47 異変の前夜
僕とタロトで夕飯の支度をしているとサエが帰ってきた。
「よー、遅かったな。おい、聞いてくれよ、コイツ果物ナイフで肉を切りやがるんだ。」
「大きい包丁が怖いからでしょ?昔は片手持ちも怖くて両手で果物ナイフ持ってたから、転がるものとか切れなかったからね!レイリも成長してるんだよ。大目に見てあげてよ。」
「サエはレイリに甘ぇ、包丁なんて3歳のガキでも使うぜ。」
3歳は言い過ぎでしょ?タロトはブツブツ言いながらも手際よく食事の準備を進めていた。僕がこわごわやってるより効率が良さそうだ。いっそ食事係を今後全部任せてしまおうか。と思ったが、まぁそれは置いておいて、サエに気になってたことを聞いた。
「パトロールはどうだった?他にも魔物はいたの?どこから侵入したんだろ?」
「侵入した魔物はあの二匹だけじゃないかな?少なくとも街で他に暴れてる魔物はいなかったよ。ウェスティン領の西側の門番が行方不明になったって騒いでたから、そこから入られた可能性が高いと思う。ところで、ヒルは?」
「まだ帰ってないよ。ウェスティン夫人の用事は、アレンさんに心当たりがあるみたいだったけど、大丈夫かな・・・?」
僕らが心配そうにしてると、
「ウェスティン様のところは、お嬢様が今日お誕生日よ。奥様はサプライズがお好きだから、ヒル君はサプライズゲストなんじゃない?イケメンで街の人気ものだから。」
とエレンさんが教えてくれた。なんだ、見つからずに来て欲しいって、どんな危険な仕事をさせられるのか不安だったけど、心配しなくても良さそうだ、とホッとした。まぁ心配するとすれば、ヒルが変な食材食べてお腹壊さないかって事ぐらいだね!
この日はヒルと夜勤のアレンさん抜きで、エレンさん、サエ、タロト、僕で夕食を食べた。この時はまだ、ヒルとアレンさんが次の日の朝には元気に帰ってくると思ってたんだ。




