16 決闘!-2
カルビンはサエにまっすぐ突っ込んで来ながら、魔法を唱えた。
「シク、トール、カン」
カルビンの手元に魔法陣が現れ、魔法陣に向かって剣を突き出すと、剣先が消えてサエの背後から出てきた。僕は何が起こったのか分からなかったが、サエは冷静に後ろを見ることもなくかわした。
「なんだ?初見殺しのはずなんだがな。あー、そうか、アレンのおっさんのところに住んでるんだっけか。おっさんの入れ知恵だな?」
つまらなさそうに言うと剣先を魔法陣から引き抜き、直接サエに斬りつけてきた。サエは剣で受けたが、力で押され弾かれた。連続でカルビンが斬りつけてきた。サエは反応出来ているものの、力では敵わず苦しそうに見えた。何とか隙を見つけて反撃したが、あと一歩のところで防がれた。カルビンは反撃されたことが意外だったようで、サエから距離を取る。
「ちっ、思ったよりやるな。」
サエとカルビンが睨みあっているところで、遅れてヒルとアレンさんがやってきた。
「どうだい、勝てそうかい?」
「分からないけど、力で押されてそうだよ。」
僕は弱々しく返した。
「サエを信じよう。彼女は強い。」
アレンさんが励ましてくれた。
「そうだね。ヒルはもう調子が戻ったの?」
「ああ、まだ少し力が入らないけどね。カメ女のクッキーがダメだったのかな?」
確実にそうだよ!食べちゃダメって言っといたのに…まぁ今はそれどころじゃない。サエに視線を戻した。
カルビンの攻撃に慣れて来たのか、力で対抗せずに受け流すようにさばいていた。隙を突いた攻撃も増えてきて、カルビンは思うように攻められずイライラしてる感じだった。
「その様子じゃカメ女のクッキーは食ってないみたいだな。そこまで馬鹿じゃなかったか。」
そこまでの馬鹿が僕の隣にいるけどね!ヒルはカルビンがカメ女の事をなぜ知ってるのかと驚いていた。だから、カルビンの罠だったんだってば。
カルビンが仲間の一人に合図を送った。仲間が何やら魔法を唱え、カルビンの動きの速度が上がった。
「くっ、強化の魔法だな。仲間の補助ありのルールか。」
アレンさんがつぶやいた。補助ってそういうことか。どうしよう、焦ってキョロキョロしてると、観客席にヒルに魔法書を貸してくれた魔女を見つけた。
「ヒル!あの魔女の名前教えて!」
「えーと、カステラさんかな。」
魔女の元に駆け寄って、懇願した。
「カステラさん、お願いです!僕に強化の魔法を使えるようにして下さい!」
「誰よあなた、私の名前はステラよ、失礼ね。観戦の邪魔しないでよね。」
ヒルの馬鹿ぁ!




