり始めた山の空へ飛び立つ。上空に湧くモンスターはオオコウモリくらいか、魔法で処理しながら地上の生命感知の反応を見る。

 キラーラビットにゴブリン、オークやスケルトンがチラホラいる。特に新しいモンスターは見かけられない。殲滅しながら進み、一回リポップを確認したら戻ることにして、ゼロに乗ってぐるっと周辺を一回りしてきた。


「お? 新しい反応だ。ゼロあっちに行ってくれ」


 スケルトンが居た位置から反応があるのでゼロに近づいてもらう。透明化をかけてゼロから飛び降り、新しいモンスターを発見する。


(鎧を着たスケルトンと、ゴブリン?)


 スケルトンは鎧を着ているのでわかりやすいが、ゴブリンとオークはパッと見た感じ普通のと違いがわからない。まぁ倒せばわかるか、まずは様子見でゴブリンに強化投射でトライデントをお見舞いする。追尾がかかったトライデントは、木々の合間を縫って進み、ゴブリンに突き刺さった。

 しかし一撃で倒れる様子がない。痛みを感じていないのか、身体に刺さったトライデントを抜くと、攻撃してきた相手を探してキョロキョロと辺りを見回している。


(タフだな、というかアンデット化してる? ゾンビゴブリン的な感じか)


 市街地で戦ったゾンビたちも、攻撃されても反応は鈍く頭を潰すのが一番確実に仕留められた。透明化にスネークブーツの消音で、闇の中音も無く近寄りゾンビゴブリンの頭を潰す。

 さすがに黒龍剣の一撃には耐えられないようで、二体は消えていく。

 突如姿を現したこちらに、鎧スケルトンが手に持った剣で斬りかかってくるのを武器と鎧ごと斬り払った。スケルトンの剣は折れ、衝撃で腕も粉砕される。まだ消えないスケルトンを頭から一刀両断し仕留めた。


 98番 ゴブリンゾンビ アイテム1 体力の結晶(中) アイテム2 スクロール(痛覚麻痺)


 99番 スケルトンナイト アイテム1 ボーンソード アイテム2 草臥れた革鎧


 痛覚麻痺は文字通り、痛みを感じなくなるスキルのようだ。使い道はありそうだが中々怖いスキルだな……オンオフできるパッシブスキルなようなので、とりあえずオフにしておく。

 スケルトンナイトの装備はどちらも、無いよりはマシといった感じの装備だ。

 二体も新モンスターを倒せてラッキーだ。収穫もあったし、あまり遅くなる前に山小屋に戻ることにした。

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