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自己紹介と食事

申し訳ないのですが仕事が忙しく、まだ4話目にして更新頻度が遅くなりそうです。

ただ碌にストックを作らないまま投稿を始めた愚かなねずみが悪いのです。

どうか頑張るので見捨てないでくださいね。

 シルヴィアさんからこの世界のことについて色々聞いた後、食事の時間になったのでシルヴィアさんに広間まで案内してもらった。


「アサクラ様、私は食事の時間は後ろに控えておりますので何かございましたら言ってください」


「分かりました。シルヴィアさんがいてくれると心強いです」


「それでは入りましょうか。キョウヤ・アサクラ様が到着されました。ご入室いたします」


 ドアの前でそれだけ言うとドアを開く。

 部屋の中は結構な広さがあり、中央には俺たち10人がちょうどかけることができる大きさの円卓が置いてあった。

 どうやら俺が最後だったようだ。


「すみません。一番最後になってしまって申し訳ないです」


「まだ時間の前だし大丈夫だよ。僕たちは部屋で特にやることがなかったから早めに来ていただけだから気にしないで」


 一応、一番遅くなってしまったのでみんなに声をかけると白鷺さんが代表して声をかけてくる。

 俺は空いた席にかけようとするとシルヴィアさんが椅子を引いてくれる。


「ありがとう、シルヴィアさん」


「いえ、この位どうってことありません。アサクラ様もこれからはこういったことが当たり前になりますのでいちいち感謝を述べていたらキリがありませんよ」


「まあそうだけどさ、多分元の世界での生活のせいなのか、こういうことされると恐縮しちゃうというか申し訳なくなるからありがとうって言ってしまうのだと思うからシルヴィアさんも素直に感謝を受け取ってくれればいいから」


「分かりました。折角、使徒様で集まられたのですから私とばかり話をしないで皆様と交流を深めてください」


「はいはい、分かりましたよ。すみません皆さん」


「もう専属のメイドさんとそこまで仲良くなったんだね。羨ましい限りだよ。それじゃあ、みんな揃ったことだし食事の前に自己紹介といこうじゃないか。じゃあまずは僕から、白鷺聖也(しらさぎせいや)と言います。21歳でここに来る前は大学生をしていました。才能値は200ありました。まあ、詳しい能力は追い追いということでよろしく。これからはよろしくね。とりあえずこんなところかな」


 まずは白鷺さんが立ち上がり率先してイケメンスマイルを輝かせながら自己紹介をする。何人かの女性は頬を染めているみたいだ。なんだかこういう状況に慣れている感じがする。態となのか偶々なのかは分からないがちゃっかりと才能値が最高値であることを誇示してきたな。下手したらこの自己紹介だけでここにいるみんなの格付けが終わってしまうかもしれない。

 次はメガネをかけた男性が立ち上がる。


「自分は黒田一(くろだはじめ)という。歳は28歳で一つの会社を経営していた。戦闘スタイルは魔法系を主軸にしようと思っている。才能値は180だ。みんなよろしく頼む」


 見るからに若手実業家という風貌をしている人だ。なんだか自分は出来る人間だという感じが前面に押し出されていて少しだけ接しにくい感じがする。


「俺は鳳啓太(おおとりけいた)いいます。少し関西弁が混じっているけどこれは数年関西に住んどったからや。変な言葉遣いやけど気にせんといてな。歳は20で白鷺くんと一緒で工業系という違いはあるけど大学に通っとりました。才能値もこれまた白鷺くんと同じで200あります。スキル構成の問題で戦闘は出来へんけどサポートをしっかりするさかいよろしく頼むわ」


 次に自己紹介をしたのは活発そうな印象の男性だ。本人も言っていたが標準語の中に関西弁の訛りが入った独特な話し方をしている。たった10人の中でもう2人目の才能値が200の人がいてびっくりした。

 次に立ち上がったのは身長が190センチはありそうな大柄の男性だ。目つきが鋭くて迫力というか圧がすごい。


「名前は大和連勝(やまとれんしょう)。25歳でスポーツインストラクターをしていた。趣味で格闘技を色々やっていたので戦いではそこそこ役に立つと思う。才能値は170でスキル構成は近接戦に特化している。この目つきは生まれつきなのであまり怖がらないでもらえると助かる。以上だ、よろしく頼む」


 目つきの悪さは本人は結構気にしているらしい。インストラクターって言ってたけどお客さんとのコミュニケーションは大丈夫なのか?

 まあいいか。何だか男から先に自己紹介をしている感じだし俺もそろそろいくか。


「次は俺が行きます」


 もう一人いる男性に一言断りを入れると俺は立ち上がる。


「はじめまして、麻倉恭弥と言います。年齢は18歳で高校生でした。才能値は175でスキルはここでは詳しくは言いませんが近接戦も魔法もこなせる感じだと思います。若輩者ですが、よろしくお願いします」


 まあ、こんなところだろう。

 俺はみんなの品定めをするかの様な視線を受けるけどそれに対する不快感をなんとか隠して笑顔を浮かべて座ることができた。心の中で安堵する。

 先ほど断りを入れた男性は俯き加減で立ち上がる。


「………佐伯(さえき)だ。歳は30。才能値は150。スキル構成とかは言いたくない。なるべく関わらないでくれ」


 それだけ言うとすぐに座ってしまった。

 何だか表現しにくいけど世間一般のオタクでニートのイメージを集めたらこんな感じみたいな人だった。年齢は今までの人で最年長の様だ。

 これで10人中の男6人の自己紹介が終わった。

 次は女性組の番になった。


「私は早乙女美咲(さおとめみさき)と言います。年齢は隠していても得はないと思いますので言いますが27歳で所謂OLをしていました。才能値は140ほどしかありませんが回復系に特化しています。もし組む際はよろしくお願いします」


 メガネをかけてパンツスーツを着こなしたキャリアウーマンという風貌の女性だ。すごい仕事できそうな感じがする。才能値は今までの人で一番低い様だがスキル構成が回復特化なのが気になるところだ。


「ボクは柚木恋叶(ゆずきれんか)といいます。18歳で女子校に通っていました。才能値は190でスキルは魔法特化です。以上です、よろしくお願いします」


 あの美少女さんは制服だから学生だとは思っていたがまさかの同い年だったのか。

 相変わらずの美少女っぷりに思わず心の中で合掌してしまう。

 ありがたや、ありがたや。


「アタシは水野優姫(みずのゆうき)っていいます。背は小さいけど19歳の大学生です。才能値は170です。いきなりこんな状況になって不安でいっぱいだけど素敵なお兄さんに優しくされたら大丈夫かも?それじゃあ皆さんよろしくお願いします」


 自己紹介中にちゃっかり白鷺さんへ流し目を決めたのは中学生くらいの背格好のツインテールの女性だ。色々小さくて本当に中学生に見間違えてしまいそうだ。ただこの手の話題は心の中で考えていても勘づく人が多いからなるべく考えない様にする。


「わたしは橘瑠璃(たちばなるり)と言います。20歳で大学生です。才能値は180でスキルは遠距離からの攻撃ができるっぽいです。わたしは戦闘は怖いので誰かに守ってもらえると嬉しいです。よろしくお願いします」


 印象的には世間一般的に男性からの評価が高い清楚系な女性だがこの人も白鷺さんをチラ見しながら自己紹介いていた。

 これで全員の自己紹介が終わったわけだが白鷺さんがこの短時間で二人の女性に対してフラグを建てていることに驚愕する。

 女性陣は柚木さんがずば抜けて容姿が整っているが他の人たちもそこそこ綺麗だったり可愛かったりする人たちばかりだ。


「よし、これで全員の自己紹介が終わったね。ここにいるみんなと仲良くできたらいいですね。じゃあ、時間も過ぎているようですし食事を持ってきてもらいましょうか」


 白鷺さんの言葉に反応してこの部屋と隣接しているっぽい厨房からすぐに料理が運び込まれてくる。

 お腹も減っていることだしみんなすぐに手を付け始める。

 佐伯さんは黙ったままだけど他の人たちは初日ということもありある程度のぎこちなさはあるけどなんとか会話をすることができた。因みに食事中の会話の大半は白鷺さんに対して水野さん、橘さんの質問ばかりだった。

 俺はその一方的な合コン的な雰囲気に早くも部屋に帰りたくなったが食事に集中することでなんとかなった。


「あ、これうまい」


「お口にあったようなら何よりです。パンのおかわりはいかがですか?」


「いただきます。この料理はこの国の伝統的な料理か何かですか?」


「はい、それはアルト豚の香草蒸しといいます。名前の通りなのですがアルト豚に塩とハーブ類をしっかりと擦り込んでそれを蒸し焼きにした料理になります。火入れがコツがいる料理です。今回は柑橘類のソースで爽やかに食べるようにしてあります」


「へえ、しっとりとしてて香りも豊かでとても美味しいよ。スキルに料理があるからこの国の料理も色々作りたいな」


「でしたらまた料理人の方にお願いしておきますね。それとあのお約束も忘れないようにお願いしますね」


「わかってるから、まあこれからはしばらく忙しいからそれからね」


 時折あるシルヴィアさんとの会話が一番落ち着く。

 最後のナッツのタルトを食べ終える。そうして最後に出てきたアルト茶で一息つく。


「食事も終わったし今日は明日に備えて解散にしようか」


 みんな初日で疲れていることもあるのか白鷺さんの一言に対して素直に従う。

 それぞれ専属のメイドと共に部屋へと帰っていく。


「ねえ、ちょっといいかな?」


「はい?」


 背後から声をかけられ振り向くと後ろには美少女さんもとい柚木さんが立っていた。


「どうかしましたか?」


「同い年なんだから敬語とかはいらないよ。用件だけ言わせてもらうけど、これから君の部屋に行ってもいいかな?」


「だ、大丈夫だけど」


 まさかの話にどもってしまった。俺に何の用があるというのだろうか?


「それじゃあ、いこうか」


 シルヴィアさんと柚木さんと専属メイドさんの三人は先に歩いていく。

 突然の展開についていけず一人取り残されてしまった。

 置いて行かれないように走るのはマナー違反だと思うので早歩きで三人の後を追った。





読んでいただきありがとうございます。

評価やブックマークしていただけるとありがたいです。

次話もよろしくお願いします。

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