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幼馴染からストーカーへ ー入門編ー

 俺は原田勝男(はらだかつお)、男子高校生だ。長い間片想いしている。俺は近所に住むさくらのことが好きだ。


 彼女は小学校の頃からスポーツが得意で運動もできて可愛かったので、同級生の男から好かれていた。まあ、下駄箱のラブレターは彼女が気づく前に破棄していたし、あからさまに俺が彼女に馴れ馴れしく接して周囲を牽制した。


 俺は受験に興味がなかったが、母親が中学受験させたがったので、俺は彼女と同じ塾に通った。塾では出来るだけ彼女と交流したいと思ったが、そこには偏差値の壁があった。


 俺はやれば出来るが、やらないので塾のクラスは一番下だった。少しだけ残念である。まあ、将来は彼女と結婚すれば大丈夫だし、問題ないと思っていた。


 彼女から俺がホームレスになると言われたときは驚いた。専業主夫という未来設計をバカにされたのだ。彼女に言い返してしまい、それ以来気まずくなって話せていない。


 なんだかんだで夏明けには偏差値も上がった。まあ、彼女が女子中学に行くと分かっていたので、その後はそんなに頑張らなかった。その結果、適当に受験した学校には落ちた。


 俺の母親は悲しんだが、俺の家系はそこまで頭が良くないので、順当ではないかと思う。


 そもそも、男子校にわざわざ行きたくはなかった。それなら地元の学校に行った方が知り合いもいるから良いと思った。


 彼女と話す機会を失った俺は、通学している彼女の尾行をしたりした。何度か目があったが、つい逸らしてしまった。


 中学は美術部に入った。絵が上手かったので、ちょっとしたコンクールは受賞した。


 ついでに、彼女も出来たが、俺はさくらが好きなので、大したことはしていない。キスくらいはしたが、それだけである。触ったりもしたが、これくらい普通だろう。


 実は高校受験は勉強をかなり頑張ったので進学校に通っている。県内でも有数のところだ。両親には喜ばれた。


 俺も小学校の頃と比べて成長したので、学歴を手に入れることにしたのだ。


 俺の通う進学校は生徒の自主性を重んじるところがあり、髪を染めるのも大丈夫だった。彼女に話しかける切っ掛けを作りたかった。


 そう、気づいたら俺はヘタレになっていたので、自分から声をかける勇気がなくなっていた。


 それに、一番の理由は彼女がかなりの美少女に成長していたからだ。人が近寄り難い雰囲気があった。


でも、彼女は話してみると天然だし面白いはずだ。小学校の頃と変わっていなければであるが。


 彼女は自分がエリートだと自負しているが、実は不器用だしアホなところもある。裁縫とか料理といった家庭科の授業で習う内容はからっきしであった。まあ、小学校の頃の話だし、今は違うかもしれない。


 俺は彼女の不器用な点も好きである。


 ある日、俺は俺以外にも彼女をストーキングする奴がいることに気づいた。問い詰めてやる。彼女は誰にもやらん。


 この時は向こうから先制攻撃をしてくるとは思いもよらなかった……


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