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最強守護神の黒猫、なろうの決め台詞を擦りすぎて怒られる  作者: モカ


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1/1

最強守護神の黒猫、なろうの決め台詞を擦りすぎて怒られる

王都郊外。


 巨大魔獣ギガントワームが暴れていた。


 地面を割り、

 兵士を吹き飛ばし、

 阿鼻叫喚である。


「だ、ダメだ!!」


「攻撃が通らない!!」


「守護神様を!! 守護神様を呼べぇぇ!!」


 そして。


 呼ばれた守護神は。


 宿で昼寝していた。


『……眠い』


「国が滅びかけてるんだけど!?」


 ユキトはふくを抱えて走る。


 ちなみに、ふくは運ばれている途中で焼き魚を要求した。


 図太い。


 ◇


 戦場に着くと、

 兵士たちが一斉に叫んだ。


「守護神様だ!!」


「勝った!!」


「世界最強の黒猫だ!!」


 ふくは、すん、と鼻を鳴らす。


『ふむ』


「何その得意げな顔」


『今日は少し趣向を変える』


「嫌な予感しかしない」


 ふくは、近くの岩へぴょんと飛び乗った。


 その瞬間。


 ぶわぁっ――!!


 風が吹く。


 黒い毛並みがなびく。


 空気が震える。


 やたら演出が入る。


「待て」


 ユキトは真顔になった。


「なんで都合よく風が吹いてんの」


『演出』


「演出!?」


 兵士たちもざわつく。


「演出って何だ……?」


「守護神様、自分で言ったぞ……?」


 ふくは気にしない。


 黄金の瞳を細め、

 やたら低い声で言った。


『――格の違いを教えてやろう』


 静寂。


 ユキトは、すっ……と目を逸らした。


「古い」


『……えっ』


「五年前のなろう」


『そんなに!?』


 ふくが普通にショックを受けた。


『流行ではないのか!?』


「今もっと自然体だから!」


『自然体……』


 ふくは考え込む。


 その間にも、

 ギガントワームは突っ込んできていた。


「考えてる場合じゃねぇ!!」


『ぬっ』


 ふくは慌てて前に出る。


 そして。


 ぺし。


 猫パンチした。


 瞬間。


 轟音。


 巨大魔獣が縦に割れた。


 山が吹き飛び、

 空の雲まで裂ける。


 被害規模がおかしい。


 兵士たちが震える。


「す……すげぇ……」


「これが守護神様……」


 しかし。


 ふくは微妙な顔だった。


『……今の台詞、どうだった?』


「そこ気にしてたの!?」


『“終焉を刻め”も候補にあった』


「もっと古い!!」


『なにっ!?』


 守護神、現代トレンドに弱い。


 その時。


 若い兵士がぽつりと呟いた。


「でも、“格の違いを教えてやろう”って、ちょっと好きでした」


 ふくの耳がぴくっと動く。


『……本当か?』


「はい!」


『……ふふん』


「立ち直り早っ」


 ふくは満足そうに尻尾を揺らした。


『では次回から擦る』


「やめろ」

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