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72話

「駄目だ……さっぱりわからん。今は無理ってことなのかな」


 数日かけて色々試してみたが、扉が開く気配がまったくない。あと考えられるのは、レベルやステータスが一定値に達しないと開かないとか、別の場所にこの扉を開くアイテムをドロップするモンスターがいるか、はたまたまったく別の条件があるかだ。


「まあわからんってことだな」


 一応大量の力の結晶(中)という収穫もあるし、今回は諦めて撤退することにした。一度離れることでまた何か思いつくかもしれないし、レベルやステータスが必要であれば他のところをまわってから再度訪れたほうがいいだろう。島は逃げないし。


「よし、一旦置いとこう。ゼロ、シュナイダー移動しよう」


 ゼロとシュナイダーが仕方ないねと返してくる。ミニログハウスを収納し、数日滞在した洞窟を後にした。

 その後は内海の上空を飛び、小島のモンスターをチェックして周辺の県も探索していく。

 新しいモンスターの発見は無く、避難所に立ち寄って情報提供をお願いしてまわったくらいだった。内海を渡り北上する。


 再び本州に戻り探索していると、山の中でおかしな行動を繰り返すモンスターを見つけた。

 真っ赤な魚がひたすら滝を登ろうとしている。先制攻撃をしかけても、こちらにむかってくる気配もない。


 80番 レッドカープ アイテム1 鯉こく アイテム2 スクロール(下級水魔法)


 もの凄く弱い。そのうえ他のモンスターと違ってこちらに襲いかかってくる気配もない。他に直接的な攻撃を仕掛けてこなかったモンスターといえば、ヒーリングフラワーくらいだろうか。こちらが一方的に倒してきたモンスターは除くが、基本的にモンスターたちはこちらを攻撃してくるものだ。


「見てる限りじゃ滝を登りたいんだよな……」


 三人でレッドカープの滝登りを応援する。しかし一向に登れる気配がない。次第に日も暮れてきたので、ミニログハウスを取り出し滝の近くで一泊する。

 翌日外に出てみると、そこには昨日と変わらず滝を登ろうとするレッドカープの姿があった。


(一晩かかっても駄目だったのか……いや、こいつらもしかして異変後からずっと?)


 なんだか不憫に思えてきた。何かこいつらにしてあげられることはないだろうか。また三人でしばらく応援していたが周りには他にモンスターもおらず、ゼロもすっかり飽きてしまったようで、寝そべってしまっている。

 昼食を食べながらぼんやりと、レッドカープを応援しているとシュナイダーが強化魔法かけてあげたら? と提案してきた。

 いや、できるのか? 確かに試したことはないけど……たいした手間でもないし、試してみるか。

 何か起こった時に備えてゼロを起こして乗り込んでおく。


 一番先頭を泳いでいるレッドカープに強化魔法をかける。するとみるみるうちに滝を登りきり、空中に大きく跳ねた。


「おー! やった、やったぞ!」


 ドーピングしてしまったが、ついに成し遂げたのだ。レッドカープの身体が光り輝き、次第に大きくなり細長くなっていく。

 しばらく見守っているが、いつまで大きくなるのだろうか。すでにゼロの五倍は大きくなっている。

 ようやく光が収まり、その姿があらわになる。最終的に、ゼロの十倍くらいの大きさに成長したレッドカープは、まさに龍といった見た目になっていた。

 身体は元のまま赤く、その大きさの割に短い手には玉を持っている。龍は大気を震わせる雄たけびを上げ、こちらに襲いかかってきた。

 せっかく手伝ってあげたのに、襲いかかってくるなんて……まぁ最初からこちらもやるつもりだったけど。

 龍の初撃の噛みつきをかわし、お返しに蓄雷をかけた矢を放つが硬い鱗に弾かれて効果がない。


「シュナイダー、手分けしよう。こっちは頭側を狙うから、そっちは尻尾側を頼む」


 了解! と一号に乗って魔法をうちながら尻尾めがけて飛んでいくシュナイダー。

 こちらも龍の顔に業火球を放つが、どうやら火もあまりきかないようだ。龍は何かしたか、といったかんじでこちらを見てくる。

 次の瞬間龍の身体がビクリと跳ね、地上に落下してジタバタと暴れまわる。どうやらシュナイダーが龍に飛び移り放電を放ったようだ。

 そのシュナイダーはすでに暴れる龍の身体から離れ、魔法でチクチクと攻撃している。ナイスだ。

 龍が暴れたおかげで、あたりはメチャクチャになっている。


(動きが激しくて近寄れないな……)


 仕方なく魔法で攻撃していく。身体が大きいから攻撃をあてること自体は簡単だが、防御がかたく攻撃が中々とおらない。

 痛みがおさまったのか、再び龍が空に舞い上がりこちらめがけて高圧の水流を吐いてくる。地上の木々や地面がえぐれ吹き飛ぶ。あたったらひとたまりもなさそうだ。

 現状効果が大きいのは雷系の魔法だが、龍もさきほどのことで警戒したのか、激しく動き回り水を吐き簡単には近寄らせてくれない。


「クラマテングが使ってきた魔法が使えたら楽そうだが、ドロップしなかったもんなぁ」


 他に急所はないものかと考える。龍といえば逆鱗か……いや、あれは触られたら激怒するんだったか。

 とりあえず地道にいくかと、持久戦を覚悟して攻撃していると、手の辺りへの攻撃を嫌がっているように見えた。


(なんだ? 手が弱点なのかな。それとも……大事そう持ってるその玉か?)


 ダメ元で奪えないかと収納を試してみると、龍の手の中から玉が消える。


「ドロップアイテムだったのか」


 ゼロに回避を任せて収納を確認すると、アイテム名は<進化の宝玉>となっていた。

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