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76 黒石集め

黒い石を集めるのは思っているほど簡単ではない。だって、いつジークスがその石の場所に現れるか分からないのだ。拾おうとしたまさにその時に現れたらおしまいだ。


というわけで僕はおそるおそるカーテンをめくったり柱の裏をのぞき込んだりして、見つけたらヒルを呼んで拾ってもらった。みんな探すのに苦戦してるようだったが、僕は普段どんな小さな危険も見逃すまいと気を張り詰めて周りをみているので、小さな違和感を見つけるのは得意だ。今も柱の飾り彫りに隠しているのを見つけ、ヒルに声を掛けた。


「ヒル!また見つけたよ!」


「凄いね、レイリくん!でも自分で拾ってくれないかい?もしくはもっと近い人を呼ぶとか。」


走って来てくれたヒルは息が切れていた。ヒルの気持ちは分かるが、近くにいた他の人を呼んだら何で自分で拾わないのか理解出来ないという目で見られたので、ヒルを呼ぶことにしたのだ。今も部屋の反対側にいたのに来てくれた、いいイケメンだ。


10人ぐらいで必死に探して、大ホール内の黒石は全て見つけられたと思う。その石をステラさんが持っていた瓶に詰めた。魔力を通さない材質で出来ているので、中に入れておけば使えないだろうとの説明だった。


別の部屋に転移してくるかも知れないが、部屋のドアを閉めて時間稼ぎ出来るようにした。今のうちにゴーヨクから禁書の場所を聞き出して、持って逃げないといけない。


「駄目だ、あれはワシのコレクションだ。渡すわけにはいかん。」


ゴーヨクは禁書の場所を教えようとしなかった。時間が無いのに、と焦った。


「そんなこと言ってジークスに奪われたら街ごと消されるんだぞ?」


タロトが腕を組んでゴーヨクを睨みつけた。子供の体なので全く迫力はなく、ゴーヨクはフンッとバカにしたように応えた。


「お前は子供だから知らんのだろうが、すでに散々調べられて、禁書が発動出来んことは確かめられとるのだ。危険はない。だが大事なコレクションが奪われるのは困る。お前らで何とかあの魔人を追い払え。うまくできれば報奨をくれてやる。」


「最初からそのつもりよ。剣も借りたし。」


サエはまだ戦う気だった。片手に細身の剣を持っていた。細かい飾りの付いた豪華な剣だ。さっき僕らが黒石を集めていたときは、剣を借りる交渉をしていたらしい。またとんでもない値段で借りたに違いなかった。

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