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第一章

あなたに出逢えた事。

それは私の人生の中で1番の宝。

この恋の結果がどうなろうと変わらない想い。

変えられない。そう思う。そう思ってる。


N。29歳。アパレル販売員。それなりに色々な経験はしてきた方だと思う。仕事も遊びも恋愛も。

基本的な性格。猪突猛進。なるようになる。大雑把。我が道を行く。Positive thinking。行き当たりばったり。

29年間、こんな感じで生きてきた。

小学6年生の時に1度だけ転校。多分この転校がなければこの性格にはなっていない。

そんな気がする。

数年前に幼馴染の父親が亡くなった。

母と共にお通夜に行った。

懐かしい面々と会い、昔話に花が咲いた。

でも気付いた。仲の良かった人達はみんなConservativeな考え方。

天邪鬼な私には違和感があった。

人はそれぞれ生きてきた環境が違うから考え方が違うのは当たり前の事。

他人の考えを否定するつもりはない。

もちろん自分の考えを押し付けるつもりもない。

もし自分の考えを話す機会があれば正直に話す。

理解して貰えなくてもしょうがない。

だって他人だから。

私の考えを理解してくれる人には隠さずに全てを話す。

そんな考え方の私はやっぱり天邪鬼なんだと思う。

環境は人の考え方を変える。

私は転校して良かった。

今の私の性格の根本は幼少期からの過ごし方や、出会った人々によって感じて考えて作り上げたモノだから。

そうじゃなければあの人と出逢う事もない。


小学校を卒業して中学に入学。

Uちゃんと友達になる。

彼女は自由だった。

考えも行動も全てに自由を感じた。

Uちゃんと出会った事も私の性格を作るのに大きく関係している。今の私の自由さは多分Uちゃんから分けられたモノだと思う。

中学3年間て私のConservativeな部分は6割位消えたのではないか。

多分そう。きっとそう。

Uちゃんとは別々の高校だったけど関係は変わらなかった。1番の親友だった。

でも今は疎遠になった。

環境は人の考え方を変える。

同時に関係性をも変える。

Uちゃんと疎遠になったのは25〜26歳頃だと思う。

それまでは本当に仲が良かった。

ある出来事をきっかけにお互いに連絡する事を辞めた。


高校に入ってMと出会う。Mは今でも仲良し。

私の1番の理解者。Mも私をそう思ってくれてる。

高2で初めて彼氏が出来た。大学生のK。

バイト先で出会って私が一目惚れ。ガツガツアピールしまくった。無事に付き合う事になった。

1人暮らしのKは自由だった。

Uちゃんにはない自由さ。男の自由さ。年上の自由さ。魅力的だった。

Kをバイト先に紹介したHさん。私はHさんとも友達だった。多分仲も良かっただろう。

ある日、登校前にKの家に行った。

珍しく早く起きたから。いつも時間ギリギリに起きる私からしたら珍し過ぎる。

合鍵を貰っていたのでサプライズ訪問でもしてやろう!位の軽いノリ。

今思えば女の第6勘が働いたのだろう。

何も考えずKの家に向かった。

何故かHさんの自転車があった。

置いてったのかなぁ〜位にしか思わなかった。

鍵を開けて中に入る。

1Kの仕切りドアを開けたら2人が1つのベッドで寝てた。

唖然。

それと同時にHさんが起きて言った。

「あ。Nちゃんおはよ〜」

その瞬間、キレた。

意味が解らない。何故この女はこの状況で呑気におはよ〜など言えるのか。

Hさんの胸ぐらを掴んで殴った。その衝撃でKも起きた。

起き抜けのポカ〜んとしつつもこの状況に焦るKの胸ぐらも掴んで殴った。

私に殴られて唖然としてる2人を背に私はHさんの荷物を全てベランダから投げた。

洋服はもちろん、バックも。アクセサリーも全て。バックは中身をだして1つずつ。

ポーチももちろん中身をだして1つずつ。

今の私がその時の私に言う事。Good job!

一通り投げて気が済んだ私は遅刻をしないように学校へ向かった。何でそこは真面目なんだよって笑える。

学校に到着。Mや他の友達にその出来事を全てぶちまけた。スッキリした。

学校が終わってKの家に向かった。

まだKは帰ってきていない。

寝ながら待ってた。

帰ってきたKの第一声は「ごめんなさい」だった。

しかも土下座して泣きながら。

ビックリしたけど許してしまった。

だってまだKが好きだったから。

Kとはその後、卒業するまで付き合った。

Hさんとはその出来事で絶交。そりゃそうだ。ブン殴ったし。

今まではお互いに束縛もなく特に約束事もなかったけどHさんと2人でプライベートで会うのは禁止にした。

さすがに同じ大学で同じサークルの2人を会わせないようにするのは不可能。ならばプライベートはNGにするしかなかった。

普通なら2度と会うなって言うよ?と友達に言われた。物分りの良い女子高生だと思う。

Kのお陰で恋愛に関しては図太くなったと思う。お陰っていうのもおかしな話だけど。

結局、高校卒業前に入ったバイトが魅力的でKを振った。


ここからは余談。

私と別れたKはHさんとその後付き合った。

後から知った私はUちゃんと仕返しを企んだ。

私が味わった思いを教えてやろうと。

腹立たしかったから。

Kの事は別にもう何とも思ってなかったけど久しぶり〜ってノリでメールした。

普通に友達な感覚で。

そしたらショートメールが届いた。

差出人は不明だったけど確実にHさんだった。

内容は「Kの事苦しめる位ならもうメールしないで。Kはまだあなたを忘れられてない。」そんな感じだったはず。

いやいやいや。Kの事、苦しめる位とかいうけど苦しめたいのはあなたですから!

私は2人に仕返しをしたかった。

Kが私をまだ好きでいるのも知ってたし、HさんがKを好きなのも知ってた。だからKにメールした。

そんな私の思惑通りに行動したHさんがおかしかった。私ってば酷い女(笑)

結局面倒臭くなって仕返しもすぐに終わった。

女子高生の時代から図太かったんだな、私。


高校3年の時に誰しもが立ち向かわなければならない進路。

一応、短大を希望してみた。オープンキャンパスとかも行った。将来は保育士になろうかなぁ〜なんて思った事もあった。

短大受験。結果は…失敗。そのままフリーターになった。

落ちた瞬間はショックだったのかもしれない。でもそんなに気にしてなかったみたい。だって落ち込んだ記憶が余りない。

でもその出来事に私は1番感謝している。

だって。落ちてなかったら出逢えていないから!


高校3年の12月にC社のK店にアルバイトとして入社。

大きな大きな店舗だった。従業員数も200人はいたと思う。

最大の魅力は時給の高さ。地元でもバイトは沢山してきたけど今までの中で1番良かった。

レジスタッフとして入社。

でも、すぐにある特別な役割をするスタッフになった。

凄い目立つ仕事。女子は1人だけ。だから働く人みんなが私を知ってた。

私が知らなくてもみんなは私を知ってる状態。その中にあの人もいた。入社当初、私はまだあの人の存在に気付いていなかった。


転機はその年の8月に訪れた。

目立つ仕事に飽き始めていた私は違う仕事を探していた。そしたらある朝A部署のFさんが私に声を掛けてきた。

「俺の部下にならないか。1日時間あげるから考えてみて。」1日って。短っ(笑)

夕方、仕事上がりにまたHさんが声を掛けてきた。

F「決めたか?」

N「宜しくお願いします!」

F「よし!じゃあ行こう!」

N「はい?!」

私の歓迎会だった。早っ(笑)

そうして私は転職した。アルバイトから契約社員となった。

そこには3人のマネージャーがいた。

私の直属の上司のFさん。唯一の女子Sさん。そしてあの人。Dさん。初めてちゃんとした会話をした夜だった。


Dさんは私の4歳年上。背が高く目立つ人。フランクな性格で人当たりも良く仕事も出来る人だった。もちろん女子人気も高い。

Dさんと仲良くなるうちに1つ、嬉しい偶然を発見!何と誕生日が一緒だった。

私は異動してすぐにDさんに恋をした。


A部署は3つのチームに分かれていた。

でも呑み会はA部署全体でやるので30人近くいた。

私は部署の中でも1番年下だったので毎回呑み会の幹事だった。

30人の予定を聞いて場所を確保して企画するのは結構大変。でもワタワタしながらも楽しかった。

呑み会の後はいつもDさんが家まで送ってくれたから。

口ではブツブツ文句を言いながらもちゃんと毎回送ってくれた。

Dさんを含め私はA部署の中では妹のような存在だった。可愛がってくれたしワガママも受け止めて貰ってた。


Dさんはいつも私をからかった。

でもそれが嬉しかった。

仕事に関しては厳しかったと思う。でもちゃんとやれば褒めてくれた。

褒められたくて頑張った。

ある時、部署の中で1部の人間が私に対して嫌がらせをしてきた時があった。

原因はDさんが私を可愛がってるから。

やっかみだった。

Dさんはモテる。

モテる理由も解るし、私も好きだし。

私は特に気にしてなかった。

だってKのお陰で図太い女になってたから。

ところがDさんはそんな私を心配してくれてた。

いつも通り車で送って貰ってる最中、急に車を止めた。何だろ?って思っていたらDさんが言った。

「Nは気にしていないかもしれないけど、俺はちゃんと解ってるからね。気にすんなよ。」

嬉しかった。凄く凄く嬉しかった。

この人はちゃんと見てくれてた。

私が気にしない性格だってのも解ってくれてる。でも敢えてそれを伝えてくれた。

更にDさんが好きになった。

普段はからかうし、厳しいし、素っ気ない態度も取られる。

でもこういう時にちゃんと意思表示をしてくれる。こんなに優しい人はいない。そう思った。


Dさんとはプライベートも遊んで貰った。

映画行ったり釣りに連れてかれたりご飯たべたり。Dさんの友達も何人か会ったし、私の友達にも会ってくれた。

ある用事で私の家にも来る事があった。

母親の印象もかなり良かったみたい。

そんなDさんは私が異動して1年半後に異動する事になった。

Dさんの送別会もいつも通り私が幹事をした。

送別会は1人1人がDさんに対して送別の言葉を伝える。私はというと…

大っっっ号泣。

話せない位ヒックヒクしちゃうし嗚咽してるし。

みんな泣いたけど私の泣き方は凄まじかったと思う(笑)もう引くくらいに(笑)

一応送別会、終了。

Dさんに送って貰いながらもまだ泣いてる。

後少しで家に着くって所でDさんが車を止めた。

急に抱きしめられた。

私の思考回路が止まった。余りにもビックリし過ぎて。でも最高に嬉しかった。多分それまでの人生の中で1番。

そこから先は余り覚えていない。


Dさんが異動して少し経った。

やっぱりあの頃に比べるとやる気が出ない。

そんな私の考えを見抜かれたかどうかわからないけど、Dさんの所に遊びに行こうという話が出た。

行くしかない。私が行かなくて誰が行く?

DさんはKさんとルームシェアをしてた。

この2人は同い年で高校も一緒。仕事も一緒だった。私もKさんと仲が良かった。

2人の家に私とKさんの彼女Sさんが泊まった。

夕飯をみんなで食べ、それぞれがお風呂に入り好きな事をして過ごした。

みんなお酒も呑んでいた。

そろそろ寝るか〜となり、KさんとSさんは同じ部屋に消えた。

私はリビングのソファで寝ようとした所、Dさんが俺の部屋でDVDでも観ようと誘ってくれた。

もちろん断る理由なんてない。むしろ嬉しい。

Dさんの部屋でDVDを観始めた。

VIN DIESEL主演の「XXX」。

2人で1つの布団に入り観てた。

私はもうDVDなんてどーでも良かった。

このひと時が永遠に続けばと願った。

口から心臓が飛び出るってこういう事か!って位、緊張してた。

身動き1つ取るのも震えていたのでは?

観始めて多分30分位。Dさんがウトウトし出した。うちは気にせず観た。というより観るしか出来なかった。

Dさんがちょっと起きた。

D「N、もう寝ない?」

N「良いですよ。電気消します?」

D「うん。」

私は電気を消す為に立ち上がり、消した。

部屋は真っ暗。

手探りでベッドに向かい布団に潜り込んだ。

シーンと静まり返る部屋の中。

2人の呼吸しか聞こえない。

突然Dさんが寝返りを打った。向かい合わせになった。

私の緊張がピークに達した時…抱きしめられた。

硬直。

動けない。強い強い力。

しばらくして力が弱まった?と思った。

同時にkissされた。

嬉し過ぎて死ぬかと思った。

後はもう。大人の男女が2人きり。

初めて2人で迎えた夜だった。

酔った勢いでも良い。側に居たのが私だっただけ、それでも良い。

理由なんてどーでも良かった。

特別な繋がりを得られた気がしてただ、ただ、嬉しかった。幸せだった。



第二章に続く。

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