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27 クラーケン討伐作戦

海岸に着くと海に突き出した木の道の上にサエがいて、漁師っぽい数人と車輪のついた木のクレーンを海の方に押して動かしていた。まだ作業中のようだったが、僕らに気付いて近づいてきて、


「これ、一応渡しとくね。」


と言って、指輪を僕とヒルにくれた。


「何これ?」


「貢献の指輪だって。一人で倒せないような魔物を討伐するときは、依頼を受けた人みんなで指輪をつけておくと、誰がどれだけダメージを与えたか分かるらしいわ。クラーケンの依頼を受けたら受付で3つ渡されたの。一人で3つ着けても意味ないから、持ってて。」


「持ってるのはいいけど、僕は戦えないよ?海岸に来るだけで心臓ドキドキしてるし。受付で指輪を渡されたってことは、戦ってくれる冒険者が他にもいるのかな?」


「どうだろ、討伐隊が全滅してから私が依頼を受けるまで、誰も挑戦してないみたいだったけど?まぁ私一人で倒せる予定だから大丈夫!!」


なんの自信?!頼もしく感じる反面、深く考えてなさそうで、恐ろしくもある…。


「じゃあ作戦を伝えるね!」


なんと!!思いつきで行動してると思ってたサエが作戦を立てていた。完全に期待してなかったよ、ごめん。


「ヒルをエサにして、クラーケンを陸におびき寄せて倒すわ!」


作戦・・・、なのか?


「・・・なんか、いろいろ聞きたいことはあるけど、まず、ヒルはエサでいいの?」


「いいよ、やろう。」


ヒルが怖いもの知らず過ぎて、こっちが怖くなった。


「いいんだ・・・それで、クラーケンは陸に上がれるの?」


海で船襲ってるイメージなんだけど?イカが陸に来るなんて聞いたことがないよ?


「この辺の船を全部壊されたらしいわ。砂浜にあげてたボートもやられたって言ってたから、多分陸まで来るんじゃない?」


まぁ、クラーケンなんて来ないほうが僕は嬉しいけどね。


「多分ね・・・で、どうやって倒すの?」


「切る」


適当だな。自信満々な意味がわからない。こんな雑な作戦で挑めるなんて、メンタルが強すぎて怖い。


ドン引きしている間にヒルは縛られてクレーンに吊るされた。


「さすがチートイケメンね、吊られてても輝いてるわ。」


ヒルが吊られてるクレーンの下には街の女性達が釣られて集まっていた。みんな危ないよ?!その人、クラーケンのエサですよ!


女性達はうっとり見上げながらキャッキャと騒いでいた。不思議な光景だ。と、海が盛り上がってバカでかいイカが顔を出した。クラーケンだ!ホントに来た!


ヒルを囲んでいた女性達は悲鳴をあげて逃げ出したが、ヒルの吊られているクレーンを押して一緒に避難するのを忘れなかった。さすがチートイケメン、普通なら置いて行かれるところだ。


クラーケンは逃げるクレーンに向かって手(?足?)を伸ばしたが、サエの刀に弾かれた。サエは神化の腕輪をはめたらしい。体がうっすら光っていた。


こうしてサエ vs クラーケンの戦いが始まった!!

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