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144話

 色々と武器を試した結果、剣や槍なんかはどうもしっくりとこなかったようで風斬りの短剣を使うことにしたようだ。


「ナイフなら扱ったことがあるからな」


「現代だと剣や槍は使う機会はないですからね」


「そうだ。むしろ佐藤は何故そんなに剣の扱いが上手いんだ?」


「武器は使ってるとスキルが覚えられますから、そのおかげもあると思います。後は練習しました」


 やはり日本のエージェント、もしくは忍者なのでは? と疑ってくるアレクセイさんを否定し、魔法やスキルについて説明していく。

 ゲームをしたことがないアレクセイさんは最初は戸惑っていたが、透明化や生命感知のスキルにはすぐに慣れたようだ。


「これは便利だ。敵をやりすごすのに最適だな」


「モンスターを探すのに生命感知は本当便利ですよ。目視だと大変ですからね」


「……佐藤、あんたは見つけた敵は全部倒すつもりなのか?」


「大体そうですね」


「そうか……」


 留守をシュナイダーとお松さんに任せ、アレクセイさんと狩りに出かける。ここら辺だとまずはビッグホワイトがいいか。ゼロに乗ってビッグホワイトが多くいる海方面へ向かう。

 数分もかからずビッグホワイトの群生地にたどり着いた。意識があるうちにゼロへ乗るのが初めてのアレクセイさんは、その飛行速度に驚いていた。


「じゃあちょっと数を減らしてきますね」


「わかった」


 ゼロの背から飛び降り、適当にビッグホワイトを間引いていく。残り一匹になったところでゼロが地上に降りてきた。


「佐藤、あんたは本当に何者なんだ? ほとんど動きが見えなかったぞ。本当に忍者じゃないのか?」


「違いますよ。レベルとスキルのおかげです。元は日本のサラリーマンです」


「しかしAKですら中々手こずる化け物をあんなにもアッサリと……」


「黒龍剣が強いってのもありますね。AKって銃でしたっけ? 銃はあまりモンスターにきかないんですかね」


「倒せるには倒せるが、かなり弾を消費するな。そのおかげで子供たちにも満足に食べさせることができなかった。それに、倒したとしても必ず食い物を落とすわけでもないしな」


 銃の弾は使い切ってしまったらそう簡単に補充できないだろうしな。大量に弾を消費して何も得られなかったら割に合わないだろう。

 まぁ経験値は得られるわけだが、話を聞く限りではアレクセイさんもレベルは上がっている。それでも銃では倒しにくいということは、銃にレベルやステータスの補正はかかったりしないのだろうか?


「これからは剣と魔法の時代ですね」


「ふふっ、そうなのかもしれんな」


 さて、ビッグホワイトを放置してしまっていた。こちらに襲ってこないように氷にはめて動きを封じていたビッグホワイトを解放してやる。

 解き放たれたビッグホワイトがこちらへ向かって転がってきた。


「さぁ、アレクセイさん。アレを倒してレベルアップです。自分が魔法でサポートするので存分にやってください」


「あぁ、やってやるさ」


 最初はいつものようにモンスターを穴に埋めてパワーレベリングしようとしたが、いずれ自分は居なくなるのだからとアレクセイさんがガチ戦闘を望んだ。

 万一に備えて魔法でのサポートはありだが、岩石鎧と回復魔法くらいで様子を見よう。


 流石は現役の軍人と言うべきか、なるべく被弾を避けるように立ち回ったアレクセイさんはほぼこちらの助けなくビッグホワイトを倒すことに成功した。


「お見事」


「いや、この武器とスキルのおかげさ。銃で攻撃するよりも明らかにダメージを与えられたよ。それにあのアザラシも動きが直線的で攻撃がかわしやすかった」


 それからしばらくビッグホワイトを歩き狩りし、攻撃魔法の扱いに慣れたアレクセイさんはアイシクルベアも死闘の末倒した。達成感に満ちた表情のアレクセイさん。


「やったぞ、佐藤!」


「やりましたね、アレクセイさん!」


 そろそろ暗くなるので今日の狩りは切り上げることにした。


「明日からもどんどん狩るぞ」


「良いですね。明日は町を綺麗に掃除しましょう」


 町の上空まで来ると生命感知にモンスターの反応がほとんどない。なんだろうと思って残り少ない反応へと近づいていくと、白熊夫婦がアイシクルベアを相手に無双していた。

 それを見たアレクセイさんは心なしかしょんぼりしているように見える。


「ま、まぁ白熊は強いですから」


 それに短い間とはいえ、あの白熊夫婦はシュナイダーに鍛えられている。

 あれ、これは指導者としての腕を試されている? アレクセイさんも結構戦えるようになったし、明日からはもっとガンガン行くか。

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