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【番】瑠璃色の月光

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

本来書きたかったのは此方。

創作物の兄さんが書いたのか。

真夜中、青白い月明かりで目が覚めた。隣に横たわっている筈の彼はそこに居らず、ただ冷たいシーツの感触だけを残していた。突如襲われる虚しさ。故に彼を探しに出た。

リビング、キッチン、トイレ、身近な場所から探して、最後に辿り着いたのは私の部屋。そこに彼はいた。部屋の奥、瑠璃色の夜空と白金の月光が射し込む出窓に凭れ、外の景色を眺めている。私の存在には気が付いて無いようだ。

「何をしているの?」

どうして部屋を出てしまったの? どうしてベッドに居なかったの? どうして私の隣に居てくれ無かったの? そんな疑問が浮かんでは消えた。だから結局した事と言えば文句を垂れる事ではなく、彼と同様に出窓によじ登り、彼を椅子代わりに膝上に座る事だった。彼はその行動を拒む事無く、寧ろ歓迎する様に体躯に腕を回した。

「見ての通り、夜空を見ていたんだ」

彼は顔は未だ外に向いている。まるでこの夜を惜しむ様に、縋る様に、噛み締める様に、頑なに私の方を見ない。

「綺麗だね」

彼の体に自分の体を預け、胸元に擦り寄った。こうすると彼が夢中になる理由が分かる気がした。瑠璃色の夜空に白金色の星が散らばっている。中でも目立つのはやはり月。冷たく、青白い穴が私達の視線を誘う。

「……朝を迎えると夢の様に消えてしまう。まるで過去のように。だから焼き付けておくんだ」

彼の言うことは最もだった。未来は常に永遠を見せる。果てのない様々な希望を見せてくれる。けれども過去を振り返ると余りにも呆気ない。ただ一晩の夢の様に溶け落ちる。残酷だと思った。あれ程希望を見せておきなから、振り返ればただの幻想だと知る。

「……ずっと夜なら良いのに。そうすれば夢から覚めないのに。何処にも行かなくて済むのに」

そう言うと慰める様に彼は額にキスを落とした。一度だけではない。二度、三度、軽いリップ音を立てて、吸い付かれる。

「私が目覚めた時も、またこうしてくれる?」

貴方の身体を椅子にして、現実さえ、まやかしに変えてしまうキスをして。

「あぁ……」

吐息混じりの返事をして、会話は終わった。ベッドに戻る時、彼は私の体を抱えて戻った。其れを夜闇を照らす月光だけがその様を眺めていた。

創作部の兄さんが書いてそう。

この小説の雰囲気が非常に兄さんっぽいので。

無慈悲で冷たく、けれども何処か許されている様な。そんな感じ。


大型連休初日に浮かべるのは永遠。

終わりのない楽しみ。ぬかるんだ悦。

けれども出社の朝に感じるのは、まやかし。

ただの脆い夢幻。消えた残影。


其れが余りにも虚しくて、苦しくて、何時も昨日の夜にグズって縋るんです。


ずっと夜なら夢を見ていられるのに。

昨日の優しさがキスしてくれたら、少し前を向く。って。

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