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8話

 二階の端にある木下さんの部屋からでは、駐車場まで少し距離があるので、一階にある自分の部屋で待機することになった。


 木下さんは、そに君と離れることを不安がっていたが、宮田さんが付いていてくれるというのと、そに君を守るためにもレベルを上げましょう。と言うとヤル気に満ち溢れていた。


「木下さん、そろそろポップすると思います。大丈夫ですか?」


「はい、大丈夫です!」


 少しだけ開けたドアから、駐車場を監視していると、いつもの黒い霧と共に、ゴブリンが現れた。すかさず棍棒を収納し、慌てるゴブリンに駆け寄る。後は宮田さんの時と同じだ。


「木下さん!」


 声を掛けると、走り寄ってきた木下さんがゴブリンへと棍棒を振り下ろす。倒されたゴブリンは、黒い霧となって消えていく。


「本当に、消えるんですね」


「そうなんですよ、不思議ですよね。でもこのゲームのような仕様のお陰で自分もなんとかやれています」


 とりあえずレベルは上がったようなので、木下さんの部屋に戻り、宮田さんもまじえた3人でスキルを確認する。


「テイムと書いていますね。認めさせた動物やモンスターと契約できるようです。従えた対象の能力が上がり、心が通じ合うとも書いてあります。自身のレベルが上がると契約できる数が増えるようですね」


「おー、面白いスキルですね」


「動物と心が通じ合うって、なんだか素敵ですね」


 ほんわかとした感想を述べる宮田さん。


 しかし、動物にモンスターか……今すぐここで契約できると言うと、ゴブリンか、そに君しかいない。


「僕は、そに君と契約しようと思います」


「そうなりますよね」


「ゴブリンは可愛くないです」


 木下さんがそに君の入っているケージを開け、そっと手を差し出すと、ちょこんと乗るそに君。テーブルに戻ってきた木下さんは、優しくそに君をおろすと語りかける。


「そに君、何があっても君は僕が守るから、僕と契約してください! テイム」


 すると立体的な魔法陣が、そに君を包み込み、その身体に吸収されるように消えていく。雰囲気的に契約は問題なく終わったように感じる。


「どうですか?木下さん」


 声を掛けると、突然木下さんは涙を流した。駄目だったのか?


「うぅ……ぞにくん!そんなに僕のことを……」


 豪快な音を立てて、ティッシュで鼻をかむ木下さん。既にそに君と見つめ合って2人? の世界に入っている。どうやらこの上なく、心が通じ合ったようだ。

 凄いな、テイムの効果。


「ぐすっ……チーン」


 隣を見ると、宮田さんが貰い泣きしている。私、こういうのに弱いんです。と言っている。こういうのって、どういうのだろう……

 



 しばらくすると、落ち着いたのか木下さんと、そに君が頭を下げてきた。


「ありがとうございます。佐藤さんのお陰で、そに君とさらにわかり合うことができました」


(ぺこり)


「そんな、頭をあげてください。ていうかテイムって凄いですね。そに君お辞儀してますよ! 」


「可愛いですねぇ」


 確かに可愛い。しかしそれよりも、ハリネズミサイズの脳でもこれだけ知能が上がるとは。テイムってかなり凄いのでは? そのうち覚えられるかな。



「それよりも、そろそろ日も沈みますし、今日は解散して明日の朝8時くらいから、レベル上げをするってのでどうでしょう? 夜にポップした奴は、自分が倒しておきますので」


「分かりました。明日もよろしくお願いしますね」


「はい、僕もそれで構いません」


 では、と木下さんの部屋をお暇する。中々めまぐるしい一日だった。


「佐藤さん。今日は本当にありがとうございました」


「いえ、明日からも頑張りましょう。きっとなんとかなりますよ」


「ふふ、そうですね。なんとかなりそうな気がします。それでは、また明日」


「ええ、また明日」




読み直したら序盤からかなりガバガバだったのでちょいちょい直してます。

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