62 外交交渉へ
エンタリウム歴30年9月17日
昨日、テスタロッサとマージェを呼んで第1・2師団が攻めてきたときの対応を話し合った。
ちょっと厳しい面もあるが俺が居なくてもどうにかなると思う。
シンドレア陥落が9月11日だったはずだ。
商人の行き来など一切禁止しなかった。
今まで通りとしておかないと、他の都市に民が逃げられたら非常にまずかったしな。
シンドレアの民はどうやら、上がすげ変わってもいつもと変わらないと思ってくれたらしくその点は成功したわけだが、間違いなく最速で帝都に情報が伝わっただろう。
となれば、そろそろ帝都なりミスターン候が行動を起こしてもおかしくはないわけだ。
それに、レイティアとの約束でレイスを送り届けなきゃいけないしな・・。
俺が送っていく必要はないんだがな。
レイティアも様子見に受け渡す現場を見せると言った以上、俺がいないと敵に奪われる可能性がある。
あれはもう俺のだからな、敵に取られるのは許せんし・・。
ふと思ったわけだが俺のマッピングって邪神クラスっていうくらいだから性能いいんじゃねぇのか?
マッピングを使用し、縮小して広範囲に伸ばしていく。相変わらず敵は赤、味方は青、不明が黒。
む?
え?
あれ?
これ見えてない?
慌てて軍部に行って地図を借りてみてみる。
やっぱり!帝都まで伸ばせる!詳細までは見えないけど。
赤が大量に発生してこっちに向かってきたら攻め込まれてるってことだ。
なら今ならいける。
俺が自由に動けるのはおそらくエンタリウム大戦までだと、もう今だけだろう。
生き残るための手はここで確保しておかねぇとな。
「テスタロッサ。後は頼む。俺は毒蜘蛛と同盟を組んでくる。」
『一応前もって聞いてましたが・・。本当に突然出発されるのですね。』
「ああ、おそらく今しか俺は動けないだろう。
そして今動かねばエンタリウム大戦で俺らは詰む。
それに帝都とミスターン候のこともある。
いつ侵攻してきてもおかしくない。
レイティアには近々反攻があるはずだからその時にミスターン候にレイスを返すと伝えておいてくれ。
後、俺の留守はあんまり広めるな。残虐な俺がいなくなれば、間違いなく枷が取れたと勘違いする馬鹿がでてくるだろうからな。基本的にお前にすべて任せるが、今言った点ともう2点。
第3師団のことだ。出来るだけ吸収する形で決着つけろ、奴隷契約は俺が帰ってきてからするといいたいが、それに合わせて帝都から侵攻されたら主をお前に設定して契約しろ。
最後はベルベーンの奴だ。
俺の読みじゃおそらくまだ生きている上に俺らにちょっかいかけてくるだろう。
あいつは狂獣化してて並みの奴じゃ犬死する。必ずシオンをぶつけろよ。」
『了解しました。ですが、主様。少しでも早くお戻りを。正直ことが多すぎて不安です。』
「分かってる。出来るだけ急ぐ。ここで毒蜘蛛と同盟を結べないと、間違いなくエンタリウム大戦中、帝国と外部から攻め込んでくる敵に挟撃されて滅亡を座して待つしかなくなるからな。俺だってこんな時期に離れたくはねぇが、止むを得ん。それと毒蜘蛛行の騎士を持っていく、土産だ。」
『わかりました。』
かなり不安そうな顔をしているテスタロッサ。
そういえば、しっかり者とはいえテスタロッサはまだ20そこそこの小娘でもあるんだ。
少しでも不安を取り除こうと赤色のボブカットを撫でる。
「心配するな。全力で戻ってくる。」
『はい・・。』
真っ赤な顔で俯いてそう呟いたテスタロッサは、少女のようだった。
ゴロゴロゴロと荷車が走る。
荷車に気絶させた毒蜘蛛行騎士を並べて載せてある。578名だからな。結構な量だ。
途中までガッデム達に手伝って引いてもらってきた。
もちろん騎士は裸だ。
さすがに都市を出るまでは怪しまれるから布をかぶせてきたんだけどな。
シンドレア北の森、毒蜘蛛縄張りが広がった部分まで来た。入口に荷車からその辺に放りだしてもらう。
旗揚げからいた兵達に頼んだから、こいつらを毒蜘蛛のお土産にすることは知ってるが動揺していない。
いいね、大分猛者な顔つきになってきた。
荷車から降ろす時に放り出されて目覚める奴がでるからな。
急いでポキポキ両足の膝から上を折っていく。
『いでぇ!』『あいつっ!』『あしがあああ!』
次々悲鳴が聞こえるが知ったこっちゃない。ほんとは全部一気に切り落としたいんだけど鮮度が下がるからな・・。
ガッデムも手伝ってくれてるようでポキポキ足を折ってくれてる。
悲鳴がうるさいから荷車から放り出して暇になったやつは気絶させるように命令しておく。
やっぱ二人でやると早いね。1時間で終わってしまった。
まぁ人数も少なかったからな。
『助けてください!いだいいい。』
『おれちょうしのってましたあああ、いたいんですすう。』
いつの間にか目を覚ましたのか好き勝手叫びだす。
「いや、蜘蛛の餌にって選んだのお前らでしょ。今更遅いよ。」
『そんなああああ、いだいよーう。』『だずげでええ、いだいいい。』
「ガッデムと皆は荷車もって引き返してくれ。ご苦労だったな!
ガッデム、俺がいない間テスタロッサと協力してシンドレアを頼むぞ。」
『ははっ!お気をつけて陛下!』
一斉に敬礼してくるので答礼した後森に入った。ガッデム達も急いでシンドレアに戻ったようだ。
歩いて5分もしないうちに縄張りに入ったのが分かる。空気が切り替わった。
ゾロゾロ蜘蛛が出てきた。
こっちを攻撃しようとした蜘蛛を別の蜘蛛が止めている。
俺のこと覚えてる奴でもいたのかな。毒蜘蛛と話せるはず!
「長と取引がしたいんだが、とりあえずラキはいないか?」
(人間ガシャベッタ!)(ダカライッタダロ!)
(チョットマテテ!)
(ワレワレの言葉を話セル人間ガイルのはほんとだっタのカ)
一匹蜘蛛が奥に走っていく。
少し待ってるとラキらしき蜘蛛が出てくる。
俺も同盟相手のことを少しでも知ろうとちょっとは勉強したんだ。
ラキは最強種のカバキコマチだ。大きいからジャイアントかタイラントだろう。
「久しぶりだなラキ。」
(ひさしぶり、おさにようだときいたよ)
「ああ、取引したいことがあったら来いと言ってもらってたんでな。」
(しってる、すぐいく?)
「あ~、森の入口に長にお土産持ってきたんだよな。」
(ありがとう、ぶかにはこばせる)
「すまん、頼むわ。ちょっと時間ないからかなりスピード上げて走ってもいい?」
(ラキもおさにあうからいっしょいく、からだおおきくなったからまえよりはやくなった)
前は人間を誘導しつつだったからな、行きに3日帰りに2日かかっちまったが、お土産運んでくれるなら大分短縮できるな。
(ちょっとまてて、ぶかにまゆにつつんではこぶようにいってくる)
それにしてもスタートは3000じゃなかったか?
討伐部隊もたくさん来てたはずなんだが、明らかに数ふえてねぇか・・。
30分ほど待つと準備が終わったので、かなりのスピードで飛ばした。
お土産部隊とはちょっと離れたが、なんとラキは普通についてくる・・。
蜘蛛ってこんな速いの?
はっきりとは分からないけど時速200km前後だしてるとおもうんだけど・・。
カバキコマチにあったら生存は絶望的といわれるのが分かる気がする。
こりゃ逃げられんわ・・。
6時間ほど走ったら着いた。
「ラキすごいな・・。俺かなり飛ばしたんだけど普通についてくるしよ。」
(いやおまえがすごい、あきらかにほかのにんげんとはやさがちがうよ)
「ああ、名乗ってなかったなすまん、テラっていうんだ。」
(らきはらき。
てらはふつうのにんげんじゃないね、あのすぴーどではしれるのらきふくめてあんまりいない)
「まぁ俺もラキのスピードにびっくりしたんだがな。
ただお土産がついてないな。」
(せいえいでひっぱってるからあとちょっとでつくとおもうよ。
らきはおさをさがしてくる。ここでまてて。)
そういうと森に飛び込んで行った。
精鋭ならあとちょっとで着くって、それでも以上なほどに早くない?
ていうか、この勢力洒落になってないような・・。
明らかにシンドレア陥落させる戦力あるよな。
少なくとも俺一人で毒蜘蛛無双出来る気がしない。
1時間ほど待つと、背後からお土産部隊が追い付いてきた。
それに合わせるように、奥の森からラキと長が出てきた。
(キキキ、久しぶりだな人間。
また取引をしにきたとラキから聞いたぞ。キキキ)
「久しぶりだな長。まぁお土産もあるし話を聞いてくれよ。持ってきてくれたのはラキの部下だけどな。」
(キキ、相変わらず面白い人間だな。いいだろう話を聞こうじゃないか。)
さてと。いい取引を目指さなきゃな。
それにしても長のこのデカさって図鑑に載ってたタイラント級明らかにこえてねぇか?
カバキコマチのタイラント級以上ってあるのかな・・。
+++現在のステータス+++
名前 ???→テラ
年齢 20
出身 地球→不明
身分 出身地不明により流民
所持金 銀貨241枚
スキル(★1~★5まで)
★5 ジャッジメント(神罰LV2)
★5 マッピング(邪神クラス)
(敵対生物表示可、建物家屋検索可能。味方検索可能。)
★1 自己鑑定(詳細LV2)
加護 邪神(地球)の加護(全ての言語の読み書き可能、会話可能)
祝福 2外道の道(弱者を殺せば殺すほど、非道な殺し方をするほど能力上昇)
祝福 5不屈の意志(契約を破ると能力低下、契約を履行する限り能力倍加)
呪い 1黒き選択(発動中) 3不信の心 4勇者への道 6殺戮の咎
呪い 7対立の導 8魔王への道(発動中)
使命 神々により召喚された異世界人3名の抹殺(期限まであと50年)




