65話
「うーん、あらためて空から見ると本当に碁盤みたいな町だな」
そうだ京◯に行こう。ではないが食い倒れの街から北上して、日本で一番有名な古都にやってきた。
古い建物がいっぱいある。十年近く昔、中学の修学旅行で来たことがあったな。修学旅行といえばここというイメージが強い。そんな歴史ある街も今ではモンスターだらけだ。
空からざっと索敵していくが、珍しいモンスターも居ない。関東での某ランドのことを考えると、有名どころはなにかありそうな気もするんだけど……
完全に希望的観測だが、あながち外してもいないと思っている。どのみち時間はかかる目標だ。色々試してみよう。
「よし、ゼロ、シュナイダー観光名所巡りだ」
清◯寺、二◯城、金◯寺など有名どころをまわっていく。しかし特に特別なモンスターやおかしな行動をするモンスターも見かけることはなかった。
時間帯や天候もあるかもしれないな……黙っていても夜はやってくるが、天候はどの地域でも狙うのが結構キツいだろう。
これは地元民の情報に頼るのが楽か。今日のところはここら辺のコミュニティでも探して、翌日からまた探索に戻ろう。
探索中に、それっぽい建物を見つけていたのでそこに向かう。いつものように情報提供のお願いと、物資の提供をする。
ここの人たちの話を聞くと、どうやら夜のモンスターは妖怪っぽいのが出るようだ。というのも、避難所の人たちは日中は外に食料調達にでたりするが、夜はわざわざ危険な外には出ないらしく、夜番の見張りの人の話を聞いての推測だ。
まぁどっちみち夜の探索はするつもりだったので、新しいモンスターがいそう、というだけでやる気がわいてくる。
夜になった。チャボさんのとこでご飯も食べてドーピングも済ませてある。準備万端だ。
夜の街を浮遊松明を浮かべて探索する。なんだか雰囲気が出て怖い。モンスター以外のものが出たらどうしよう……やっぱりゼロに乗ろうかな。
すると、前方から車輪の軋むような音が聞こえてくる。突然の音にビクッとなる。生命感知で確認すると、どうやら未登録のモンスターのようだ。
(良かった、モンスターで……)
闇の中から現れたのは、牛車の前面に巨大な顔がついたモンスターだった。何に引かれているわけでもないのに、ひとりでに動いてる。
モンスターと目があう。途端に猛スピードで突進してくる。猪突猛進だ。岩石槍で車輪を攻撃してやると、バランスを崩し転倒する。起き上がる気配はない。遠距離攻撃でトドメを刺す。
弱い。これは後で避難所の人におススメしておこう。
69番 オボログルマ アイテム1 おぼろ豆腐 アイテム2 牛車
お、しかも豆腐を落とす。ヘルシーで良いんじゃないか? 牛車は今のところ正直使いどころがないな。
次のモンスターを探して移動を開始する。いつぞや戦った人魂や虚無僧なんかにも出会った。
餓鬼というモンスターにも遭遇した。ゴブリンより身体は小さいが、数がべらぼうに多い。しかしレベルの上がったこちらの脅威ではなかった。
70番 餓鬼 アイテム1 施餓鬼米 アイテム2 スクロール(下級火炎魔法)
施餓鬼米は食べられるようだ。一回で大体一合分くらいは落ちるだろうか。餓鬼自体の数も多いし、良い食料源になるかもしれない。
そんなこんなで初回の夜探索は終了した。翌日からは、初回で回れなかった場所をまわり、夜の街を探索し終えると次は山や水辺の探索にとりかかった。
ゼロで夜の空を飛んでいると、平原にやたら大量のスケルトンや人魂が集まっているのを見つけた。こちらが近づくと、スケルトンが一斉に空を見上げてくる。
(うお、なんだなんだ)
魔法で片付けようとするが、スケルトンの様子がおかしいのでちょっと待つことにする。
大量のスケルトンがバラバラになったかと思うと、一つに集まり巨大な一体のスケルトンになる。さらに巨大な頭蓋骨の眼窩には、これまた大量の人魂が集まり、怒りでつり上がったような形になる。青白い炎が燃え盛っている。
どうやら合体は済んだようだ。巨大スケルトンはこちらを捕まえようと手を伸ばしてきた。





