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序章

散々な人生だった。

二人で幼い時に家を追い出されて、行くあてもなくただただ死を待つだけの人生を過ごしていた。

まだ七つにも満たない幼い双子。


「七つまでは神の子だから死ぬ事であなた達は本当の親の元に帰れるのよ」

と親に言われた事を覚えている。


憎かった。私達を要らない者扱いする親が。

悲しかった。親の期待に答えられない事が。

寂しかった。二人だけで死を待つ事が。

愛されたい。沢山の人に。

愛したい。沢山の人を。


だから願ったの、兄と共に他の世界で生きていきたいと。希望に縋るしかなかった。

そんな私の目の前で空を横切る様に流れた流れ星。

その星に確かに願ったの、兄と共に生きていきたいと。

あぁ……とても眠たい。


「おやすみ、お兄ちゃん」


私の意識は唐突に睡魔に呑み込まれた。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


とても悔しい人生だった。

幼い双子の妹すらも幸せにしてやれない様な人生だった。

何が七つまでは神の子だ。

理由を付けて僕達を追い出したかっただけじゃないか。



許せない。僕達を要らない者扱いする親が。

悔しい。親の期待に答えられない事が。

不甲斐ない。たった一人の妹すら守れない自分が。

助けたい。沢山の人を。

認めて欲しい。全ての者達に僕達双子を。


だから願った、僕達を生きさせてくれと。流れ星に願ったんだ。僕達を認めてくれる世界に行かせてくれと。

叶うなんて思わないけれど、それでも良かった。

とても眠たい。そろそろ時間なんだろう。

僕達の生命が途切れるその時がきっと来たんだな。


「おやすみ」


全てを手放す様に眠るけれど。妹の手だけは離さないまま眠る事にしよう。

散々な人生だったけど……たった六年だったけれど。

それは確かに良い人生でした。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


そんな双子を眺める神様が一人。

誰も知らないその世界へ、双子を誘う神様が笑う。

その世界で生きていきたいなら命を与えてやろうぞとニヤニヤしながら双子の死体を眺める。


「そろそろあの世界にも飽きてきた。だからどうか我を失望させるでないぞ。」


双子の魂をその手に収め何処かへと飛び去る神の横顔は双子にそっくりな顔。

彼女こそ本当の双子の親であった神様だと知るものはいない。


彼女の気まぐれに巻き込まれた双子。

二人の魂に刻まれたものは二つの役職。

【勇者】と【魔王】正反対の役職を与えられた双子。しかし二人の持つスキルはその役職とは合わないもの。


何故その役職とスキルを双子に与えたのか知るのは与えたの神様である彼女だけ。

神の子二人か織り成す物語りを静かに見守る彼女の横顔は、自分の子供を見る母親の顔。


望め、挑め、笑え、泣け、戦え、抗え、全ての事すらひっくり返してしまえ。お前達にはその力があるのだからと響く声。

それは双子に届く事もなく消える。


今宵始まる物語り。結末を決めるは神の子である双子。

彼らがどんな道を歩むのか。それはまだわからない。

小説を書くのが初めてにも関わらずファンタジー(異世界転生)ものに手を出してしまいました。

誤字やおかしい部分などあれば指摘して下さると嬉しいです。

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