009_復讐のはじまり
色々な方に見られて感謝です。
ここから数回に渡って復讐回となります。
お見苦しいかと思いますが、残酷な描写がございます。
「ああああああああ、痛ぇぇぇぇぇぇ!!」
俺は泣き叫ぶサボーを見て笑っていた。
ああ、これが復讐の味か。
悪くない、悪くない!
「サボー、覚えてるか?2年前、お前にさんざんコケにされ、挙句に大事な相棒を壊され、金も盗られた俺を?」
「ぐぅぅぅおおおおおお、てめぇ・・・・!!」
「いや、だから覚えてるかって聞いてるんだよ?」
俺はもう一本ナイフを取り出し、反対の足に突き刺す。
「ぬぅおおおおおおおおおおおおお!!てめぇーーー、くそーーー!!」
「あー、うるさいな。まぁ、町の外だしいくら叫んでも助けは来ないけど」
俺はもう一本ナイフを取り出す。
「もう一回聞くぞ?俺を覚えてるか?覚えてないなら、思い出すまでナイフでブスブスしようか」
「くそ、くそ!覚えてる!!あのガキだろ!?」
「あのガキって…。お前、答える能力なさすぎだろ?お前は何人ガキを殺したんだ?”あの”とか言われても俺はピンと来ないんだよ?」
言い終えるとナイフをもう一本、足へと突き刺す。
「痛ぇぇぇぇぇぇ!!くそーーー、てめえ!!殺すぞ??」
「さて、サボーくん。もう一回聞こう。俺を覚えてるか?」
「覚えてるぞ、このクソガキーーー!!あのガラクタと一緒にいた奴だろ!!」
「おお、正解正解」
俺はナイフをまた突き刺す。
「何でだぁぁぁぁ!!答えたろ、クソガキ!!!」
「いや、正解者にはご褒美をと思ったんだけど。もしかして足りないかな、サボーくん?」
「いらねぇよおおおおおお!」
「いや、本当にさっきからうるさいな、こいつは。さて、次の段階へ行こうか」
周りからガサガサと音がする。
サボーは何事かと慌てて周りを見る。
「はぁ、はぁ、ゴーレム?しかもかなりの数だ」
「中々物分りがよくなってきたね、サボーくん。昔みたいに、俺のゴーレムをガラクタって言ってたらナイフをプレゼントしてたよ」
俺は笑いながらそう言うと、サボーはビクッとする。
愉快だ。
愉快過ぎて、笑みが絶えない。
「さて、このゴーレムは俺とサボーくんを中心に取り囲んでもらってる。そして命令してある事はただ一つ、”近づく物を攻撃しろ”だ」
「クソ、一体どうなってんだ!?あのガキがまさか…」
「さて、ゲームをしよう、サボーくん」
「はぁ、はぁ、ゲームだと!?」
「そう、ゲームだ。ルールは簡単、俺かサボーくんが戦って勝ったほうが勝者だ」
「クソ、戦えばいいって事か…?」
サボーは周りのゴーレムをちらちら見ている。
どうにかこの状況から脱しようとしているみたいだ。
「サボーくん、この包囲網からは抜けられないよ。そうだね…、ほらっ」
俺は近くに落ちていた大きめの石をゴーレムへと投げつける。
ブンッ
ゴーレムは拳を振り上げると石を粉々に砕く。
「まぁ、見てもらった通りだ。包囲網から抜けるというのはオススメ出来ないな」
「クソッ!」
「さっきも言ったけど、ゲームだ。絶対に勝てないゲームなんてつまらないだろう?だから君には色々と有利になる情報をあげよう。まず俺だ。俺自身はすごく弱い。ゴーレムは見ての通りだけど」
「は、バカが。そんな事言っても新しくゴーレムを作ればいいだけだろ?」
「そうだね、ゲーム中にゴーレムを錬成しないと約束しよう」
「クッ」
サボーは勝機を掴もうと必死に周りや俺の話に耳を傾ける。
くくく、愉快だ。
「ちょっとわかりづらいからルールをもう少し付け加えようか。制限時間は朝日が昇るまでだ。そして僕は君に勝たない。あくまでも制限時間まで戦うだけだ。君は僕を倒せば勝ち。殺せば、そこにいるゴーレム達は活動をやめる」
「はぁ、はぁ、本当だろうな?」
サボーがゲームに食いついてきた。
フフフ、そうだ。
俺に勝てる。
生き残れると希望を抱くといい。
「最後に、君を回復しよう。傷を追えば、何度でも何度でも」
「ま、まじかよ」
「ああ、約束だ。それでは今から回復するから、回復したらゲーム開始としよう」
俺はサボーに向け手をかざし、回復してやる。
ナイフでつけた足の傷は塞がっていく。
「さぁ、はじめよう」
「ククク、はーっはっはっは!てめぇは、本当のバカか!?レベルは知らねぇけど、ずっとモンスターを殺し続けて俺が負けるわけねーだろ!?」
サボーは片手剣を引き抜くと俺への距離を一気に詰める。
そして気づくと目の前に立ち、深く腰を下ろすと剣を振り上げる。
これを受けたものは視界外からの攻撃により大抵は攻撃を防げず、ダメージを追ってしまう。
…のだろうが、俺には通用しない。
俺は自分の腰から片手剣を引き抜くとサボーの一撃を防ぐ。
「なっ!?」
「うーん、期待はずれだったかな、サボーくん」
「くそ、これを防げる奴なんざ、いねぇのに!!」
サボーは一旦、距離を取り、そこから連撃に入る。
俺はそれを全て防ぐ。
「くそ、くそ!まじかよ、てめぇ、俺より[剣術スキル]が上だと言うのか!?」
「いや、俺は[剣術スキル]なんかもってないよ」
「ふざけんじゃねぇ!!俺は[剣術スキル 5]なんだぞ!!剣に関してだけは騎士にも負けねぇ!!」
「じゃあ、騎士以下のただのガキの剣に負けるって事は大した事ないな」
「はぁ、はぁ。くそっ!」
サボーはまたも距離を取る。
「うーん、じゃあ俺から攻撃していい?」
俺は空いた距離を一気に詰めると、サボーが態勢を立て直す前に斬り伏せる。
「ぐああああああ!!」
「あー、サボーくん。駄目だったね、もう一回ゲームを始めようか?」
「てめぇ、、、俺より弱いだぁ!?嘘つくんじゃねぇよ!!」
「いや、嘘じゃないよ。俺は本当に戦いの才能が皆無だ」
「いい加減にしろよ…。お前は俺より強ぇじゃねぇか!」
「はぁ、本当に、俺が持っていた才能はゴーレムに関してだけだ。だけど、ゴーレムが俺に戦う術を教えてくれた」
【ステータス】
名前:アイン
年齢:16歳
職業:ゴーレム錬成士
Lv:56
HP:580/580 《876/876》
MP:1325/1326 《2045/2045》
力:158 《287》
体力:167 《298》
早さ:354 《578》
魔力:567 《828》
運:98
【装備】
片手剣型ゴーレム[剣術スキル 7][火魔法 6][風魔法 6]
魔導書型ゴーレム[記録収集スキル]
軽鎧型ゴーレム[頑強スキル][金剛力スキル]
ローブ型ゴーレム[隠蔽スキル][魔壁スキル][豪魔スキル]
ブーツ型ゴーレム[韋駄天スキル][空歩スキル][隠密スキル]
ペンダント型ゴーレム[自動HP回復スキル][自動MP回復スキル][回復魔法スキル]
【スキル】
『真眼』
├[鑑定スキル]
└[見切りスキル]
[ゴーレム錬成Lv7]
├遠隔操作
├命令付与
├擬似錬成
├ゴーレム変形
└スキル付与
そう、俺は装備の全てがゴーレムなのだ。
そして各装備しているゴーレムにスキルを付与している。
そのおかげで、本来使えない剣術や魔法何でも俺は使う事が出来る。
そして、俺が元々持っていた『真眼』。
これは[鑑定スキル]が使えるだけでなく、[見切りスキル]が使える。
この[見切りスキル]があるおかげで、他のスキルを魔道書ゴーレムに記録として収集出来る。
俺はそこから得たスキルを他のゴーレムに付与する。
そう、ジジイが残してくれたこの魔道書ゴーレムのおかげで戦う術を身につけられたのだ。
で、こいつのステータスは。
【ステータス】
名前:サボー
年齢:38歳
職業:剣士
Lv:36
HP:621/621
MP:138/138
力:203
体力:178
早さ:188
魔力:54
運:55
【装備】
シルバーソード
ショートバックラー
ブラックレザーアーマー
アイアンガントレット
アイアンブーツ
【スキル】
[剣術スキル 5]
こいつの持ってる[剣術 スキル]は2年前に手に入れていた。
特に新しく覚えてるスキルもなさそうだ。
にしても、これが本来のステータス値なんだろう。
本当に俺は弱いな。
レベルが上がっても、ゴーレムなしでは格下のこいつにも殺されてしまうな。
「さぁゲームの続きをしようか!!」
何度も何度もサボーを半殺しにする。
剣で斬り伏せ、拳で骨を折るまで殴り、魔法で火炙りにしたり、風魔法で切り刻んだり。
その度に、俺は優しく丁寧にこいつを癒やしてやる。
「た、頼む!俺には無理だ!何でも言うことを聞く!謝る、いくらでも謝る!この通りだ!!」
「駄目だよ、サボーくん。ゲームの終了は朝日が昇るまでだって言っただろう?」
サボーは顔面がめり込む勢いで地面に額をこすりつける。
この情けない土下座のサボーに俺は容赦なく、背中を斬りつける。
「ぎゃあああああああ!!」
「おお、新しい悲鳴だね。これはますますゲームのやりがいがあるなぁ」
「頼むぅぅぅぅぅぅ!!ごめんなさい、アイン様!!何でも聞きますから、命だけは!!」
「くくく、無様だ。実に無様だ。弱い者いじめが大好きなサボーくんとは思えないよ!」
「本当だ!心を入れ替える!もう二度と人を襲わない!!そうだ、自首する!!ちゃんと罪を告白して贖う!!」
俺はまた回復魔法でサボーの傷を癒やす。
「いーや、駄目だ。サボー。このゲームはまだ終えない。続けるんだ」
「すいません、すいません、すいません!!!アイン様ぁぁぁぁ!ああああああああっっ!!」
先程の土下座をやめなかったサボーに再び背中を斬りつける。
斬りつけては回復する。
もはや作業のように、それを繰り返す。
「お、お願いだぁぁぁ!もう止めてくれぇぇぇ!!」
「駄目だよ、サボーくん。ゲームはやめられないと言っただろう」
「鬼!悪魔!ぎゃあああああああ!!」
「さっきから、敬ったりバカにしたりとどっちなんだよ、君は?」
「すいません。すいません。すいません」
まだだ。
こんなものじゃ満たされない。
本当にこいつを、骨の髄までいたぶらないと…!
「くくく、はっはっはっは!」
「ヒィッ!!?」
もう何時間経ったのだろう。
あれから、サボーに変化があった。
ふむふむ、本当に興味深い結果だ。
「頼む頼む頼む、殺して!殺じでぐだざいーー」
「だめだめだめ!死ぬのも禁止だって。ゲームの終了まで君のその権利はないんだから!!」
「ああああぅぅぅぅっ!!!?」
こいつが突然、周りにいたゴーレムに飛び込み始めた。
きっと自ら死のうと思ったのだろう。
もうゲームからは逃れられない。
だから自分の手で終わらせようと。
だが、これは俺も狙っていた。
元々こいつらに命令してあるのは”近づくものを攻撃しろ”ではない。
”近づいたら元の場所へ放りなげろ”だ。
くくく、あいつ、本当におもしろい。
やっと死ねると思って、ゴーレムに突っ込んだのに元の場所に投げ返されるんだ。
あの時の表情ときたら…。
「本当に最高だ!」
外が徐々に明るくなる。
ゲームの終了が近い。
「さて、ゲームもそろそろ終盤だ。あれ、サボーくん老けこんだ?」
見れば、サボーの顔はやつれきっており、お得意のギラギラとした目つきは全てを諦めた老人のような目になっている。
「いえ…。あ、いや、はい」
「返事はちゃんとしないとね、サボーくん!」
「は、はい!!」
「ふむふむ、よろしい」
サボーはもう生きるや死ぬという事を考える事をやめてしまったかのようだ。
そう廃人だ。
だがそうはさせない。
「ゲームはこれで終わりだ」
「あ、はい」
「だが、どうしてこうなったと思う?」
「おれの…あ、ぼくのせいです。ぼくが悪い人だから」
「そうだね。死ぬことは許さないよ、サボーくん。罪は生きていないと贖えない」
「はい」
「君に考える機会をあげよう。いいよね、サボーくん?」
「はい、アイン様の元で罪を贖います」
「よろしい。剣を置いてこちらへ来るんだ」
サボーはこちらに来ると俺は両手を特殊な拘束具型ゴーレムで縛る。
足も同様に動けないようにする。
そして最後に、こいつの為だけに用意したゴーレムを取り出す。
頭に取り付ける装着具のゴーレムだ。
これに入れてあるスキルは[自動精神異常回復スキル][記憶復元スキル]の二つだ。
[自動精神異常回復スキル]は精神異常系のバッドステータスを時間別に回復してくれる。
精神疲労にも効果有りだ。
[記憶復元スキル]は記憶の復元。
何が有ったかを脳内で再生する事が出来る。
設定してある時間はここ数時間前だ。
何ともお会えつら得向きなスキルだと思う。
「じゃあ、しっかりと贖えよ、サボーくん」
「ああああああああああああああああああああああああ!!!!!!??」




