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豚骨魔法少女博多ン  作者: がっかり亭
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朝には紅顔ありて夕べには豚骨となる

 全てが終わり、解放された喜びから、人々の歓喜はそのままどんたくの前夜祭となった。

 徹夜で飲めや歌えの大騒ぎをし、そのテンションでどんたくに突入したのだ。

 例年百万人以上の人出でごった返すこのイベントだが、今回はそんな生易しい数じゃない。

 避難から戻って来た者も含め百五十万人の市民に、県外からも百万単位で人が押し寄せて来たのだ。

 ダムの豚骨騒ぎという、あまりにミステリアスかつナンセンスでセンセーショナルな事件に、ただでさえ関心が集まっていたこともあって、もうどこを見ても人……といった有様だった。

 この史上最大級のどんたくは三日三晩続いた……。

 そうして、時は巡る。

 7月1日。

 今度は博多祇園山笠が始まる。

 言うまでもなく、国内でもトップクラスの巨大な祭りだ。山笠はいわゆる山車だが、これを引いて初めて博多の男と認められると言っていい。

 山笠が威勢のいい掛け声とともに、早朝から町を練り歩き、そして神社へ戻る。

 それこそが博多祇園山笠だ。

 もちろん、俺も参加する。力の限り、祭りに情熱をぶつけるつもりだ。

 そうして男は、山笠で博多を盛り上げ、平和と繁栄を祈る。

 その裏で、巫女たる博多ンは魔を祓う。

 きっと、今この瞬間も――




 父ちゃん。

 見よりますか。

 あたしは、今日も戦いよります。

 でも、もう一人じゃなかばい。

「マツリさん、行きますわよ!」

「ちょっ、待ちんしゃい!」

 目ん前を走りよるとは、級友のこあちゃん。

 彼女は、罪を償うために弟子入り志願して来たとよ!

 罪なんかもう全部償い終わっちょると思うけど、でん、本人がしてえ事させたげたいと。

 それに、こあちゃんが居たら心強かろうもん!

 もちろん、他にも思いを一つに博多んために頑張る人たちもたくさんおるとよ。

 あの次郎丸も、今頃は山車と一緒に博多を駆け抜けよるはずたい。

 これからも、みんなで大好きな博多を守っていくばい。

 だけん、心配はいらんとよ。

 安心して、見守ってね。

「やあやあ博多の平和を乱す悪の化身ども! これ以上はやらせませんわ!」

「そうくさ! 博多にはうちらがおるったい!」


「豚骨魔法少女、博多ンが!!」


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