33話
コテージに入ると、若い女性が四名ご年配の男女が一名ずつ武器を持って立っていた。中に入れてくれたものの、警戒はされているようだ。
「こんにちは。お招きいただきありがとうございます。自分はモンスターを狩って旅をしている、佐藤と申します。話を聞きたいということなので、自分が知っている範囲のことでしたらお話したいと思います」
こちらがヘルメットを脱ぎ自己紹介をすると、コテージの人たちも自己紹介をしてくれる。扉越しにやり取りをして、招き入れてくれたのが剣を持った女性、九重あやめさん。九重さんの少し後ろに立っているのが、宮藤 里子さん。宮藤さんの左隣が五条 楓さん。右隣が佐伯 風花さん。九重さんの横に、立っている年配の男性が田中誠司さん。その田中さんの隣が田中恵美子さん。恵美子さんは誠司さんの奥さんとのことだ。自己紹介を終え、立ち話もなんだということで、テーブルに案内され全員で座る。
若い女性陣四名は、都内にある女子校に通っており。連休中思い出づくりに、九重さんの家が所有するこの別荘に遊びに来ていたところ、今回の異変のせいで帰れなくなってしまったそうだ。田中夫妻は、この別荘の管理を任されているそうだ。異変発生後、しばらくはコテージにこもって情報を集めたり、家族と連絡を取っていたりしたそうだが、インフラも止まりそれもできなくなった。食料の備蓄も無くなってきて、全員で何とか周りにいる弱めのキラーラビットなんかを倒し、食いつないでいたとのことだった。幸い、井戸や薪があったためなんとかやってこられたという。
「あの、佐藤さんは旅をされているとおっしゃっていました。都内の様子はご存知でしょうか? 」
「残念ながら、自分は北陸方面から北上してきたので、まだ都内には行っていないんです」
九重さんに尋ねられ答えると、こちらの答えに女子高生四人組は、そうなんですか、と肩を落とした。
「あの、佐藤さんはこんな状況の海をどうやって渡ってきたのですか? 海に化け物は出ないのでしょうか? 」
「えーと、テイムというスキルがありましてですね。それで空を飛べるワイバーンというモンスターを手懐けて、空を飛んできました。因みに空にも海にもモンスターはいますね」
誠司さんに聞かれ、答える。コテージにいる六人は一応全員モンスターを倒したことがあるようで、レベル1にはなっているようだ。しかしワイバーンは見たことがないのだろう。ピンときていないようだ。
「そのワイバーンというのは、簡単にテイムというのができるものなのでしょうか? 」
「まずテイムのスキルを持っていることが第一条件ですね、そしてテイムしたいモンスターにこちらの力を認めさせる必要があります。ワイバーンは、そうですね結構強かったです。良ければ見てみますか? 」
全員頷いたので、外に出てゼロを呼び出すことになった。あらかじめ結構大きいこと、自分のいうことは聞くので危険がないことを伝えておく。
「ゼロ、ちょっと出てきて。紹介するから」
なんだなんだとゼロが魔法陣から出てくると、皆んな悲鳴を上げて腰を抜かしてしまう。
「さ、佐藤さん! こんな化け物と戦ったのですか?! 」
女性陣は抱き合い、震えている。かろうじて、誠司さんが問いかけてくる。化け物とは失礼な、と怒るゼロを宥め答える。
「えぇ、高速道路をモンスター狩りながら歩いていたら偶然会いまして、運が良かったですよ。丁度移動手段が欲しかったですし」
なんか女性陣の方から、あんなの倒せないとか、頭おかしいとか、変人とか危ない人です……とか聞こえた気がしたが、気のせいだろう。
「大丈夫ですよ、噛み付いたりしませんから。ゼロちゃんと挨拶して」
ぺこりと頭を下げ、よろしくという感じで唸るゼロ。見た目はいかついかもしれないが、テイムしてしまえば可愛いやつなんだけど、女子高生には分からないのかもしれない。ゼロに礼を言い、戻ってもらう。
「慣れたら可愛いですよ。テイムしたモンスターとは意思疎通ができますし、言うことも聞いてくれて、移動も戦闘も活躍してくれてます」
それからは日も沈んでしまったし、コテージに入り夕食をとることにした。蝋燭の灯りの中、おにぎりや、いなり寿司を提供すると久しぶりのお米だと皆喜んでいた。





