38 ヒルの魔法
「それで、タロトくんは、弟子入りするの?」
「いや、俺様はいい。」
「そう、それではヒルデカルド様!と、レイリ君、結果は出ているわ。」
ステラさんは手に持っていた紙を見ながら話し始めた。
「ヒルデガルド様は5柱の神様と契約が決まりました。火系のフレイズ神、水系のフラッタ神、風系のストーミ神、回復系のリビエ神、特殊系のギャブル神ですわ!素晴らしい才能です!さ、この紙に手を置いて魔力を流して下さい。使える魔法が浮かび上がります。」
ヒルはノリノリで「ハッ!!」と気合を入れて紙に魔力を流した。ステラさんが「カッコいい!!」と拍手する。え?魔力の流し方もすでに教えられてたの?と思ったら隣でタロトが、
「何やってんだ?普通に手を置くだけでイイんだよ、いちいちカッコつけんな。」
と突っ込んでいた。危ない!マネするところだった!恥ずかしい気合を入れなくて良くなったと安心していると、紙に浮かび上がった魔法を見てステラさんが怒り出した。
「なんでこんな初級魔法ばっかなのよ!ヒルデガルド様に失礼よ!!神界に抗議の手紙を出すわ!」
やめて?!頭を冷やして!ヒルのことになると無茶苦茶だよ?!
「ステラさん、僕のために怒ってくれてありがとう。でも、僕は初級から地道に努力するよ。」
「ヒルデガルド様…尊いですわ。」
勝手にやってろ!
「ちなみに、このギャブル神の魔法は効果の説明を読んでもよくわからないんだけど、"既食材の遇現"ってどういう意味だい?」
ヒルが聞くとステラさんは少し困った感じで説明してくれた。
「1日に一度だけ、今までに食べた事がある食材を1つ出現させられる魔法ですが、どれが出てくるか分からないので正直使えませんわ。普通の人は1000種類以上の食材を食べてますので、欲しい食材が出てくる確率が低すぎます。」
「ヒルがこっちの世界で食べた食材はまだ28種類ですよ。」
僕が言うとステラさんが驚いて僕を見た。
「少な!と言うより、なんでレイリ君はそんな事知ってるの?」
「こっちの世界は何が食べれるか分からないので、少しずつ増やしてて、数えてるんです。僕らの中ではヒルが一番多くの種類を食べてますけど。」
ピンクのキノコとか、カメ女のクッキーの毒とかね!毒は1種類とは限らないか、まぁいいや。
ステラさんはちょっと考え込んでブツブツ計算しだした。
「それなら私、良いモノを持ってます!ヒルデガルド様に食べて頂きたいですわ!」
そう言って、ステラさんは何かを取りに走っていった。




