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45 リザードマンを倒す

もう一匹のリザードマンはサエの強さを理解したので、無謀にかかってくることは無かった。周りをうかがっているので、逃げようとしているのかもしれない。サエは一定の間合いを保って、リザードマンの動きに注意を払っていた。


緊張感のある睨み合いがしばらく続いたが、しびれを切らしてリザードマンが動いた。逃げるでもサエに挑むでもなく、僕とタロトの方に向かって走ってくる。サエが気づいて進路をふさごうと斬りつけたが、リザードマンはギリギリでかわした。尻尾が切れたがそのままサエには目もくれず、タロトに手を伸ばす。


「狙いがバレバレなんだよ!」


タロトはひらりとかわした。リザードマンは舌打ちして僕を捕まえる。首元にナイフを突きつけられた!


「おい!コイツを傷つけられたくなかったら、オレのことは見逃せ!」


僕は人質になったようだ。サエが大人しく剣を鞘に収める。緊迫感はなく、やれやれ終わった、といった感じの落ち着いた動作だった。タロトも勝利を確信した笑みを浮かべる。


「レイリ、任せたぜ。」


あ、そうか!人質になって焦ったせいで忘れてたけど、この状況は勝ちなんだった。


「メテ、ケテヨ、ナシテ!」





リザードマンが消滅したのを見て、サエがナシテ神のことを聞いてきた。


「ナシテ様は讃美歌、気に入ってた?」


「うん、怒られるかと思ってびくびくしてたけど、上機嫌だったよ。」


「ん?何の話だ?」


タロトは生まれ変わったばかりで知らなかったので、2日前にクラーケンを倒した時の話をした。メテケテを使わせてもらったお礼に讃美歌を作ったが、ヒルの独特のセンスにより変な歌になったと伝えると、ぜひ聞きたいと笑っていた。


和やかに話していると、物陰から少年が出てきた。


「あの、、リザードマンを倒したんですよね?どうやったんですか?僕、怖くて隠れてたんですけど、助かりました!」


「どうやったかは教えられねぇな。ま、助かってよかったじゃねぇか。」


タロトが自分の手柄のようにドヤった感じで応えた。僕とサエがいらないことを言わないように、ってのもあるだろうけど、何もしてないのに威張ってるのはちょっとモヤモヤする。見た目が少年なので、なんだか憎めないとこもあるんだけど。


「せめて名前だけでも教えて下さい!」


「素性の分からないやつには教えられねぇな。」


「もう、意地悪しないの!私はサエで、こっちのお兄さんがレイリだよ。この生意気な子はタロト。」


「おい!顔と名前知ってると使える魔法もあるんだ、無警戒に教えるんじゃねーよ!」


「私たちなら大丈夫だよ、ドンと構えなよ。」


タロトはやれやれといった感じであきらめた。


「まぁ仕方ない。お前の名前も教えろよ?」


「僕はサロムです。」


「レイリ、サロムとスフ、エクス、チェンで場所を入れ替わってくれ。偽名かどうかそれで確かめられる。」


「じゃあ念のため・・・ごめんね、サロム君。危険はないから場所入れ替えの魔法使わせて貰うね。」


そう言って魔法を使って場所を入れ替わった。偽名じゃないことが分かって一安心だ。


サロム君がお礼を言って帰って行ったので、僕とタロトも今日は帰ることにした。サエは少し街をパトロールして帰るらしい。魔物が街に入って来たのが気になるとのことだった。サエに無理しないように言って、僕らは別れた。

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