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143話

 今度は異変発生後からのこちらの事情を詳しく説明していく。モンスター図鑑を完成させたいというと、アレクセイさんは困惑していた。


「わざわざ自分から危険に突っ込んでいくのか? 話を聞いた限りでは、佐藤のその能力があれば日本国内で暮らしていくのになんの不自由もなさそうだが……」


「モンスター図鑑が埋まっていくのを見るのが楽しいんですよ。それで、アレクセイさんはこれまでどんなモンスターに会いましたか?」


 モンスター図鑑を見せつつ、図鑑に登録されていないモンスターを見たことがないか尋ねる。


「日本にもこれだけの種類の化け物どもがいるのか……佐藤はこれを全部倒してきたのか? この燃えているドラゴンなんてどうやって倒したんだ」


「ヴォルケイオスですか? ゼロもいるし海に誘導してから落として弱体化させて倒しました」


「あのドラゴンか……北の方の上空に似たような化け物が出ると通信で言っていたな。戦闘機すら落とす化け物だったはずだが、佐藤はそんな化け物を従えているのか……」


「ゼロはワイバーンから進化したので、ブラックドラゴンの時に直接テイムしたわけじゃないんですけどね」


 ここから北に行くとドラゴンが出るのか。ここまでの道中、上空でのエンカウントはフロストイーグルばかりだった。なので軽くあしらいつつ地上に気を配れたが、ドラゴンクラスが出てくるようになると移動も大変かもしれない。

 そんなことを考えると、ゼロが任せておけと自信たっぷりに言ってくる。本当頼りにしてるよ。

 ドラゴン以外にもゴーレムに似たモンスターや、図鑑には載っていないモンスターの情報も手に入った。ゴーレムは氷で出来た身体をしており、戦車の主砲でダメージを与えられるかどうかというところのようだ。結構かたそうだけど黒龍剣や火炎系魔法でどうにかなりそうだな。

 アレクセイさんの話だけでも未登録であろうモンスターの情報がいくつか得られた。この先への期待が高まっていく。


 そうこうしていると子供たちが目を覚ましはじめたので、一旦話を切り上げて食事の用意をする。

 慌てて食べないように言ったのだが用意した食事が次々と消えていく。やはりお腹が空いていたようだ。

 ひと心地ついたのか子供たちがアレクセイさんとの再会を喜び、自分にも救助のお礼を言ってくる。しかし子供たちを見つけてきたのは動物チームだ。

 外に出てみんなを紹介する。最初は白熊とゼロを怖がっていたが、次第に慣れてきたのか子供たちはお礼を言って恐る恐る触れてコミュニケーションを取っていた。


「白熊まで従えているのか。佐藤は凄いな」


「いや、この白熊たちはご近所さんというか。テイムはしてないですね」


「なっ、それじゃああの白熊たちは野生なのか? 子供たちが危険だ」


「大丈夫だと思いますよ。あの白熊たちもレベルアップで賢くなっているので。でもあまり外に長居しても良くないですし、そろそろ中に戻りましょうか」


 白熊たちに礼を言って子供たちをミニログハウスにいれる。夫婦はこれから狩りに行くようだ。昨日からのシュナイダーブートキャンプで鍛えられ、更なる高みを目指すという。目標はシュナイダーだそうだ。大変な道のりだと思うが頑張ってほしい。


 子供たちの世話はお松さんとシュナイダーに任せて、アレクセイさんと今後のことを話し合う。子供たちは適応力が高いのかナチュラルにお松さんを受け入れて一緒にトランプで遊んでいる。


「自分はこの先に進もうと思います。モンスターたちが待っているので。アレクセイさんたちはどうしますか?」


「俺たちはしばらくこの町で過ごそうと思う。あの白熊たちもいるしな。子供たちのことを思えばもっと安全な場所に連れて行ってやりたいが……正直どこに行っても化け物だらけでな」


「そうですね……解決策としては、やっぱりレベルを上げてモンスターを楽に狩れるようになるのが一番だと思います」


 というわけで収納からスクロールを取り出してアレクセイさんに渡していく。


「な、佐藤これは何だ?」


「スクロールですよ。アレクセイさんはあの子たちの保護者でしょう? とりあえずこの辺のモンスターは蹴散らせるくらい強くなりましょう。あっ、武器は何が良いですか?」

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