53話
ドロップを確認し終え、引き続き地元の避難所を目指して空の旅に戻る。しばらく飛ぶと、日が暮れる前に地元に辿り着くことができた。
直接避難所にゼロで乗り込むと皆を驚かせそうなので、少し離れた開けた場所に着陸し徒歩で向かう。シュナイダーと散歩感覚で歩きながらモンスターを狩って歩く。
これまでの戦いとレベルアップ、さらにはシュナイダーもいるおかげでこの辺りのモンスターは既に相手にならなかった。新しい武器の試し斬りに丁度良い感じだ。シュナイダーも元気に暴れ回っている。
数ヶ月振りに避難所にたどり着いた。門に勝くんは居なかったが、前にレベル上げを手伝った調達班のメンバーがおり、中へ入れてもらった。どうやら今日の外の探索は終了し、他のメンバーは詰所にいるとのことだ。久しぶりに訪れた避難所を見渡しながら詰所に向かう。
「秀一! 」
「あれ? 父さん久しぶり」
「お前、いつ帰ってきたんだ? 母さんにはもう会ったのか? 」
「いや、まだ会ってない。さっき着いたとこだし」
詰所に向かう道中、見回りをしていた父さんとばったり出くわした。母さんに顔を見せなさいと言われるが、調達班の人たちが集まっているうちに先に話をしておきたかったので、そのまま父さんと一緒に詰所へと向かう。
「それで、母さんにも顔を見せずにする話って何だ? 」
「詰所で話すよ」
詰所に着き扉を開けると、中の人達の視線が一斉にこちらへ向く。
「こんばんは、お久しぶりです」
「ヒデ! 帰ったのか」
「勝くん、皆さんもお久しぶり元気してた? 」
「ははっ、この野郎。呑気にひょっこり現れやがって。なんとかやってるよ」
勝くんと肩を叩き合い、他の調達班のメンバーにも歓迎される。落ち着いたところで、首都のツリーで起きたことや、自分が見てきた日本の現状、モンスターについて詳しく説明した。
「そうか、まだ他にも生き残っている人たちはいるんだな。なんだか希望が湧いてきたじゃないか。それに電波が使えるようになったのは助かるな。連絡が楽になる」
「完全にたまたまだけどね。気になって攻略したら……って感じ」
「いや、普通こんな状況でそんな怪しい所行かないからな? 」
「そうかな? でも新しいモンスターがいるかもしれないし……」
周りはため息をついて、残念な物を見るような目でこちらを見てくる。
「まぁでも、そのおかげでこっちも助かるんだけどな。良い仕事したぜヒデは、モンスター図鑑の情報も助かるしな」
「それで、ちょっとお願いがあるんだけど……」
モンスター図鑑のコピーと携帯のソーラー充電器なんかを取り出して、モンスターの情報提供をお願いすると、調達班のメンバーは快く引き受けてくれた。断られる可能性もあると思ったのだが、レベル上げを手伝ったことを恩に感じてくれているらしい。無茶はせず、渡したリストに無いモンスターを見かけたり、変な行動を取るようなことがあれば教えてくれるだけで良いと念を押す。
「まぁこれくらいならお安い御用さ、連絡も簡単に取れるしな」
「皆さんありがとうございます。助かります」
「それで、しばらくゆっくりできるのか? 」
父さんに聞かれ、少し悩む。皆も元気でやっているようだし、目的も果たした。特にすることも……
「あっ! そうだ。ワイバーンをテイムしに行きませんか? 」
テイムしたモンスターは食事もしないし謎空間に入れるため、場所も取らない。ワイバーンは空も飛べて探索範囲も広がるし、かなり強い。調達班のメンバーも自分が居ない間に結構レベルが上がっているようだし、少し手伝えば安全にテイムできるだろう。万一に備えて身代わり人形もある。これからモンスターの情報提供をお願いするのだ、調達班の行動範囲が広がればこちらとしても助かる。
ワイバーンの良さを力説すると、なんだかゼロの喜んでいる感情がめちゃくちゃ伝わってきた。調達班のメンバーも乗り気になったようで、早速明日からテイムを開始することになった。





