34 魔人再誕
祭りの次の日、朝ご飯を食べているとアレンさんがふと思い出したように言い出した。
「君らに言い忘れてたが、今日うちに子供が産まれるんだ!」
サエは少し驚いた様子で、
「え、おめでとう!」
とお祝いした。ヒルはいつも通り理解してるのかよくわからないテンションで、
「それは嬉しいね。」
と相槌を打った。いや、待って。エレンさん、全然お腹大きくないし、赤ちゃんのお世話に要りそうな準備も全く家にない。なんで2人ともそんなスッと受け入れてるの?!僕が素直に、
「エレンさんのお腹が全然大きくないから、赤ちゃんがいるなんて気づかなかったよ。」
と言ったらアレンさんとエレンさんの頭がハテナ?になった。「なんでお腹が関係あるの?」と聞かれたので「だって子供はお母さんのお腹から産まれるでしょ?」とこたえたら、「なにそれ、異世界怖っ!」と言って引かれた。
こっちの世界は、魔法陣が地面に現れて子供が産まれるらしい。ちょいちょい前の世界と仕組みが違うのやめて欲しい。ほとんどの部分で似てるから余計にタチが悪い。
「産まれるときの体の大きさは、前の命の記憶がどれだけ残ってるかによるんだ。前の命も人間だったら記憶は大体残ってるから、120cmぐらいかな。前が動物だと、ネコ以外はほとんど記憶が残ってないから、60cmぐらいだ。」
ネコだけ特別な意味が分からない。てか動物にも生まれ変わるんだ。虫とかになるの嫌だな。
「前が虫とか微生物だともっと小さいの?」
「虫?は魔物しかいないし、多分人間には生まれ変わらないかな。微生物ってのは聞いたことないな。あまり小さい体だと魂が入らないんじゃないか?」
微生物いないの?お酒あるよね?どうやって作ってるんだろ?まぁもういいや、そういうもんだと思って受け入れよう。
その時地面が光り出して魔法陣が描かれた。そこに(前の世界なら)10歳くらいの男の子が現れる。最初から服も着てるんだ?!スマホゲームのガチャみたいだな!
「ふぅ、やっと産まれ変われたぜ。ん?なんだ、人間かよ!ちっ、次こそ魔王になってやると思ってたのに…ってオマエ!!」
と僕を指差して来た。この反応は…、最初に倒した魔人ってことかな?!え?復讐される?殴りかかってきた男の子の頭をアレンさんがガシッと掴んで止めた。
「おとなしくしなさい。人間に産まれ変わったんだから、受け入れて、騎士団でも目指すといい。」
「くそっ、わかったよ。どうせ生まれたばっかのステータスじゃ、そいつの相手にならないだろ?!副魔王だったときの俺様を倒したんだからな!」
いや、わりと倒されるかも?メテ、ケテヨ、ナシテは魔物にしか使えないし、声を大きくする魔法は周りにも被害が出るから使えないし…って僕、弱くない?と気づいて、僕は一人でショックを受けていた。




