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50話

 せっかくだし見晴らしの良い展望台でお昼を食べることにする。シュナイダーにもドッグフードと水を出して、景色を眺めながらまったりと過ごす。そういえばシュナイダーはマップスキルが取れたのだろうか?


「シュナイダー、マップスキルは使えるようになった? 」


 ふるふると首を横に振り、覚えてないよ、と答えるシュナイダー。もしかして石板に触れないと駄目なのかもしれない。もしくは先着一名様とか。

 試しにシュナイダーを抱っこして石板に触れさせてみる。するとマップスキルが使えるようになったようで、喜んでいる。それとワープの登録? もできたよ。とシュナイダーが言ってくる。どうやらワープを使うには石板に触れておく必要があるようだ。

 ゼロにも触れさせておこうと呼び出す。翼を畳んでプルプルと片足を上げ、そーっと足を乗せるゼロがなんだかおかしくて笑ってしまう。笑うなとゼロに怒られてしまった。


「ごめんごめん」


 無事ゼロもワープ登録ができたようだが、マップスキルの取得はできなかったようだ。モンスターの後天的なスキルの取得はどうやら不可能なようで、前にスクロールを使わせようとした時も無理だった。そのせいか、最近では自分やシュナイダーとの間に差ができていると悩んでいるようで、たまに愚痴を言っている。その度に移動でも戦闘でも頼りにしていると伝えてはいるし、一応モンスターにもレベルはあってゼロも成長してはいるのだが……何かゼロの自信が取り戻せるようなことはないかな、とシュナイダーと顔を見合わせる。


 昼食も食べ終わってやることもやったし、そろそろ出発しようとゼロに乗る。すると、何か来たぞとゼロが言う。視線の先を見ると、平べったい何かがゆっくりとこちらに近づいてきた。


「あれは……マンタか。誰か乗ってるな」


 マンタに乗る知り合いに心当たりはある、ツリーの見えない壁に阻まれて進めないでいるマンタに向かって飛んで行く。近づくと九重さんと宮藤さんに、知らない男性が一人乗っていた。


「あ! やっぱり佐藤さんです。こんにちはー! お久しぶりです」


「こんにちは、無事着けたんですね。良かった良かった」


 元気に手を振って声を掛けてくる九重さんに挨拶を返す。ツリーの石板に触れた影響か、見えない壁を通り抜けマンタに近づく。


「佐藤さん、その節はお世話になりました」


「いえ、ちょっとレベル上げを手伝っただけで後は皆さんが頑張ったからできたことですよ」


 ペコリと頭を下げてくる宮藤さん。律儀な子だ。大したことはしてないのだが。


「それでも、佐藤さんの助力がなければ帰ってこられませんでした。本当にありがとうございます。それで、佐藤さんこちらが……」


「初めまして、九重慎太郎と言います。佐藤さんには娘とその友人たちが大変お世話になったそうで、改めてお礼させてください。ありがとうございました」


 そう言うと、年配の男性が頭を下げてきた。どうやら九重さんのお父さんのようだ。九重さんは家族と無事再会できたのか、それであんなに元気なのかもしれない。


「初めまして、佐藤秀一です。娘さんたちとはたまたま出会って、少し手を貸した程度です。どうか頭を上げてください。それにしても、どうしてここへ? 」


「それは……」


 慎太郎さんの説明によると、マンタに乗って食料の調達のため狩りをしていると、突然空を青白い光が駆け巡り、ツリーの方角に光の柱が立っていたので何事かと見に来たという。どうもお騒がせしたようだ。


「なんというか、お騒がせして申し訳ないです」


「いえ、そんなことは。それよりこんなところで話すのもなんですし、良ければ私たちの拠点に行きませんか? 大したおもてなしもできませんが、是非娘たちを助けていただいたお礼をさせてください」


「楓や風花も喜びますよ! 」


 なんだか歓迎されているようだ。断るのもなんだしちょっとお邪魔するか。それにできればお願いしたいこともあるしな。


「分かりました、お邪魔させていただきます。あ、この子は新しい仲間のシュナイダーって言います」


 シュナイダーの両脇を持ち上げ紹介すると、女性陣から黄色い歓声が上がった。


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