表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/82

79 禁書を守れ!

魔法が解けて動けるようになった。サエのところに行くか、ヒルのところに行くか、それが問題だ。いっそ帰ってしまうという第3の選択肢が頭をよぎったが、後の事が怖いのでやめておいた。


ヒルの方はステラさんがいるし、何も役に立てる気がしなかったので、あきらめてサエとタロトのいる部屋に向った。入口のドアが吹き飛んでいて、いかにも近づいたらダメな感じになっていた。入り口の縁からそっと中を覗くと、折れた柱の陰に隠れていたタロトに手招きされた。


「どうなってるの?」


「サエはサロムを滅ぼさなかった。攻撃してこない奴には攻撃しないらしい。まったく、面倒くさいやつだ。そのうちジークスがゴーヨクを連れて帰ってきた。レイリが見つけた床の扉の中に禁書はあるらしい。ジークスが扉をぶっ壊そうとして床を切ったらこの有り様だ。扉は魔道具なのか切れなかったが、周りの床やら柱やらはボロボロだ。床下の禁書も見える状態になっちまった。で、今はジークスが禁書を取るのをサエが邪魔してる。予想外にサエが強ぇ、ジークスも想定外だろうぜ。」


タロトは一気に状況説明して、ニヤリと笑った。ジークスの邪魔が出来るサエは相変わらずとんでもないが、笑ってる場合じゃない。サロムが近くにいるので、禁書を取られたら発動されてしまうのだ!


サロムの位置を確認すると、近くの柱の陰に隠れていた。ジークスとサエの戦闘が激しすぎて、下手に近寄れないようだった。


ジークスはというと、表情は変わらず冷たい目をしていたが、苛ついてるのが感じられた。アレンさん達が一撃で滅ぼされた時のような攻撃を連続して繰り出しているが、サエが全て受け流していた。それはもちろん凄い事だが、サエも余裕は無さそうだった。一撃が重そうなので受け止めるのは無理だろう。全力で打ち返して、何とかジークスの剣の軌道をそらしている感じだった。


サエは防戦一方だったが、ジークスが禁書を取ろうとすると、その隙を突いて切りつけた。魔人の生命力は高く、大してキズもつけられなかったが、禁書を取られるのは阻止出来た。邪魔されたジークスは明らかに腹を立てていた。


「サロム、復活の魔道具は壊してきたんだろうな?コイツが復活したら厄介だ。」


「す、すみません!北側のは壊したのですが他はまだです!」


サロムが慌てて応え、ジークスがちっと舌打ちした。


「私を滅ぼせる気でいるわけ?あんたも復活出来なくなるわよ?いいの?」


サエが無駄に挑発した。やめとけばいいのに、と僕はヒヤヒヤした。


ジークスは剣の攻撃を休め、僕達やサロムがいるのと反対側を向いた。サエはこの時は警戒して斬りかからなかった。息も上がっていたし、休憩したかったのもあるかも知れない。


ジークスは手を壁の方にかざして、呪文を唱えた。


「エル、ギガドラ、フレイズ」


眩しいぐらいの炎の玉が手の前に現れ、壁を突き抜けて大きな穴を開けた。そのまま屋敷の外まで飛んでいき、大爆発を起こした。


僕はあまりの威力に呆然とした。サエと剣で戦ってたのは、禁書ごと破壊してしまうのを恐れたのだろうか?ジークスの魔法は明らかに剣よりも破壊力が高かった。


《危険!危険!東側の魔道具が破壊されました。非戦闘員は退避しなさい。警備兵は直ちにゴーヨク氏の警護に移行せよ》


「さて、これで滅びても復活はできん。続きをするか。」


ジークスはそう言って残酷な笑みを浮かべた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ