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123話

 鎧を脱ぐのを忘れていた。もしかしたら、見られていたのもそのせいだったのかもしれない。装備を解除して収納にしまい、ロンTとジーパンスタイルに戻り、カツ君も言ってくれたらいいのにとジトーとした目で見る。


「いや、かっこいい鎧だったし気に入ってるのかと思ってさ。ヒデRPGとか好きだろ? それで……あ、それよりお松さんはどうしたんだ?」


「あっ、しまった」


 つい装備と一緒にお松さんまで収納してしまった。慌てて取り出し、母さんに紹介する。


「お松と申します。お兄さんには大変お世話になっております」


「あら、あなたがお松さん? まぁまぁなんて可愛らしい」


「そんな、可愛らしいだなんて……ありがとうございますお母さま」


 可愛い物好きの母さんはすっかりお松さんを気に入ってしまったようで、奥様方の中へ連れていってしまう。こうなるとお松さんの回収はしばらく無理だな。

 お土産に鬼ヶ島で手に入れた織物をいくつか渡して、カツ君と教室を後にした。


「そっか、それじゃあ冬はなんとかなりそうだね」


「まぁ、ヒデのおかげもあってなんとかってところだな」


 カツ君に最近の避難所のことを聞きながらその辺をぶらつく。食料の備蓄や防寒対策も進み、なんとか冬は越せそうといったところのようだ。

 ワイバーン隊も物資の確保から、避難所間のやりとりに人の移動にと忙しく活躍しているようでレベルも結構上がったみたいだ。

 しかし普段使うルートだとそろそろレベルも上がらなくなってきたようで、少し悩んでいるみたいだ。以前見つけた鹿公園でのレベル上げを提案してみる。


「あー、あれな。一度少数精鋭でいってみたんだけど、結構倒すのに時間がかかってなぁ。ヒデが言うほど楽ではなかったかな」


「え、そんなに強かったっけ? ウマシカ」


「結構タフだったぞ? まぁ倒せない程でもないから時間を見つけておいおいやってくよ」


 自分的に経験値がうろついている感覚だったけど、他の人からしたら結構ウマシカは強く感じるようだ。

 ドーピングの効果か……あの時はかなり魔力を底上げしてたしな。それに自分だけでなく、ゼロとシュナイダーのレベルも度重なるモンスター狩りで結構上がってたし。


「ヒデ、お前一日どんだけモンスター倒してるんだ?」


「一日に? いやぁどうだろ。ゼロとシュナイダーも戦うし日によって違いはあるけど、平均したら三桁後半くらいかな? 討伐数はカウントされないから詳しくは覚えてないんだよね」


 最近では移動中絡んでくるモンスターに苦戦することはなく、半ば作業のように襲いかかってくるモンスターを倒している。それに加えてレアポップを期待して。目についたモンスターを手当たり次第倒しているのでそれなりに数はいっているはずだ。

 もちろん移動を優先したい時なんかは絡んでくるモンスターだけ倒したり、ゼロの速度で張り切ったりするが基本は倒しながら移動している。


「いや、三桁後半って……四桁いく時もあるのか?」


「アイテム稼ぎする時はね。最近は雑魚モンスターじゃレベルがあんまり上がらないから、ボスを倒してレベル上げしたりしてるけど」


「なんかもう色々と凄いな……でもそんくらいしてなきゃ各地で気前よく物資を配れないか」


「そうそう。雑魚モンスター狩りはレアポップ狙いもあるけど、物資の確保に必要だしね」


 それでも、ばらまくように物資を提供できるのは、ドロップ率アップと無限収納のおかげだ。この二つのスキルがなければこうはいかなかったと思う。

 それに自分にはチャボさんの食堂があるので、モンスタードロップの食料なんかはほとんど配っている。必要になったら追憶のダンジョンで補給できるというのも理由の一つだ。


「よし。この世界の平和はヒデに任せた。俺たちは細々と地元で頑張っていくよ」


「いや、世界の平和を任せられても……」


 その後もカツ君と他愛のない話をしてぶらつきながら、調達班が帰ってくるのを待った。ちなみにカツ君は今日自分が帰ってくるのを聞いて、休みをもらっていたようだ。おかげで楽しい時間を過ごすことができた。

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