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017_ダンジョン・攻略

感想・レビューお待ちしております。

その後も順調にダンジョン攻略を進める。

相変わらずの洞窟風景だが、先ほどのようなダイアウルフの群れみたいな凶悪なのはいない。

いてもせいぜいCランクが数体やBランクが単体で一体と言った感じだ。


「にしても、最初のは何だったんだろうな」

「確かにその後のモンスターの強さと比べると、疑問が残ります」


とりあえず今のところ問題がなさそうなので、先へと進んでいく。

突然、洞窟の奥の方が明るく近寄ってみると松明と大きな扉がある。


「これは…ボス部屋か?」

「みたいですね」


躊躇しててもしょうがない。

先へ進むか。


「準備がいいなら開けるが?」

「こちらは問題ありません」

「よし、開ける」


大きな扉に手を当て、力を込めて開けていく。

開かれた扉の奥は大きな広間となっている。


俺らは慎重に進んでいく。

丁度、広間の中心辺りへと着いた時、突然足元が光り始めた。


「くっ、トラップか」


光が収束すると、目の前には何故かアイテムや素材が転がっている。


「な、何だこれ?」

「アイテムに見えますが…」


見ると魔道具がいくつかと魔石や宝石などが散らばっている。


「えーっと報酬って事か?というか、ボスは?」

「もしかして…」

「何か気付いたのか?」

「いえ、最初に戦ったダイアウルフ。もしかしてあれが、本来ここを守るボスだったのでは?」


確かに実力的に考えれば、おかしくはない。

何かが原因でここを飛び出し、入り口まで来ていた。

そういう事か。


「うーん、他にモンスターが湧いてくる気配はないから、とりあえずこいつは頂こうか」


念の為、全てのアイテム達に[鑑定]をかけてからアイテムボックスへと収納する。

アイテムを取り終えると、広間の奥の扉が開く。

そこから見えるのは、下り階段。

さらに奥へと進めるという事か。

その前には何かの魔法陣が出現する。

[鑑定]で調べた所、転移魔法が記載されている。

まあ、おそらくは出口という事なのだろう。



「まだ戦えるなら奥まで行くが?」

「問題ありません。マスターこそ、魔力不足にはなっていませんか?」

「ああ、まだ大丈夫だ。それにMP回復ポーションも持ってきているし、平気だ」


互いの確認を終えた、俺らはさらに奥へと進む。



「な、何じゃこれは!?」


出てきたのは、何と森だ。

上を見上げると空が広がっている。

いや、きっと偽物なのだろう。

ダンジョン核が魔力によって作られた擬似的な空間という事か。

森の木や花などの植物に触れたり、土に触れてみたがそれらは本物だった。


「空間だけが、作られたものでここにある植物や土などは本物なのか…」


今まで必死に色々やってたのもあり、こうして少しの余裕を持って臨んだダンジョンにワクワクしている自分がいる。


「何だか、楽しそうですね、マスター」

「ああ、こういう冒険心をくすぐる所は男である以上、どうしてもワクワクしちゃうな」

「それは良かったです。長くマスターがそう思ってもらえるよう、戦闘はお任せ下さい」

「ありがとうな、エメ」


エメは俺がこうやって喜ぶ事が嬉しいらしい。

エメを制作して数年も経っていないのに、人以上に分かりあえてる気がしてしまう。


「来ました」


出てきたのはトレント系モンスターと鳥系モンスターの群れだ。

早速、[鑑定]をするが、鳥達はCランク、トレントはBランクだ。


「油断するな、敵が強くなってる」

「了解!」


聞いてすぐにエメは敵へと突っ込んでいく。

厄介そうな鳥系モンスターを倒すみたいだ。

木やトレントの攻撃を躱し、そのトレントの枝みたいな腕を足場に空中へ上がり攻撃を食らわせる。


「本当に、俺よりよっぽど才能あるよな、あいつは」


そうぼやきながらも剣から魔法を食らわせる。

[火魔法]の効きそうだが、森に炎が移ったら大変だと重い、[風魔法]で攻撃をする。


「トレントは攻撃の威力や防御力は高いが、動きが遅いから隙をつけば致命傷を与えやすいってな!!」


自分で確認するよう、あえて接近し装備のバフスキルのおかげで速さで翻弄していく。

ダンジョン一階でのダイアウルフの襲撃で警戒心を強めてたのもあり、二階で敵の強さが上がっていたが対処する事が出来た。


「よし、この調子ならまだ戦えそうだな」


俺らはまた奥へと進んで行く。

森なので迷わないのか?と思ったけど、うっすらと道らしきものがありそれをなぞって歩いて行けばいいと行動していた。

さすがに敵の強さがあがっており、Bランクモンスター共、結構な頻度で出くわしていた。


「さて、着いたな」


見ると一階でも見た、ダンジョンボス前の大きな扉だ。

こういうおあえつらえむきな状況はダンジョン核が分かって作ってくれてるのか、疑問が湧く。

この謎をとけば、きっと世界に名を残せる学者にでもなれるのだろう。


「よし、開けるぞ」


エメは大丈夫と言わんばかりにコクリと首を縦にふる。

開かれた扉の中は、先ほどと同じく広間になっていた。

そしてその中心には一体のモンスターが待ち構えている。

おそらくあれが、この階層のボスモンスターだろう。

そいつはボスに相応しい風格を漂わせている。


少し近寄って[鑑定]を発動させる。



【ステータス】

ダークキメラ

ランク:A

年齢:6歳


Lv:47

HP:1057/1057

MP:569/569

力:523

体力:356

早さ:412

魔力:754

運:47


【スキル】

『ダークブレス』

『飛行』[闇魔法スキル 8][土魔法スキル 8][水魔法スキル 8][豪魔スキル]



ダークキメラ…、それに闇魔法と各魔法スキルはまだ未取得の物だ。

何とか奴に使わせて収集したい。

しかし、『飛行』と『ダークブレス』これらは固有スキルだけあって厄介そうな上、収集出来ないのが残念だ。



「どうでしたか、マスター?」

「Aランクモンスターだ。その上、『飛行』とブレスに各種魔法を持ってる。俺が基本、魔力壁で防御に周る。エメはなるべくMPを切らさず戦ってくれ」

「了解」


エメは武器を構え、俺もいつでも魔力防御出来るように魔力を込める。

徐々に近づくと、こちらに気付き大きな雄叫びをあげる。


「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッ!!」


すごい威圧感だ。

しかし、ボスの間に踏み込んでこないかぎり襲ってこないのか。

余計に一階層目のボスが気になる。



「さっそく、何かしてくるか!?」


ダークキメラは口を大きく開けたまま、息を吸い込む。

すると口から闇を纏ったブレスが吐き出される。


「くぅぅっ!!」


魔力壁を大きく展開させ、闇のブレスを食い止める。

想像以上の威力だ、魔力壁を展開中は常に魔力を補充しなければ持ちそうにない。


「マスター!?」

「大丈夫だ!」


何とか持ちこたえることが出来、ブレスが止んだのを見計らいエメが突撃する。


「はっ!」


棍がダークキメラの首元にめり込む。


「ガウウウウウウウウウウッッ!!」

「もう一撃!」


その場で回転して、反対側にも一撃当てる。


「ガアアアアアアッッ!!」

「まずい、魔法だ!」


ダークキメラは後ろへ飛ぶとエメへ目掛けて闇の魔力弾を飛ばしてくる。

俺は慌てて、間に飛び込むと魔力壁を展開する。

闇の弾が魔力壁に当たるが、防ぎきる。


「ガアアアアアアッッ!!」


魔法のオンパレードのようだ。

続けて水魔法と土魔法を連続で唱えてくる。


「ありがたいね、しっかりと収集させてもらった」


[見切り]で魔法達を魔導書へと記録する。

ダークキメラは俺らへの攻撃を決めかねているのか、飛び上がったまま降りてこない。


「俺が先に行く!」

「了解」


ブーツに仕込んである[空歩]を発動する。

名前のごとく、空を歩けるのか思ったのだが空中を歩く事が出来るのは二歩まで。

初めて使った時はガックシ来たが、こういう戦いが出来るので意外と重宝している。

俺は飛び上がる、空中でさらに飛び上がる。

ダークキメラへと接近する。

まさかダークキメラもこの高さまで来ると思っていなかったのだろう。

やぶれかぶれに尻尾の蛇頭で攻撃してくる。

空中での二歩目。

攻撃を躱すため、もう一度踏み出す。

攻撃を躱した俺はダークキメラの横っ腹に向けて、槍の刺突と雷魔法を打ち込む。


「喰らえ!!」

「ガウウウウウウウウウウウウっッッッ!!」


思わぬ衝撃にダークキメラは地面へと落ちる。

この好機をエメが逃すはずもなく、落下箇所ですでに棍を構えている。


「とっておきです」


エメの持った棍は光を帯び始める。

魔力強化だ。

そして落下するタイミングに合わせ、三節棍で連撃を食らわせる。


「グギャアアアアアアアアアアアッッ!」


高速での連撃。

地面へと落下するそれまでに何発当てられたか俺も数えきれない程の連撃だった。


「ガ…ガアアアッッ」


ここの階層の支配者としての意地だろう、ボコボコにされたダークキメラはそれでも立ち上がろうとする。


「トドメです」


三節棍から通常の棍に戻したエメは、棍の先端に魔力を集める。

それらは刃上にするどくなる。

魔力の刃を灯した棍は、ダークキメラの脳天へと突き刺さる。


バタンッ


ダークキメラは声もなく、その巨体を地面へと倒れさせた。


「戦闘終了」

「ああ、終わったな。ふぅー、久しぶりに緊張した戦いだった」


ボスが倒れると部屋の中央から報酬が溢れる。

そして奥の扉が開かれ、魔法陣が展開される。


「まだ次があるって事だよな。ここでAランクという事は次はもっと強いって事か…」

「問題ないでしょう。マスターのMPの残量が平気であれば、例えSランク相手とはいえ負ける事がありません」

「まぁ確かにその通りなんだけど」


ステータス上、MPはかなり保有している。

まだまだ余力はあったが、念の為にMPポーションを取り出し飲んでおく。

報酬の確認をし、それらをしまう。


「行くか」

「了解」


次へ向かおうとしたその時だった。


「ま、待て!!」

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