31 讃美歌
「え、断ることってあるんですか!」
僕がびっくりすると、やれやれといった感じでナシテ神が応えた。
「気持ちがわかるように、あんたの世界で例えてあげるわ。家でお酒を飲んでくつろいでたら、呼び鈴がなって『かき氷を4京杯下さい』と言われました、はい、どんな気持ちですか?!」
お酒飲んでたからテンション高かったのか。
「そんなに食べてお腹大丈夫かな?」
「違う!かき氷はたとえだから!」
「全部作るまでに氷が溶けちゃう?」
「氷から一回離れて!」
「そんなにお金払えるの?」
「残念ながらそいつは無限に金持ってるのよ!そうじゃなくて、4京杯も作ってられるか!ってことよ!」
「でもほら、お金持ちになれますよ?」
「1億ぐらいで遊んで暮らせるのよ。そんな大金いらんわ!地上から流れてくる私を讃える讃美歌を聞きながら、ゆっくりお酒をのみたいの!ガリガリ魔力を削るのは嫌なの!てか京って何?兆より上?」
「兆の1万倍です。」
「アホか!なんでそんなに魔力使うのよ、あんなイカに!」
「魔神が4兆だったし、高さが10倍、幅が10倍、厚さが10倍、安全率10倍で合計1万倍です!」
「魔神の4兆がすでにオーバーキルだから!そんな生命力あるわけないでしょ!」
減らしたら使わせてくれるのか?でも、もし足りなかったら?サエの命がかかっているんだ、念には念を入れたい。だがどうしたら・・・あっ、そうだ!
「讃美歌を作ります。」
「・・・詳しく聞かせなさい。」
「このクラーケンを倒したら、ナシテ様の讃美歌を作って、みんなで歌います!」
ナシテ神の魔法はほとんど使う人がいないとステラさんが言っていた。きっとナシテ神の讃美歌も歌われてないだろう。歌って欲しいに違いない!
「ふ、悪くない提案だわ。今回だけはその馬鹿げた魔力量を受け付けてやろうじゃないの。」
よし、やった!あとはナシテ神が魔力を削る音を聞きながらひたすら待つだけだ。なんか独り言を呟きながらゴソゴソしている。
「さすがに手動じゃ終わらないわね。この辺に自動のが・・・あったあった。魔力はいくらでもあるからエネルギーの問題はないわね、いけ!スタート!わぉ、速い!もっと前から使っとけばよかったわ・・・って煙が出てきた!これは大丈夫なやつ?説明書・・・は何書いてるかわからん!わ!燃えた!やばいやばい、水!あ、これお酒だ!きゃー、めっちゃ燃えとる!はぁ、なんとか消えた。え、まだ半分以上残ってるんだけど?結局手動なの!☆‰☓◎%△●!!!!」
最後は言葉になってなかった。頑張って!僕は心の中で応援を送った。




