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115話

 推定ボス部屋以外のマップ埋めが完了したので、来た道を戻りながら雑魚モンスターに鑑定眼を使ってみる。

 オーガは、相手にならない。ブルーオーガは楽に勝てそうだとでた。確かにこの二体は楽勝なのだが、この強さの評価は何基準なのだろうか?

 無難に相手とのレベル差なのか、ステータスやスキルも加味されての評価なのか……シュナイダーと自分の差を考えるとレベルっぽくはあるが、格下相手でも相手が搦め手を使ってきたりする場合、対策が取れていないと苦戦するだろう。便利なスキルだが過信は禁物かな。


 牛頭と馬頭の鬼が守る扉前に再びやってきた。こっそりと二体を鑑定眼で見てみる。結果はこちらより少し弱いらしい。


「シュナイダーと同レベルくらいなのか。それが二体……ゼロをよび出すスペースはないし、どうするかな」


 出し惜しみしてもなんだし、とりあえず全力で攻撃してどんなもんか見てみるか。黒龍剣の全力は強力だが、周りの被害を考えると外では意外と気軽に使えない。魔力の消耗が激しいというのも理由の一つだ。

 しかし、このダンジョンはここまで格下が相手で消耗も無いに等しい。ちょっと久しぶりに全力で撃ってみるか。ダンジョンだし崩壊もしないだろう。


「じゃあ開幕全力で行くから、その後は流れでお願いねシュナイダー」


 黒龍剣に魔力を込めていく。剣に黒い力の渦がまとわりつき、なんともカッコいい。

 くっ、いかん。左手が疼く。完治したはずなのに封印が解けてしまいそうだ。

 込められる限界まで魔力を込めて、物陰から二体の鬼の前に姿を現わす。


「こんにちは! そしてさようなら!」


 こちらに気がついた鬼たちが動き出す前に、溜めに溜めた魔力を解き放つ。黒い力の奔流が鬼たちへと突き進む。

 鬼たちを巻き込み、扉に激突した黒龍剣の魔力波は盛大に爆発し、そのあまりの威力にこちらも吹き飛ばされてしまう。


「あいたたた、結構距離があったけど巻き込まれちゃったか」


 壁に叩きつけられてもこれで済むとは、岩石鎧と装備があるとはいえ、自分も頑丈になったものだ。

 しかしまだ戦闘中だ。急いで体勢を立て直して敵の攻撃に備える。ん? 生命感知の反応がない?


「ふむ、一撃か」


 意外ともろかった。やっぱり強さの指標はレベル差だけ参照してるのかな?

 まぁ火力で押し切っただけなので、近接とかでガチったら強いのかもしれないけど。

 魔力は消耗したが、結果的に一撃で倒せたのなら総合的な消耗は少ないだろう。二体の鬼のドロップを回収し、図鑑を確認する。


 111番 牛頭鬼 アイテム1 力の結晶(大) アイテム2 スクロール(超力)


 112番 馬頭鬼 アイテム1 敏捷の結晶(大) アイテム2 獄卒長の金棒


「おお、結構良いな」


 ドーピングアイテム二種類とスクロール、それとデカイ鈍器。超力は怪力や剛力の上位スキル。獄卒長の金棒は亡者や霊体に特効があり、物理で殴れるようだ。

 清めの錫杖も霊体を殴れるが、殴るならこっちの方が強そうだ。黒龍剣を手に入れてからは、その圧倒的な性能で他の武器を過去の物にしてしまったが、特効次第では活躍するかもしれない。


「しかしダンジョンは頑丈だな」


 あれほどの爆発があったのにもかかわらず、崩落なんかもなく、何ごともなかったかのように扉も健在だ。

 さて、この先にはボスが待っているのか、鬼ヶ島的に財宝でもあるのか。両開きの扉を押してみると、内側に向かってゆっくりと開いていった。

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