8 エンタリウム
説明回っぽいです。
ごほんっと咳を一つしたポトフが話し始める。
『そもそもだな、俺らの今いるこの大地はエンタリウム元年には一つだったんだぜ?砕けて30年ってことだな。』
砕ける?大陸が割れて別大陸になったってことか?確かに前の世界でも地殻変動はあったしな。
まぁ大陸移動なんで人間の生きる単位じゃ無理だったが、ここじゃあるってことか。
『俺らが今いる要塞都市シンドレアは魔帝国フォークブラウンの東の要さ。
エンタリウム大戦は1年戦い、2年内政する時間が与えられる。
次回はもう数か月もすりゃ始まる。
俺らが駆り出されるだろう次のエンタリウム大戦は第11大戦だな。』
「11?!えらい何回も行われるんだな。そんなに決着つかねーもんなのか?」
『そりゃ国1つ滅ぼすって話なんだ、そう簡単じゃねぇだろうよ。
元年に話を戻すと、元年に各国の大エンタリウムを通じて、それぞれの国の巫女に神々が布告を出したって話だ。』
『それまでエンタリウムってのは巫女が神々との交信を行うための巨大クリスタルっていう認識だった。』
神ってのが実在してるのかよ?!
巫女だけと交信が可能って・・・神も女好きってことか。
『ふう・・水がほしいとこだぜ。
この布告が今じゃ神々の黄昏って呼ばれてる。
この布告は有名だからな、俺でも内容は覚えてるぜ。』
こほんと咳をし一息つけるポトフ。
『まず、砕け散った大陸はそれぞれの大エンタリウムの浮力によって浮かんでるんだが、これが100年しかもたねぇってことだ。』
・・・。つまり生物絶滅まであと70年ってことか?!
邪神めとんでもねーとこに送りやがって・・。
その前に浮力って・・・ここ空の上なのかよ!
どうも想像してたファンタジーと違ってきてるような・・・。
『だが100年しか生きられない我々を哀れに思ったんだろう、神々が延命措置が可能だと告げたわけだ。つまり他の大陸の大エンタリウムの浮力を奪って自分の大陸の寿命を延ばせるって話さ・・。』
「なんか凄惨な話だな・・。」
『だな。まぁ、どうやるのかとかそんな話は俺らのような底辺の人間には当然知らされねぇけどな。』
俺が外部の人間だからかもしれねぇが。
どう考えてもその神々に踊らされてるだけな気がするんだがな。
まぁわかってても、死を感じさせられるから戦わざるを得ないってのもあるかもしれねぇが・・。
「なるほどな、その浮力を奪い合って戦争が起こるってわけか・・。でもよポトフ、戦争1年内政2年ってさっき言ってたけど、そんなの誰が決めるんだ?神々が決めてんのか?戦争はここまで!って感じで?」
『ははっ、んなわきゃねぇよ。神々とはエンタリウム元年以降、大エンタリウムを通じての交信ができていねぇってことだ。んと、そもそも大エンタリウムは昔、超巨大エンタリウムだったらしいぜ?』
謎物質だなエンタリウム・・・。
ファンタジー特融のオリハルコンとかもあんのかねぇ・・。
『なんのきかっけがあってかは知らねぇが、それが10に割れて大陸各地に飛び散ったそうだ。んで神々と交信できるなんてすごいってんでそれを中心に国が形成されていったってわけだ。』
それってつまり神々を中心に国が形成されてるってことか?まさか全部宗教国家なんじゃねぇだろうな・・。
俺から信仰心なんてもんは逆さにして振っても一滴もでやしないぜ・・。
『どのお偉いさんが気づいたのかはしらねぇがあるとき分かったらしい。
大エンタリウムは一つに戻りたがってるってな。』
「変な話だな。
ポトフの言いようだとエンタリウムってのが生きてるみてぇじゃねか。」
『その辺は俺には分からねぇがとにかく大エンタリウムが一つになるのは非常に困るらしくて、それで神々が大陸を割ったとかそんな話が嘘かホントかしらねぇが囁かれてるな。』
なんか一気に嘘くさい話になってきたな。多分色々裏があんだろうな。
『離れてる大陸はエンタリウムが引き合ってくっつこうと常にしてるらしいが、それを離れた状態で保つのが巫女の役割なんだっけか。昔は神々との交信が仕事だったのに随分変わっちまったもんだぜ。』
色々疑問はあるが俺はこの世界初心者なんだ。そういうもんとして聞いとくか。
『どうしてかは知らんが3年目の大エンタリウムの引き合う力は1年目2年目の比じゃねぇんだとさ。第一大戦の時に大陸がくっつくとその力はかなり低下するってのが判明してな。』
『それでもつなぎっぱなしは戦争の元になるってんで、1年目2年目は必死に巫女の力で大陸を離すんだとさ。』
その間に内政ってわけか。
そいや、国が亡ぶとかどうのいってたけどどういう意味なのか聞いとくか。
「ポトフ、戦争に負けて大エンタリウムが吸収されちまったらどうなるんだ?」
『どうって。わかりきってるじゃねぇか。大エンタリウムがないと大陸は浮力がないんだ。つまり大陸は沈むんだよ。海へ一直線、んで全滅だな。』
「落ちても海にうかばねぇのかな?」
『さてな。落ちていっても港からじゃ下みえねぇしな。
さすがに話疲れたぜ。わりぃが寝るわ。』
「すまなかったな。ためになる話まじで助かったよ。」
『気にすんな。話しかけたのは俺のほうだしな。』
こりゃ生半可な世界じゃねぇようだ。
俺もしっかりかんがえねぇといけねぇな・・。
+++現在のステータス+++
名前 ???→テラ
年齢 20
出身 地球→不明
身分 出身地不明により流民
スキル(★1~★5まで)
★5 ジャッジメント(神罰LV2)
★5 マッピング(邪神クラス)立体地図を脳内で展開、敵対生物表示可
★1 自己鑑定(詳細LV1)
加護 邪神(地球)の加護
祝福 5不屈の意志(契約を破ると能力低下、契約を履行する限り能力倍加)
呪い 1黒き選択 2外道の道 3不信の心 4勇者への道
6殺戮の咎 7対立の導 8魔王への道
使命 神々により召喚された異世界人3名の抹殺(期限まであと50年)
ポトフさんは作者の代弁者です。