75 ジークスの能力
ゴーヨクはジークスに見据えられて動けなくなった。ジークスはゴーヨクが逃げない事を知って、ゆっくりと話しながら近づいた。一歩近づくごとにゴーヨクの顔がこわばっていった。それほどまでにジークスには迫力があった。
「ひとつふたつ教えて欲しい事があるんだが、もちろん教えてくれるよな?」
ジークスの声は平坦だった。だがゴーヨクは怖い先生に叱られた生徒のように縮み上がった。
「まずいな、ゴーヨクは禁書の場所を教えちまうぞ。レイリ、時間稼ぎだ。ヒルと交換した時に何が起こったのかまだ分からねぇが、もう一度ステラの場所と入れ替えよう!」
またすぐにジークスが現れるかも知れないが、少しでも考える時間が欲しいという感じだった。それに、ステラさんがこっちに来れば、向こうで何が起こったのか訊くこともできる。
だけど、一つ問題を思い出した。
「ステラさんの名前が分からないよ?!」
スフ、エクス、チェンを初めて試したとき、タロトにステラさんに対して使ってみてくれと言われて使ったら何も起きなかった。タロトは何か知ってる風だったが。
「そうだったな。ち、面倒な。ステラの本名はベルサルールだ。何で知ってんのかは気になるだろうが後だ。行け!」
タロトに勢いで押し切られて僕はステラさん(ベルサルールさん?)とスフエクで場所を入れ替わった。すかさずジークスと場所を替わり、これで僕らはゴーヨク邸に集合し、ジークスは森の中となった。
僕がゴーヨク邸に現れたのを見て、ステラさんが大事な話があるとみんなを集めた。
「ジークスはこのままだとすぐに帰ってくるわ。特殊な足止めをしてるけど、もって5分くらいよ。その間に手分けしてこの黒い石を探して回収して来て。これはジークスが消えた後に残ってたものよ。多分マーキングか何かで、この石のところに自由に行き来できるんだと思うわ!」
黒い石は僕の親指ぐらいの大きさで、目立たなかった。僕とタロトとヒルとステラさん、それにアレンさんと仲間の兵士たちも、皆で石を探した。サエだけはゴーヨクと何か話していて石集めには参加しなかった。




