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2 異世界のスタートは無理ゲーです

気がつくと森の中の道に立っていた。見覚えのない景色だ。くっ、本当に異世界に来てしまったらしい。はぁ、どっちに進めばいいのだろう。てか、ヘルメットしてない!異世界も隕石が落ちてくるだろうか?念のため木の陰に隠れた。もちろん木に触ったりしない。かぶれるかも知れないし!


まぁ異世界に送り込んで何の説明もないなんて事はないだろう。魔法なんて使い方教えてもらわないと使えない。ゲームでも最初は操作方法を説明するチュートリアルが準備されているしね。あるよね?チュートリアル!あってほしい!お願いします!そのまま木の下でチュートリアル的なイベントが発生するのを待ったが、何も起きない。不安になってきた。所持品を調べたら革袋に金貨と銀貨が1枚ずつ入っていた。これで十分なのか不安になった。あと、いつの間にか服も質素なものになっていることに気づいた。(かゆ)くならないだろうか。そういえば、転移じゃなくて転生って言ってたなぁ。普通転生だと赤ちゃんから始まるんじゃないの?日本にいた時と変わらないみたいだけど?服以外は。

まぁそれも説明してもらえるのを期待しよう。・・・まぁ、あと30分ぐらい待ってチュートリアルが起こらなかったら、諦めて歩き出そうかな。でも、どこに行けばいいかわからないしな・・・そんな感じで悩んでいると名前を呼ばれた。


「レイリ!やっと会えた。ん?なんか期待外れと驚きを混ぜた微妙な顔してるよ?」


「いや、サエに会うと思わなかったから驚いたんだ。期待外れは、その、チュートリアルが始まったとおもったから。」


「そうなんだ?それより、さっきはゴメンね!急にヘルメット取ったりして。隕石が来るなんて思わなくて。ホントにゴメン!」


「まぁ、悪気があったわけじゃないし仕方ないよ。それで、なんで僕の場所がわかったの?」


僕は気になってたことをきいた。木の陰の見えにくい所にいたし、道を歩いてて偶然見つけた感じではなかった。まるで僕のいる場所を知ってたような気がしたので、不思議だったのだ。


「転生する時チート能力がもらえたでしょ?私はレイリのいる場所がわかる能力にしてもらったんだ。どうしても一言あやまりたくて。」


・・・なに?その役に立たない能力!!


これから異世界でどんな生活が待ち受けてるか分からない中で、頼りにできそうなチート能力を、そんなことに使ったの?僕の場所とか要る?いや、要らない!!謝りたかったから?え?狂ってるの?


「え、もっといい能力にすれば良かったのに。」


パニックになりすぎて、平凡なコメントになった。


「そう?レイリが迷子になってもすぐ見つけてあげるよ、便利でしょ?ちなみにレイリはどんな能力にしたの?」


サエは何でもない、いつものテンションで聞いてきた。迷子にって…保護者か!


「パニックになってるうちに勝手に決められてここに送られた。魔力無限だって。」


「へー、無限ってなんか凄そうだね!じゃぁまずは街に行こうよ。ゲームとかなら、最初は街の酒場で情報収集だよ。」


「下手に動くと危ないよ、危険な動物がいるかも知れないし。チュートリアルが始まるか、助けが来るのを待とうよ。」


「チュートリアルを待ってるからレイリのいる場所を何回調べても動きがなかったんだね!1時間以上動いてないから、どこかに挟まってるんじゃないかって思って心配したんだよ?ちなみに、魔物っぽいのは何匹か会ったけど、素手で倒せるよ。倒すと消えてキレイな石が出てくる。」


え、初めて見た動物と戦ったの?素手で?ちょっと意味がわからない。噛まれて怪我したり病気になったらどうするの?異世界の病気も医学レベルもわからないんだよ?狂犬病とかあったら終わりだよ?


サエのヤンチャっぷりに引いてると、サエはさっさと僕の手を取って歩き出した。僕はサエに引きづられるように連れて行かれた。いや、まだ街に行くのも同意してないし!やめて!異世界の街とか、僕には無理ゲーなんだよ!!

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