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106話

 カッパ神社で相撲をとった後、本を集めながら本州を目指して移動を開始する。

 本州に渡る際に、再度トキシックバルーンを倒してみたがフグ鍋セットは落ちなかった。

 これから寒くなるのでお土産に良いかと思ったのだが、しばらくはお預けだな。


 往路は地上のモンスターメインで探索していたので、復路はダンジョンやカッパ神社のようなイベントを重点的に探していくことにした。

 ロバさんに現在位置を報告すると、その地域に関して調べてくれるので周辺にダンジョンがないか探索しながら待つ。


「お城だ」


 市街地でお城を見つける。九州でのこともあるので、ここもダンジョンかもしれないと少し調べてみるが、何やら有名なお城で国宝に指定されているようだ。中に入ってみるが特にモンスターは見つけられない。空振りだったようだ。


 その日の晩、チャボさんのとこで食事を済ませ、追憶の広間でロバさんに現在位置の情報を聞く。


「現在位置だと有名どころは、このお城と神社ですね」


「あー、お城の方は昼間行きましたね。特に何もなかったです」


「神社の方は時期的に日本の神さまが集まる時期ですね。後お城の方は逸話的に夜の方が何か起こりそうですね」


「神さまが集まる時期……あぁ、神無月ってやつですか」


 具体的に何をしているのかはわからないが、日本中の神さまがこの時期に集まるというのは知っていた。


「なんでも人々の縁結びについてお話しているようですよ」


「ふむふむ。もしかしたら季節限定で何かあるかもしれませんね。明日にでも行ってみようかな。それでお城の夜なら何か起こるかもとは?」


「そのお城は人柱にされた娘の……」


「待って!それって、 怖い話ですか?」


「うーん、怖いというよりは悲しいお話ですかね」


 ロバさんいわく歴代の城主が亡くなった理由が、人柱にされた娘の呪いだというお話が残っているそうだ。

 しかし昔は生贄だとか人柱という物が結構あったようなので、悲しい話ではあるが珍しいというほどでもないとのことだ。


「んにゃ? 人間さんは怖いのが苦手ですにゃ?」


「いつもモンスターを倒してるのに……」


 漫画を読んでいたねこさんといぬさんが話に入ってきた。


「モンスターとかは平気なんですけど、お化けとか幽霊はちょっと……倒せる幽霊系のモンスターなら最近なれてきたんですけど、それでもやっぱり苦手ですね」


「意外ですにゃあ」


「怖いものなしかと思ってましたわん」


「ふふ、誰にだって苦手な物くらいあるわよ」


 いつの間にかチャボさんもやってきて会話に混ざっていた。相変わらず動きが速くて気がついたら近くに座っている。

 シュナイダーが幽霊でもご主人たちに会えたら嬉しいけどなぁ、と言う。


「シューくん……」


 ロバさんに抱かれて撫でられるシュナイダー。ちょっとしんみりとした空気になってしまったのを気にしたのか、少し慌てている。


「はは、そうだね。親しい人の幽霊なら自分も歓迎かな」


「それで、お城には行くんですわん?」


「うっ、神社に行ってからにしようかな」


「でもお城で何かあったら、後で神社に行く方が良さそうですにゃ」


「そう言われると悩みますね……」


 しかし急に行くという覚悟も出来ず、その日は皆でゲームをして結論を先延ばしにした。

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