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36話

 空をゆったりとしたスピードで、泳ぐように飛んでいるマンタの大きさに一瞬呆ける。横幅はざっとゼロの2倍はあるだろうか、縦の大きさも尻尾? のような部分を含めるとゼロより大きい。予定のワイバーンとは違うが、これならコテージのメンバー全員が乗ってもまだ余裕がありそうだ。


 一当てして高原まで引っ張っていくことにする。ゼロの火球と業火球を同時に放つと、嫌がって身をよじるマンタ。こちらが先導するように目の前を飛ぶと、ゆっくりとついてくる。突然、マンタの下から小さな何かが複数飛び出してきた。


「なんだ……魚?! 」


 人間の大人くらいの大きさの魚が、空中を飛んでこちらを追いかけてくる。マンタを振り切らない速度で飛んでいたため、何匹かゼロの尻尾に噛み付いてくる。しかし強化のかかったゼロの鱗は貫通できなかったのか、不快そうにゼロが尻尾を振り払うと魚たちは吹き飛ばされていく。迎撃用にリビングソードを召喚し、自身も魔法で迎撃していく。魚たちは自立しているらしく、かわしてもこちらを追尾してくる。


 少しマンタを消耗させようと、スピードを上げ旋回し、ゼロの火球と業火球を放つ。するとマンタは、口から太い水流をビームのように吐き出してきて相殺してきた。どうやら正面からの攻撃は微妙そうだ。そんなこんなで、わちゃわちゃやりながら飛んでいるとようやく高原が見えてきた。コテージのメンバーは、予定と違うモンスターの登場にこちらを指差して慌てている。スピードを上げ、事情を伝えるため高原に降りる。


「さ、佐藤さん! マンタが空を飛んでます! 」


「ええ、平べったくて乗りやすいかと思いまして、6人乗ってもきっと大丈夫ですよ。あれなら。それより……」


 マンタの攻撃方法を手短に説明する。追尾してくる魚ミサイルと、水ビームだ。なるべく正面には陣取らず、死角から火球で攻撃するようにアドバイスする。近くまでマンタが迫ってきたため、魚の迎撃用にリビングソードを残し、再び空へ飛び立つ。


「じゃあ自分は空で注意を引きつけるので、皆さんは地上から魔法で攻撃をお願いします」


「はい! 頑張ります」


 マンタの上を取り、魔法で攻撃し注意を引く。コテージのメンバーにテイムさせるために、あまりこちらが活躍しても駄目だ。匙加減に気をつけなければならない。巨体なうえにゼロほどのスピードが出ないマンタは、地上からの魔法にじわじわと削られていく。丁度良い的なので、自分もこの機会にまだ覚えていなかった弓のスキル取得を狙って、チクチクと弓を放っていく。


 コテージのメンバーも魚ミサイル迎撃班と、魔法攻撃班に分かれて頑張っている。手が空いたら全員で火球を一斉射撃している。執拗な攻撃に中々タフだったマンタも次第に動きが鈍くなり、地面へと落ちていく。みんなしばらく離れて様子を見ていたが、マンタが暴れる気配はなかった。


「チャンスです! 誰かテイム契約を」


 みんな顔を見合わせて誰が行く? みたいになっている。最終的に一番レベルが高い九重さんが行くようだ。恐る恐るマンタに近づくと、テイムを発動する。弱ったマンタは、時折ヒレをピチピチさせ見定めるようにしていたが、しばらくするとテイムを受け入れたようで魔法陣が身体に吸い込まれていく。


「これが……テイムの感覚。まん太の気持ちが伝わってきます。今、治してあげるからね」


 マンタのニュアンスが少し変な気がしたが、どうやら通じ合えたようだ。地上に降り、皆んなと一緒にマンタの治療をしていく。デカいので結構時間がかかった。九重さんによると、マンタは少しいじけているようだった。まぁ確かに多勢に無勢だったし、ワイバーンの機動力があれば、最悪倒せないにしても逃げることもできただろう。最後らへんは何か可哀相な感じにはなっていた。


「ごめんね、まん太。これからよろしくお願いしますね」


 九重さんがマンタを撫でながら話し掛ける。


「あーちゃん、この子の名前考えなきゃだね」


「この子はまん太ですよ? 」


「確かにマンタだけど、きちんと名前を……」


「ですから、まん太です」


 何やらマンタの名前で揉めているようだ。モンスター図鑑を確認すると、九重さんがテイムしたのでマンタが図鑑に載っていない。魚は載っている。


 39番 ロケットフィッシュ アイテム1 スクロール(下級風魔法) アイテム2 スクロール(追尾)


 追尾のスキルは遠距離攻撃が敵に当たるまで追尾するようになるらしい。結構良いスキルだ。まだ明るいので図鑑用にマンタを一回倒してくることにする。


「ちょっと自分はマンタを倒してくるので、皆さんは先に帰っていてください」


 一言断ってから、先ほどマンタと遭遇した場所まで戻る。ハーピーやフロストイーグルを狩っていると、お目当てのマンタが出現する。収納に入っている飛竜の火炎袋を何個かマンタの背中にぶちまけて、爆炎陣で焼いていく。背中についた火を消せずこんがりと焼かれたマンタは、霧となって消えていった。

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