47話
翌日、地図を頼りにツリーへと向かう。シュナイダーと敵を蹴散らしながら到着するも、ツリーの入り口は両開きの黒光りする鉄製の扉になっており鍵がかかっていた。収納を試してみるが効果がない。強化魔法をかけて思いきり蹴ってもみたがビクともしなかった。
「ふーむ、力業は駄目か。鍵を探せってことだよな」
とりあえず残りの北側を探索して、駄目だったら川の東側エリアに賭けよう。どのみち探索はするつもりだったのだ。来た道とは別のルートを探索しながら戻る。新たなモンスターとの出会いも無く、最初の橋まで辿り着く。川の東側は西側よりも大きくジャングルが広がっていた。西側の探索より時間がかかるだろう。
「じゃあ行くか、シュナイダー」
オッケー、と軽い返事を返してくるシュナイダーと橋を渡り東側エリアに足を踏み入れた。しかし徒歩での探索は時間がかかる。ゼロをテイムしてからはほとんど空から索敵していたので、そのギャップでなおさらしんどく感じる。
(なるべく探索はしてきたけど、取りこぼしもあるだろうな……)
今までの道中、昼夜のポップの違いなんかはなるべく確認してきたが、条件ポップやレアポップの見逃しなんかはあるだろう。自分一人だけだとさすがに限界がある。何か方法を考えなければ、図鑑コンプリートまで何年かかるかわからない。そんなことを考えながらジャングルの探索を進めていった。
そろそろ薄暗くなってきて、どこかの家にお邪魔するかミニログハウスを出せる場所を探している時だった。周りに未登録のモンスターの反応が現れる。通路は一本道。シュナイダーと背中合わせにそれぞれの方向を警戒する。
「シュナイダー、気を付けろよ」
そっちもねと返してくるシュナイダー。お互い強化魔法をかけ、リビングソードとロケットフィッシュを展開する。浮遊松明に照らされた闇の中を、小さな影が地を這ってこちらに襲いかかってきた。
「来た! 」
地面を爆炎陣で焼き払う。向かってくる数は減ったものの、まだこちらに向かってくる個体がいる。
「上だ! シュナイダー、上からも来てるぞ」
木をつたい、上から襲いかかってくる影を放電で迎撃する。ポタポタと黒くて平べったいモンスターが地面に落ちて消えていく。生命感知で辺りをチェックする。どうやら全て迎撃したようだ。
51番 シャドウスネーク アイテム1 毒蛇の牙 アイテム2 スネークブーツ
ドロップを回収する。毒蛇の牙は投射スキルで飛ばせて、相手を毒にできるアイテムのようだ。スネークブーツは優れもので足音がしなくなるらしい。早速履いてみると、フィット感がなんとも気持ちいいブーツだった。歩いてみると本当に足音がしない。
「これは良いものだ」
その後適当な建物にお邪魔して夜を明かした。翌日から広いジャングルの探索が始まった。現れるモンスターは図鑑に登録済みばかりで、ツリーに入るための鍵を持っていそうなモンスターも居ない。一週間近くを探索に費やし、残りの探索していない場所は某有名遊園地だけになった。
「高校の修学旅行以来だな……」
無人の遊園地の受け付けゲートを通過し、園内に入る。当時勝くんや仲の良い友人たちと回った遊園地は、人気が無く怖いくらいの静寂に包まれていた。少しセンチメンタルになってしまった。どうしたの? と見上げてくるシュナイダーに、なんでも無いよと返して園内を探索していく。生命感知にモンスターの反応は見られない。空振りか? と思い始めた時であった。メリーゴーランドの横を通り過ぎると、陽気で楽しげな音楽が辺りに鳴り響き。メリーゴーランドが動き始めた。
(え、何これ怖い)
唖然としていると、メリーゴーランドの乗り物の上に黒い霧が現れ、モンスターがポップする。ネズミやアヒル、クマやウサギの着ぐるみがこちらを見てメリーゴーランドから降りてくる。手に武器らしい物は持っていない代わりに、着ぐるみの頭を持っている。アレをどうするつもりなのだろう……
コミカルな動きで近づいてくる着ぐるみたちにびびっていると、シュナイダーが先制攻撃を仕掛ける。放電を放ちながら瞬足で着ぐるみたちの間を駆け抜けていく。放電を浴びて痙攣しながら倒れる着ぐるみたちはドロップを残し霧となって消えていく。シュナイダーにしっかりしてよと言われてしまう。
「ごめん、なんか怖くて……」
いきなりああいうのは止めてほしい。しかし、モンスターがあんな感じでくるのが分かれば次からは大丈夫だ。ドロップを回収して図鑑を確認する。
52番 アニマルフレンズ アイテム1 着ぐるみ(6種類) アイテム2 シーズンパス
どうやら着ぐるみたちは、見た目が違うだけでモンスターの種族としては一種類のようだ。しかしドロップの着ぐるみは6種類あるらしい。これは集めなければならない。シーズンパスは今回ドロップしなかったが、これは首から下げているとアニマルフレンズたちに連れていかれなくなる。と書いてる。なんにせよツリーの鍵の手掛かりを求めて探索しなければ……





