表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/166

30話

 海岸まで移動し、水流操作を使ってみる。押し寄せる波に、水流操作で波をぶつけてみたり鳴門海峡のような渦を作ってみたりした。


「おー、楽しい……けど、直接的な攻撃には向かなそうだな」


 次は水面歩行を使用して、足を踏み出す。すると、なんとも不思議な感触が足の裏に返ってくる。両足を水面に乗せると、波に足を取られそうになる。水流操作を使い、足元の水流を制御すると歩きやすくなった。


 楽しくなってきて、海峡の半分ほどを歩いてきてしまった。ゼロは空を飛んでついてきている。時おり、ゼロが水面に向かい火球を吐いている。どうやら、こちらを襲おうとしているモンスターを倒してくれているらしい。


 ドロップを回収すると、未入手のアイテムが手に入る。おや、と思いモンスター図鑑を確認する。


 31番 ブラックツナ アイテム1 赤身魚 アイテム2 大トロ


 海峡を渡り、半島に着いた。再びゼロに乗り空から探索をする。この辺りは既存のモンスターばかりだったが、霧に覆われて空からではよく見えない山があったので気になった。近づいてみるが空からでは地上の様子がまったく分からない。仕方がないのでゼロから降りて、リビングソードを召喚し、徒歩で探索することにした。赤い小さな橋を渡り、道なりに進むと門が見えてくる。門をくぐると正面と左手に道が伸びていた。


 左に道なりに進んでいく。霧のせいで視界が悪く、3メートルくらい先までしか見えない。そんなすぐ目の前の霧の中から、人間の幽霊みたいなモンスターが姿を現した。半透明で足はあるが、浮いていてこちらに手を伸ばして進んでくる。業火球を幽霊に向けて放つと、悲鳴を上げて消えていく。


 ドロップを回収すると、すぐに新手の幽霊が現れた。今度は数が増え、三体現れる。爆炎陣で焼き払う。後ろからも悲鳴が聞こえ振り向くと、リビングソードが幽霊を切り捨てていた。左右にも目を配ると、いつのまにか大勢の幽霊に囲まれている。倒しても倒しても、次から次へと現れる幽霊を捌ききれなくなり、ついに攻撃を受けてしまう。幽霊がこちらの身体の中に手を突っ込んでくると、身体から力が抜けていき、手に持った清めの錫杖を落としてしまう。


(これは、ヤバイ)


 途切れそうになる意識を必死に繋ぎ止め、無限収納から、あるアイテムを取り出し使用する。効果はてき面で、辺りの幽霊が消えていく。破邪の経文の存在を思い出して良かった。こんなに効くとは思わなかったが、助かった。


 しかし厄介な相手だ。数が多いし、触れられただけで力が抜けていくし、おまけに視界も悪い。破邪の経文はまだ残っているので、無くなりそうになったら探索を切り上げることにして先に進む。今度は前方から白装束を着た、長い黒髪の女性が歩いてくる。首が横に90度曲がっていて、カクカク動いている、めちゃくちゃ怖い。奇声を上げて走り寄ってくるモンスターに業火球を放ち燃やし尽くす。


(うえー、めっちゃ怖い! )


 しばらく幽霊型モンスターを狩った後、破邪の経文が無くなったため撤退することにした。門を出てゼロを呼び出し、適当な宿を探して一息つきモンスター図鑑を確認する。


 32番 浮遊霊 アイテム1 魔力の結晶(小)アイテム2 スクロール(吸収)


 33番 カクカク アイテム1 人形 アイテム2 スクロール(生命感知)


 吸収はこちらの物理攻撃が命中した際、相手の生命力や魔力を吸収できるスキルで、生命感知は自分の周囲のモンスターを感知できるスキルだ。試しに生命感知を使用すると、宿の壁越しにモンスターが外にいるのが分かる。どうやらオークがいるようだ。モンスターの種類もなんとなくわかる。


(良いスキルが手に入ったな。しかし、アイテムの人形の説明が怖いな)


 人形 可愛らしい女の子の人形。たまに動き出したり、赤い涙を流したりする。


(これは無限収納に封印しておこう)


 図鑑の確認を済ませて夕飯を取り、眠りにつくことにした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー ツギクルブックスの作品紹介ページに飛びます画像をクリックするとツギクルブックスの作品紹介ページに飛びます!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ