77 作戦変更
「ゴーヨクのおっさんが禁書の場所を教えねーなら仕方ない。サロムを探して滅ぼずぞ。」
タロトが作戦を変更した。ジークスに勝てるとは思ってないので、サロムを狙うらしい。セコい気もするが現実的だ。問題はニンゲンに化けているサロムを見つけられるかだ。
「サロムだね、見つけてくるよ!」
ヒルはすぐに部屋を飛び出して行った。ステラさんも楽しそうについて行った。ヒル達は何も考えてないとして、サロムの狙いは復活の魔道具なので、そこを目指すべきだろう。
「ゴーヨクさん、復活の魔道具ってどこですか?もう一人の魔人が狙ってます。場所を教えてください!」
「あーそれなら敷地の四隅にある。屋敷の外だ。4つのうち1つが壊されても残りの3つでこの屋敷は護られるが、2つ壊されたらアウトだ。1つ壊された時点で通知用魔道具が警告音を鳴らす仕組みになっとる。」
《警告!警告!北側の魔道具が破壊されました。非戦闘員は屋敷の南側に退避。警備兵は残りの魔道具を護りなさい!》
「ほれ、こんな感じだ。」
いや、言ってる場合か!僕が無駄に慌てていると、アレンさんは素早く部下を3チームに分け、東西と南の魔道具を護りに行った。まじで頼もしい!
僕はすっかり出遅れたし戦闘力もないので大人しくしてようと思った。まずは屋敷の南側に退避だ。
「この部屋は屋敷の南なんで・・・」
最後までゴーヨクに聴く前にジークスと目が合った。
「悪いな、コイツは借りていく。」
そう言ってジークスとゴーヨクは消えた。サエがジークスに切りつけたが刀は宙を切った。後に黒い石がコトンと音を立てて転がった。大広間の黒石は全部見つけたはずだったが、隠し部屋は探してなかった。ジークスが隠し部屋に入る前だったので、あるはずが無いと思い込んでいたのだ。僕は自分の詰めの甘さに歯噛みした。
「くそっ!最悪だ。レイリがステラと入れ替わった一瞬で状況を理解して黒石を隠し部屋に投げ入れやがったんだ。周りをよく見てやがる、手ごわいぜ。」
タロトが毒づいた。ただでさえ強そうなのに油断もしないなら勝ち目はない。ジークスがゴーヨクから禁書の場所を聞いて帰ってくるより先に、禁書を探し出して逃げるしかないと思った。
ゴーヨクは禁書を大事そうに言っていた。あまり離れるのは不安だろうし、この隠し部屋に保管してそうだ。そういえば禁書の事を聞かれた時に一瞬視線が不自然に下がった。床の下にあるのかも知れない。部屋にはいろいろな魔道具が散乱していたが、それらをどけながら床を探すと小さな鍵穴を見つけた。
「タロト!この下じゃないかな?」
「よく見つけたな、開けれそうか?」
「どいて、やってみる」
サエが全力で鍵穴を攻撃した。恐ろしい音がしたが鍵穴は無傷だった。魔法が掛かってるのだろうか。鍵はどこだろう、近くにあるんじゃないかと探していて、ふと気づいた。
「あ!サロムってスフエクで交替出来る!」
タロトが僕を見て驚いたように固まった。
「うお、忘れてた!よし、すぐ替われ!サエ、サロムと交替したらすぐ滅ぼせよ!」
「え、何かズルくない?気が進まないんだけど・・・」
「そんなこと言ってる場合か!」




