66 ナシテ神の行方
「いやー、まさかレイリくんが姉さんに大量の魔力を与えたその人だったとはねぇ。それにしても魔力無限なんてあるんだね、魔人でも3000あればトップクラスだから、こんなにでかい魔力はじめてみたよ。あ、レイリくんは地球出身だから魔力見えないのかな?魔力がない世界の人は、魂に後付けするのが難しいから見れないままなんだよね。魔力って見るっていうけど感じるってほうが近くてさ、地球の感覚だと磁石のNとNを近づけると何か反発を感じるでしょ?そんな感じ。魔力が大きいと強い磁石みたいに近づきにくくなってくるんだよ。実際に力を受けるわけじゃないんだけど、何かこう精神的に。仲良くない人に顔近づけていくとどんどん居心地が悪くなってあーこれ以上無理って距離あるでしょ?そっからさらに近づくような精神的疲労だよね。てか距離感ない人ってどうなってるの?めっちゃ顔近づけてくる人いるよね?魔力以外にも何か見えてないものがあるのかな?って何の話だっけ?」
ナルル神は魔力を削りながら話続けていた。削り終わるまでこのペースで話してるのかな?疲れないのかな?と心配した。
「それにしてもこの作業大変だね、まだ3億?桁が違うんだけど!こんな注文してよく姉さんに受けてもらえたよね。あー、そういえば姉さんの賛美歌作ったのもレイリくんなのかな?姉さんめっちゃ喜んでたよ。天界って魔力持ってるだけじゃ尊敬はされなくて、地球にもお金持ちで残念な人っているでしょ?そんな感じに見られるんだよね。でも賛美歌が歌われてると、お、あの人めっちゃ立派な人なんじゃね?って周りから一目置かれるようになるんだよね。世界一の魔力持ちで賛美歌が歌われてて、またその賛美歌が斬新で話題になったもんだから、姉さん急に有名人になって、それまで薄っぺらい魔力持ちで有名だったアルベルトなんてメチャクチャ悔しそうで、あの時の顔は悪いけどちょっと笑えたよね。アルベルトってお祖父さんが転生装置の発明者でその遺産で魔力大量に持ってるんだけど、自分の贅沢に使うだけで天界の役に立ってなかったし、魔法開発もせずに遊んで暮らしてたから賛美歌なんて歌われるはずないし、まぁまぁ嫌われてたんだよね。渋い声なんだけどね。声優とかすればいいのにと思うよ。天界にも地球みたいにアニメがあるんだけど、完成度が低くてさ、同じ声優が主人公とライバルの声やってたりすんの、まじ混乱する。って何の話だっけ?」
ホントによく話すなぁ、天界の事情に無駄に詳しくなりそうだ。
「はぁ、疲れてきた。まだ半分以上ある。削り機使ったのなんて学生の時以来だしね。腕がもげそうだよ。なんだか喉も渇くし、重労働だね。天界って魔力で動く魔動機って機械に溢れててさ、健康と娯楽の目的以外で動くことないんだよね。家事も全部魔動機がやってくれるんだよ。あ、でも最近魔力不足でさ。天界人は魔力持ってないから人間とか魔人に魔法使ってもらって入手するんだけど、なかなか新しいヒット魔法が生まれなくて集まる魔力の全体量が最近増えてなかったんだよね。そんな中で姉さんが大量に新規魔力を入手したから、その意味でも注目の的で、姉さんの魔力を奪おうと狙ってる組織がある、なんて噂もでてたよ。アルベルトが作った裏組織が姉さんを連れ去って強制転生させるんじゃないか、とかね。あれ?姉さんが捕まったのってホントにアルベルトの裏組織だったりするかな?え、どうしよう、強制転生とかされたら呼び戻すのにどんだけ魔力必要なんだろ。お、こんなところに魔力無限のニンゲンがいる。レイリくん、ちょっと天界に来て助けてよ。じゃないとメテケテは発動してやれないなぁ。」
勝手に話が進んで、ややこしいことになった。天界にどうやって行くのかも分からないし、トラブルに巻き込まれたくもないけど、メテケテが使えないのは困るし、転生装置は僕らが帰るためにも必要になりそうだ。僕は一旦保留することにした。
「今は忙しいので、落ち着いたらでもいいですか?」
「え、駄目だって言いたいけど天界に呼ぶ方法も調べないと駄目だしなぁ。今の件が解決したらアル、デアル、ナルルで呼び出して。それまでメテケテはお預けだからね。今回は特別に発動してあげるよ。せっかく苦労して削ったしね。じゃあ、約束だからね!」
一方的に約束されて現実世界に戻された。




