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71 西門に向かう

僕とサエとタロトはゴーヨク邸に向かいながら作戦会議を続けた。


「まずはどーやって街に入るかだな。今回はステラがいねぇしな。」


僕を助けに来てくれたときは、ステラさんが街の結界に穴を開けてくれたらしい。僕らにはそんな事出来ないので西門から入るのが素直だが、門番が消えたりいろいろ事件があったので、厳しくなっていてすんなり通れないのでは?というのが心配だった。


「事情を話して通してもらおうよ。ついでに国営軍にも連絡してもらえそうだし。」


何なら西門で足止めされたほうが、僕は嬉しい。


「俺様とレイリで西門を通るとして、サエは先に入って偵察してもらうか。」


タロトがあごに手をあてて考えながら言った。見た目と違って子どもらしくない仕草だと思った。ヒゲの感触を確かめてるような触り方だ。


「でも、先に入ろうとしても門番に止められるでしょ?」


「レイリがスフエクでエレンと入れ替わってからサエと入れ替われば、サエは街に入れるんじゃねーか?」


タロトは拾った枝で藪をつついた。ガサガサと小動物が逃げる音がして、タロトが驚いたようにビクッとした。ちょっと子どもっぽくてほっこりした。


「なるほどね、でもそれならジークスとかサロムでも良くない?」


僕も枝で藪をつつきながら歩いた。音を立ててる方が小さいモンスターが寄ってこないらしい。あれ?大きいのは?


「それだと、いきなりバトルが始まるだろ。ジークス達と入れ替わるのは、ステラとヒルの準備が整ってからだな。」


前を歩いてたサエが少し立ち止まって僕らが追いつくのを待った。サエは早くゴーヨク邸に行きたくてソワソワしていた。


「先に入るのはいいけど、何も言わずにエレンさんと入れ替わるのは迷惑よ。」


「そんなこと言ってる場合でも無いだろ?」


「いや、でも着替え中とかだったら可哀想でしょ。」


「そんなこと滅多にねーと思うけどな。何かいい方法あるのか?」


「いや、無いけど。ん〜、分かった!エレンさんじゃなくてカルビンにしよう。」


「誰だよ、それ。そいつは迷惑じゃねーのか?」


「前に決闘した男よ。私も迷惑したからお互いさまでしょ?」


タロトはなんじゃそりゃと言っていたが、サエがそれで納得するならいいや、となった。サエに絡んでからカルビンはいろいろな事に巻き込まれている。最初は嫌なヤツだと思っていたが、最近は気の毒な気もしてきた。


「それより門はどうやって通るの?タロトに偵察してもらって、私とレイリで突破しようか?」


サエも僕らと同じように、藪をつつきながら歩き始めた。作戦が決まるまではゆっくり行こうとあきらめたようだった。サエがつついた藪からヘビの魔物が出てきて襲いかかってきたが、サエは事もなげに小刀でやっつけた。僕は藪をつつきながら歩くのをやめた。


「サエは言葉通り突破するから駄目だ。俺様は前生(生まれ変わる前の人生のことらしい)からこの街に来てたからな、ニンゲンの法律もある程度しってるぜ。門を通る方法、それはズバリ、泣く!」


僕とサエはキョトンとして立ち止まった。自信満々にタロトが続けた。


「いいか、門番の従うルールに゛生後一ヶ月未満の赤ん坊が泣いた時は審査をせずに無条件で通してもよい゛ってのがあるんだ。そして俺様はニンゲンになってまだ一ヶ月経っていない。つまり、俺様が泣き出せば無条件で通れるってことよ!」


あ、こりゃ駄目だ。タロトもまともじゃなかった・・・

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