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14 決闘準備は無理ゲーです

明日はサエの決闘前日だ。アレンさんとサエは朝から訓練していた。東の街の剣技はこちらと違うらしく、そのクセと闘い方を教え込まれている。サエはいつにも増して真剣に取り組んでいた。


僕は不安でじっとしていられなかったので、ヒルと中心街に情報収集に行った。ヒルが女の人にイストエビルの事を聴くと、みんな喜んで噂を教えてくれた。


アレンさんの言ってた通りに評判は最悪だった!カルビンの召使が何人か買い物に来るらしいが、みんなボロボロの服を来ていて、ろくに食事ももらえてないような細さらしい。目の下にはいつもクマがあるそうだ。サエをそんな目に合わせたくない!


ヒルと聞き込みをしていると、たいてい女の人はヒルばかり見て僕は相手にされなかったが、珍しくヒルではなく僕に視線を向けてきた女の人がいた。全身黒いドレスを着た20歳くらいの人で、僕のネックレス(外に漏れる魔力を抑えるアイテム)を見て興味を示していた。


女の人は僕のネックレスをしばらくじっと見ていたが、そばにいた彼氏っぽい男の人はヒルに見とれてると勘違いしたのだろう。嫉妬してヒルに絡んできた。


「おい!こんな道の真ん中で女を誘惑してんじゃねーよ!」


強そうな背の高い男の人で、僕もヒルも到底勝てそうに無かった。どうしよう?!まぁ僕が勝てるような男の人はなかなかいないんだけど…それはともかく!怖じけて動けなくなっていると黒いドレスの女の人が男の人の腕をとって話しかけた。


「こんなところで目立たないで、とアチキは思うでありんす。」


へんな喋り方の人だな、と考えていると、男の人は急に大人しくなって連れて行かれた。助かった。急に態度が変わるのはヒルに声を掛けられた時の女の人みたいだった。キレイな人に声を掛けられると、みんなそんな感じになるんだろうか?



それからも聞き込みを続けたが、結局カルビンの悪評しか情報は得られず、ただ不安を増して帰ることになった。はぁ、来るんじゃなかった…。サエは今日の訓練が手応えあったのか晴れやかに夕食をパクついていたが、僕は明日の決闘がストレスで食欲がわかなかった。ふつう逆じゃない?!僕が闘うんじゃないんだけど?!


落ち着かない夕食時を過ごしていると、アレンさんの家に誰かが訪ねてきた。


「あの、私はサエさんに昨日助けられたカメです。お礼にクッキーを焼いてきました。明日の決闘前に食べてください!!」


カメの顔っぽい頭巾を被った痩せた女の子だった。怪しすぎる!確実に罠だろ!と思ったが、ヒルは感激していた。


「動物の恩返しなんてはじめてみたよ、本当にあるんだね!やぁ、わざわざ来てくれてありがとう!えーっと、お名前は?」


ヒルは助けたのが自分かのように受け取りに行った。ちょっと、警戒して!


「はわわ、イケメン!私のことはカメ(おんな)と呼んでください!」


いや、名前が適当すぎる!考えて来なかったな?本当にカメだったら、そんな名前つけないだろ!


「あの!このクッキーはあなたのお口には合わないので、絶対に食べないで下さい!」


ヒルに向かって真剣な目で見つめ、カメ女が告げた。食べるなって言っちゃったよ?!罠が確定した!イケメンに動転して口を滑らせた事に気づいたのか、カメ女は慌てて帰ろうとした。


「ありがとう、君の好意は無駄にしないよ!」


帰っていくカメ女に向かってヒルが声をかける。ん?好意とは?まさか食べようとしてないよね?食べるなって言われたの伝わったのかな?妙に食い意地張ってるし不安だ!!

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