43 魔物の襲撃
ヒルのことはアレンさんに任せて、僕とタロトは家に帰ることにした。
商店街を歩いていると、遠くの方で騒ぎがあり、みんなが逃げていくのが見えた。
「なんかあったみたいだよ、僕らも逃げよう!」
「なんかあったみたいだ、行ってみよーぜ!」
僕とタロトは、ほぼ同時に逆のことを言った。この場合どうすればいいんだろう。タロトは見た目は子どもだけど、副魔王時代の記憶があるから、僕より長く生きてるよね?子どもの保護者として無理やり連れて逃げるべきか、もう大人と考えて、行きたいなら1人で行かせるべきか・・・
迷ってると僕の手を引っ張ってタロトが騒動の方に走り出した。いや!2人で行くという選択肢はなかったんだけど?!
逃げてる人達に逆流して進むと、そこにはトカゲ人間のような魔物が2匹いて、商店に並んだ果物を食べていた。普段、街中で魔物をみることはない。街には結界があって、低ランクの魔物は入ってこられないし、高ランクの魔物は入ってきたらすぐ軍隊が駆けつけて倒してくれる。(ただし、魔人は下手に手を出すと被害が大きくなるので、放置してることもあるらしい・・・)。つまり商店街に魔物がいるってことは、高ランクかつ軍隊の攻撃をくぐり抜けたヤバい奴だということだ。さぁ、逃げよう!
タロトは走り去ろうとする僕の手をがしっと掴み、魔物達に視線を戻して尋ねた。
「お前ら、人の街に来る許可は持ってんのか?」
「許可?あー、お前マハーフだからそんなこと知ってんだなぁ。前の副魔王だったレグナルトは規則規則ってうるさかったけど、もう滅ぼされやがったのさ。今は街に来るのに副魔王の許可とかいらねーのよ。自由!はぁ、本当に滅ぼされてくれて良かったぜ!お前ももっかい魔族に生まれ変わりたいだろ?俺たちが滅ぼしてやろーか?ちょっと苦しめて遊ぶかも知れねーけどよ?ギャハハ!」
めっちゃ悪そうな奴らなんですけど?!タロトは何を落ち着いて・・・何か怒ってる?滅びて良かったとか言われたからかな?
「こいつら、規則の大事さが全く分かってねぇじゃねぇか!てめぇらの上司は誰だ!もう一度教育し直してやる!」
怒ってるポイントがよくわからないな!そんなに規則大事なの?魔族のイメージじゃないよ?てか魔人の再教育とかやめときなよ!もう副魔王じゃないし!絶対危険だから!
「何だ?コイツ小さいくせに生意気だな。魔族の時の記憶もあるし元は魔人か?後で面倒になるのも嫌だし、滅ぼしとくか。」
ちょっと!襲われそうになってるよ?タロトは何で余裕なの?生まれ変わったばっかで強くないんでしょ?倒せる策があるの?
「ふん、やってみな!返り討ちにしてやれ、レイリ!」
「え?戦えないよ?怖いし!まず攻撃魔法をメテケテしか使えないから触らないと勝てないけど、あの魔物たち剣持ってるから、近づくのも無理!」
「・・・マジで?」
こくこくとうなずく。タロトから余裕の笑みが消えた。どうも僕がもっといろいろな魔法を使えて強いと勘違いしていたようだ!
「よし、撤退だ!」
2人で一目散に逃げ出した!




