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リスク無しの神様転生チートをお願いします。  作者: てらにうす
第1章 邪神>テラ
71/165

71 シンドレアの一時Ⅱ

エンタリウム歴30年9月23日


side モリオ


シンドレア制圧後、かし・・いや陛下に言われてた通り俺は自分をトップとした諜報部隊の設立を行おうとしていた。


スラムは正直行きたくないが、俺のように存在感を薄められるやつは、常に死と隣り合わせの生活を子供のころから送らされてきた奴じゃないとそうそういない。


設立資金として金は沢山もらったが、持ってる方がどう見ても危ない。

いつも通り与えらえている部屋の隠し場所に金は置いてきた。

敵地に出る場合、持ち金は持てば持つだけ自分を危険に晒す。


ボロを纏ってスラムを歩く。

得物かどうかを判断するために俺をちらっと見てくるが俺の姿格好をみて皆興味を無くしていく。

スラムで生きるガキの隠れ場所なんて大体分かる。

何せここで暮らしてたんだからな。


吹き溜まりのボロ家とボロ家の間、全く光の差さない場所でガキを見つけた。

ボロを纏って蹲り、手にナイフを持ちつつ寝ている。

女のガキだ。

分からないようにしてるが同じスラムで生きてきた俺の目はごまかせない。

ナイフを持って寝てるのは安心したいためだろうがマイナスだな。

却って自分の身を危険に晒す。

まぁ俺は気配を消すことには自信がある。

だから気づけないだろうから意味は無いな。


さて騒がれても何だしな。

安物のナイフを持って気配を消しつつ近づく。

ゆっくりしゃがみナイフを首筋に当てる、前に目を開けた。

そのままナイフを振ろうとするが既に手首を極めてある。

大きく目を見開いたが、そのまま首にナイフを当てた。


「お前は女だな?」


俺の質問にガキは諦めたように力を緩めた。

強姦でもされると思ってんだろうがな。

まぁ・・。

俺の気配消しに首筋にナイフが当たる前に睡眠から覚めたのは合格点だな。


ナイフを首筋から離す。そのまま押し倒されると思ってたんだろう。

そうしてこない俺に不思議な顔を向ける。


「このゴミ溜めから抜け出したいか?」


目がいい感じに濁ってる。人を信用できないやつらがする瞳だ。

俺も昔はこんな目をしてたんだろう。


「言葉を話すことは出来るか?」


スラムで生まれて、生きてきたガキは言葉さえ習ってないことがある。

その日を生きるのが精一杯だ。

他人も信用できない。

なら他人と話すことも無い。

言葉が必要ない生活だからな。

誰かから習ってない限り話せないことは珍しいことじゃない。


『・・はなせる。』


スラムの中じゃましな部類か?


「さっき言った言葉は聞こえたか?」


全く反応が無い瞳の色。

しかし顔だけは頷いて見せた。


「別に無理強いじゃない。お前人が信じられないだろう?

そんなお前に俺は人買いじゃないとか言っても信じられないだろう。」


暗い暗い瞳だ。何も映してはいない。


「だから俺はお前にこういうだけだ。ゴミ溜めから抜け出したいか?とな。

信じてついてくるも良し、このまま今まで通りの生活に戻るのも良しだ。」


じーっと焦点の定まらない瞳で俺をみるガキ。


「決断は迅速にしろ。ここはスラムだ。

一瞬の躊躇いで命を失う。

分かってるだろ?」


ガキの手を離す。念のためガキが持ってたナイフは少し遠めに投げておく。


「着いてくるなら来い。誘いはこの1度だけだ。」


そう言うと俺は振り返りもせずに歩き出した。

後はこのガキが決めることだ。

テクテクと歩き去って行こうとすると歩いてきた。

そのまま俺のボロを手で掴んだ。


『ぬけだしたい。』


どうやら選んだらしい。

なら、俺は俺にできる事をいつも通りするだけだ。


「生きる術は教えてやる。仕事も用意している。

お前がすべきことはまずは1つ。生きたいと思うことだな。」



スラム街はシンドレアの北東に位置している。

北西の古物通りは、店が多くある場所だ。

もちろん城の近くにもあるが、安めにいい物をそろえようと思ったら古物通り以外にいいところは無い。

スラムと大通りを隔てた古物通りの果てにある民家を買い上げた。

もちろん大通りから中に1本古物通りへ入ってる。


ここを俺の諜報部員の拠点にするつもりだ。

スラムのボロを纏った俺とガキが大通りから古物通りに入る。

常識的に考えて盗人と思われるだろう。

だから民家の裏口から拠点に入る。

拠点に入ると今連れてきたやつじゃないガキが声をかけてくる。


『頭、おかえりなさい。』


「ああ。」


俺の後ろのボロを纏ったガキに気づいたのか。

とりあえず他のガキを呼びに行った。


「こい。」


今連れてきたガキは頷くと奥の広間へ着いてきた。

この拠点は古いが結構広い。それに家具も一通りそろえてある。


ガキ共が降りてくる。

飯は自分たちで作って食べることが鉄則だ。

今までこいつらは、食材を盗んで食べる事か、腐りかけの捨てられたものを拾って食った経験ばかりだろう。

つまり金で物を買うということに徹底的に慣れていない。

だから、食材を自分達で買わせることで金に慣れさせる。

ちなみに、言いつけを破ったやつは2度とこの家に入れないと言ってある。

俺の部下失格ってことだ。

当たり前の事なんだがな。


『新入りですか!やった!今日はごちそうだ!』


『買い物行ってきます!』


何人か連れだって普通の服で出ていく。

買い物をするからにはボロを纏えないからな。


俺は食事に対する執着がかなりあると思う。

美味いものをいつか食えると思うからスラムの仕事の時でも普通に残りカスみたいな飯でも普通に食う。

まぁ舌が肥えてたらスラムや闇で仕事にならんってのは当然ある。

だがそれは別として食材をうまく食うことに異常に興味がある。

普段は仕事が忙しくてそんな暇はないが、空いた時間が出来たらひたすら凝った料理を作って食う。

かし・・陛下の奴隷になって仕える前から、料理は雑用でやらされていたのもあって結構な腕だと思う。


多分平和に生きることが出来ていたら料理人にでもなっていただろう。

俺は料理が上手い。だから、今まで美味いもんを食ったことが当然あるはずも無い新入りが来たら、俺が最初だけ料理して振る舞ってやることにしてる。

他の奴らは新入りのおすそわけがもらえるってことだ。


俺が緑の洞窟の拠点で最初に食堂で食べたあの料理。この世にこんなうまいもんがあるんだと思った、あの気持ちを部下になるこいつらに少しでも教えておいてやりたかった。

それに、美味いものを食べれば自分達で何とかして作りたいという欲が出る。

俺は、飯は自作しか許してないからな。

こいつらが、美味い物を食べたかったら自作するしかないわけだ。

欲が出ると生きる意欲が湧く。

料理の腕も上がる。

悪いこと無し。


その後、5人で買い出しに行ったガキ共は山のような量な食材を買ってきた。

別に怒ることも無い。

俺が作るごちそうはこの時しか食えないからな。

それに俺は、稼いだ金は基本使ってないから貯まるばっかりだ。

つまり、今日くらいは大目に見るってことだ。


その後俺は必死に料理をし食堂の大テーブルには所狭しと料理を並べた。

皆がテーブルに座った後。


「最初は新入りだ。」


それが俺の決めたルール。

今まで生き残ってきた褒美みたいなもんだな。

ボロを纏ったガキは濁った眼で本当にいいのかと周りを見る。


俺が頷いた後ゆっくり口にいれる。

途端に涙を流し始めた。


他の奴らも何も言わない。

当然だ。

皆同じ経験をしてきたからな。


泣きながら食べるガキが一段落したあと、皆に頷く。


『『『いただきます!』』』


ガキどもはうまいうまいと料理を食う。

俺は自分が作った時は、少し食べただけで後はガキ共が食うのを見てるだけだ。


俺は慈善家じゃない。

こいつらには仕込んだ後はしっかり働いてもらうつもりだし、そこで死ぬことも多々あるだろう。

それは俺も同じだ。

死なせないための技術は出来るだけ教えるが人間なんてほんとあっさりと死ぬ。

俺を含めスラム出身者はそれを実感として知っている。


生きていたいという思いが強いやつが結局生き残りやすい。

俺はスラムにいた頃、なんとしても生きてやると思ってたし実際生きるために何でもした。

俺の部下になるからには、生きる喜びも知っててもらわないとな。


今男のガキが8人、女のガキが3人。

こいつらが使い物になるのはもうちょっとかかる。

それまでは俺が多少無理をしてでも陛下に情報を届ける。


別に奴隷だからってわけじゃない。

こういう生き方しかできないし、こういう生き方も悪くないと思ってる。

それに陛下は奴隷を差別しない。

おそらく陛下も流民だったからだろう。

奴隷を差別するやつには本当に容赦というものがない。

最初は注意するだけだがそれでも直らない場合は何も言わず、文字通り本当に首を刎ねたからな。


差別する屑は俺には必要ないと常々仰っている。

俺は奴隷だが、陛下に救われた。

別に本人は救ったなんて思っちゃいないだろうが、救われたんだ。


あのゴミ溜めから救い出してくれたのは陛下だ。

だから一生この仕事をしていく。


このガキ共も生きる喜びを見つけることが出来るといいなとらしくないこと思った。

まぁそんな俺も悪くない。



side モリオ end




+++現在のステータス+++


名前 ???→テラ

年齢 20

出身 地球→不明

身分 出身地不明により流民

所持金 銀貨241枚

スキル(★1~★5まで)

   ★5 ジャッジメント(神罰LV2)

   ★5 マッピング(邪神クラス)

       (敵対生物表示可、建物家屋検索可能。味方検索可能。)

   ★1 自己鑑定(詳細LV2)

加護 邪神(地球)の加護(全ての言語の読み書き可能、会話可能)

祝福 2外道の道(弱者を殺せば殺すほど、非道な殺し方をするほど能力上昇)

祝福 5不屈の意志(契約を破ると能力低下、契約を履行する限り能力倍加)

呪い 1黒き選択(発動中) 3不信の心 4勇者への道 6殺戮の咎

呪い 7対立の導 8魔王への道(発動中)

使命 神々により召喚された異世界人3名の抹殺(期限まであと50年)

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