表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/82

3 街に行くのは無理ゲーです

逆らうのを諦めてサエについて歩いた。周りを警戒しながら歩いている僕に合わせてくれているので、なかなか街に辿り着かなかった。


突然、草むらから8才くらいの男の子が飛び出してきた。サエが戦闘態勢で構えた。僕は驚いて気絶しそうになったが、軽く悲鳴を上げるぐらいで耐えた。


「あなた達、転生者ですよね?」


何故そんなことを知ってるんだろう?僕は最大限の警戒をした。慎重に対応しなければ!転生者なことは簡単に認めない方がいいだろう。まずは、なぜ転生者だと思ったのか探らないと!もし敵だったら教えてくれないだろうから、うまく聞き出さないといけない。転生者になんの用事があるのかも気になる。どう応えればいいか頭を働かせていると、


「そうだけど、なんでわかったの?」


サエが直球で聞き返した。僕はひぃっ!てなった。


「魔力がダダ漏れで、森の魔物たちが完全に怯えてます。普通のヒトの魔力量とは思えないので、異世界人のチート能力かなって。」


やっぱり異世界の説明がもっと必要だと思う!魔力ダダ漏れってどういうこと?異世界の人は魔力が感知できるの?僕には何も分からなかった。サエも何のこと?みたいな顔をしていた。


「あの、僕らの街は何故かこの世界に来たばかりの異世界人が多くて、魔王軍がパトロールで見つけては捕まえて行きます。魔力を抑えておかないと、すぐに捕まっちゃいますよ?」


「そうなんだ?どうすれば魔力を抑えられるの?」


「いや、サエ。それより魔王軍がパトロールしてる街に行くのは危ないよ!行くのやめよう!」


「歩いて行ける街は全部同じなんですよ。魔力は心の中で開いてる手をイメージして、その手を閉じると抑えられます。」


「え、全然わからない。これでいーの?」


言われた通りにイメージしてみたが、出来てるのかどうかサッパリ分からなかった。


「あ、うん、い、いいんじゃないですかね。世界一の魔法使いの魔力量ぐらいにはなりました。あ、お姉さんからはもともと魔力をほとんど感じないので、そんなプルプルするほど気合い入れなくて大丈夫です。」


「なんだ、心の中の手が潰れるぐらい握ってたのに・・・レイリは世界一の魔法使いぐらいだって。まぁまぁ目立つレベルだよね?」


「はい、まぁ。でもさっきまでは世界の終わりを覚悟するレベルだったので、近くにいるだけで涙が出そうでした。勇気を出して話しかけて良かったです。」


僕は良くない!魔力を抑えるのは出来てるのか自分でわからないし!結局、中途半端にしか出来てなくてスゴイ目立ってるみたいだし!魔王軍は転生者を狙ってるし!歩いて行ける安全な街は無いし!本当に無理ゲーだった!


「魔力を抑えるアイテムとかないの?」


「ありますけど、欲しい人がほとんどいないので高いです。金貨1枚もしますよ。」


「これで買ってきてくれない?」


サエはあっさり自分の金貨を渡した。え、お金の価値がわからない世界で、稼ぐアテも無いのにほぼ全財産渡すって本気なの?

サエは、自分のチート能力が僕の居場所を知るだけのゴミ能力だと憶えているのだろうか?僕が混乱しているうちに男の子は金貨を持って街の方に走っていき、少しして赤い宝石のついたネックレスを持って帰って来た。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ