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23話

 まずは一番弱そうなガイコツに仕掛ける。投石の魔法を、立ち止まっているガイコツの頭部目掛けて放つ。見事に命中して頭蓋骨が身体から落ち、身体の骨もバラバラになり消えていく。敵襲に気づいたモンスターたちが一斉に反応して、こちらへ向かってくる。踵を返し、境内まで戻りリビングソードを召喚して待ち構える。


 虚無僧、人魂、ガイコツ、コウモリがワラワラとやってきた。リビングソードには飛んでいるコウモリや人魂の相手を命じる。残りのガイコツと虚無僧はコンテナを積み重ねて囲み、大量の鉄骨を落として仕留めた。リビングソードの方を見ると、すでに何体かコウモリを倒している。魔法で加勢し、残りのコウモリと人魂も全滅させた。本堂に戻り、モンスター図鑑を確認する。


 22番 スケルトン アイテム1 骨 アイテム2 スクロール(闇耐性)


 23番 オオコウモリ アイテム1 コウモリの羽 アイテム2 コウモリの牙


 24番 彷徨う人魂 アイテム1 浮遊松明 アイテム2 スクロール(下級火炎魔法)


 25番 嘆きの虚無僧 アイテム1 清めの錫杖 アイテム2 破邪の経文


(お、初めてアイテムが被った。こんなこともあるのか)


 アイテムを確認していく。有用そうな物は、闇耐性、清めの錫杖、浮遊松明と破邪の経文だ。


 スクロール(闇耐性)呪いや暗闇。闇の者の攻撃に耐性がつく。


 清めの錫杖 闇の者を打ち払う杖。霊体に大きな効果を持つ。


 浮遊松明 使用すると一定時間辺りを漂い、明るく照らす。一度使うと無くなる。


 破邪の経文 辺りの邪な者を打ち払う。一度使うと無くなる。


 今回のことで、夜にしかポップしないモンスターがいるのが分かった。今度からは、夜も少し探索してみるとしよう。今日はもう休むことにする。布団を取り出して横になり瞼を閉じた。


「ふぁあ、眠いな」


 次の日の朝、いつもより少し遅く目が覚めた。夜中に錫杖のシャンシャンという音で目が覚めてしまい、もう一度モンスターたちを倒したからだった。闇耐性のお陰か、使う前より夜目が利く感じだった。


(今度からお寺に泊まるのはやめておこう)


 朝の身支度を済ませ、墓地を確認しに行くとモンスターはポップしていなかった。やはり夜限定でポップするのだろう。一旦本堂に戻り、朝食を取りながら本屋で回収した地図を眺める。


「ここは日中の敵は、こいつらで。ここはオークが多かったな」


 地図に大体のモンスター分布、自分の目で見た感じの密度を書き込んでいく。場所によってモンスターの強さと密度にバラツキはあるが、概ね北上していくとモンスターが強くなっているような気がする。今居るところは、街中にオークやアサシンリザードが混在していた。マップ系のスキルや、索敵系のスキルがあれば便利なのだが無いものは仕方ないので、アナログでやっていた。


(ふーむ、敵の強さや密度にもよるけど、今日はここら辺まで行きたいな)


 ブランド牛肉が有名な県に丸をする。既に県境付近までは来ているし、強化魔法をかけて全力で走れば行けそうな距離だ。


「よし、行くか」


 地図で大体の道順を確認して、出していた物をしまい込み、自分に強化魔法と透明化を掛ける。道中未登録のモンスターを見つけたら狩ることにして、出発する。


 隣の県に入るとゴブリンやオークの中に、時おりデカイ二足歩行の牛が混ざるようになってきた。体長は4〜5mはあるだろう巨体で、手には大きなポールアクスを持っていていかにも強そうだ。個体数はそれほど多くないが、厄介そうな相手だった。戦いやすい、広い場所にいる個体を狙う。


(先ずは囲んでみるか)


 離れた場所から様子を窺い、取り巻きのオークやゴブリンごと、収納からコンテナなどを出して囲み、上から鉄骨を落とす。すると、金属同士がぶつかる音と共に、何本か鉄骨が囲みの外に弾き出される。


「マジか……なんつー力だ」


 もっと大きな物を収納しておくべきだった。なんて後悔をしていると、囲みを突き破り牛が飛び出してきた。雄叫びを上げ、辺りを見回している。


「ヴモォーン! 」


 こちらを見つけたのか、牛が突撃してくる。斧を収納しようとするが、効かない。


(斧はドロップしないのか?! )


 攻撃によって解けていた透明化を掛け直し、空中浮遊で斧の届かない高さまで浮かぶ。こちらを見失った牛は立ち止まりキョロキョロしながら近づいてくる。


「ウモ?」


 不思議そうに首を傾げながら、辺りを斧で薙ぎ払っている。そんな牛目掛けて、拘束の爪を1本だけ投射の魔法で撃ち出す。


(2本しかないんだ、効いてくれよ)


 拘束の爪が右肩に刺さった牛は、爪を抜こうと左手を伸ばそうとする。しかし麻痺が効いてきたのか、途中で動きが止まる。あとはリビングソードを呼び出し、攻撃を命じる。自分は離れた所から弓を撃ち、スキル取得を狙う。見た目に違わずタフなようで、リビングソードの攻撃も弓での攻撃も浅く傷をつけるだけだった。ならばと、魔法攻撃に切り替えて火球を放ちまくる。ついに耐えきれなくなった牛は、ようやく消えていった。


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