64話
ゼロに乗って北上し、食い倒れの街までやってきた。ゴブリンやオークに混ざって空虎が街を闊歩し、大きなカニの看板と、白いおじさんの人形が投げ捨てられる川が見える。
そのカニの看板からモンスターの反応がする。見たかんじでは分からないくらい上手く化けているが、生命感知がモンスターだとネタバレしてきているし、何より残念なのは身体がうごいちゃっているのだ。
こんな状況でカニの看板が動くわけがないのに、妙にリアルに再現してしまったせいでぎゃくにモンスターなのがバレバレだった。
シュナイダーがロケットフィッシュ一号で飛んでいき、カニに飛びつき放電で攻撃する。レベルの上昇で魔力も成長したシュナイダーの放電に耐えられず、カニは一撃で葬り去られた。
戻ってきたシュナイダーがドヤ顔をしているので頭を撫でてほめる。
67番 キャンサープレジャー アイテム1 松葉ガニ アイテム2 スクロール(下級水魔法)
残念ながら松葉ガニは落ちなかった。辺りにカニも居ないのでまた今度狩ることにして、先に街を探索してしまうことにした。
さらに街を探索していくと二メートルくらいのタコが直立して歩いているのを見つけた。タコというか昔映画で見た火星人のようだ。手に光線銃のような物ももっているし。
無力化しようと試すが光線銃は収納で奪えなかった。どうやらドロップ品ではないようだ。
こちらに気づきタコが光線銃を撃ってくる。初撃をかわしたゼロは急降下してタコを踏みつぶし、周りにいるモンスターも噛みつき、尻尾でなぎ払い倒していく。
☒
中々派手な立ち回りだ。シュナイダーに負けずに良いところを見せようと張り切っているみたいだ。背中をなでなでして褒めておく。
68番 タコ星人 アイテム1 たこ焼き アイテム2 マーズサイン
たこ焼きにはソースとマヨネーズ、あおのりと鰹節がたっぷりとかかっている。良い匂いがするのでたまらず食べてしまった。空になった船皿を収納にしまう。
マーズサインは幾何学模様が彫られた石板で特定の場所で他のサインと一緒に使うと……? と意味深なことが説明にかいてある。特定の場所というのがサッパリだ。他のサインとやらも必要なようだし、今は保留だな。
その後はしばらく街に滞在して、たこ焼きを集めたりカニを集めたりレアなモンスターを探したりで忙しかった。そんな日々を送っていると、この街の小さなコミュニティも見つけた。
いつもの情報提供の交渉と物資の提供をすると、ここでも快く受け入れてもらえた。食料はたこ焼きが特に喜ばれた。なんでもマヌケな外見に似合わずタコ星人はかなり強いらしい。光線銃を食らって今まで何人かやられているようで、手を出さないようにしているようだ。
基本的に街の探索で食料を確保しているようで、やむを得ない場合以外にはあまりモンスターと戦わないようだ。
その日は収納に有り余っている鹿肉を提供して宴会になった。こんな世界になっても絶望していない陽気な人が多く、明るく楽しい宴会だった。
翌日、ここに一番近いワイバーンのテイムを手伝ったコミュニティに連絡を入れて、この街のコミュニティとの連携をお願いする。ついでに鹿狩りをオススメしておいた。あそこはレベルが上げやすい。
お願いはアッサリと受け入れられた。なんでも各地ではワイバーンでの行き来が活発になってきているようで、段々と交流や物のやり取りも増えてきたそうだ。
非常に明るい調子で任せてくださいと言われ、よろしくお願いしておく。
どうやら皆ワイバーンを活用しているらしい。布教した甲斐があった。
この街のコミュニティを出る時にはおばちゃんたちがあめ玉をくれた。食料は十分にあるが、感謝の気持ちだと言われると断ることはできなかった。





