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11 看病は無理ゲーです。

ヒルはエレンさんの料理を食べた次の日、お腹を壊して力が入らないと寝て過ごした。エレンさんが責任を感じたのか熱心に看病してくれて、朝ごはんはおかゆにして食べさせてあげていた。僕らはエレンさんの優しさにほっこりしていた。


ところが家の用事を完全に無視してヒルの看病を続けていたので、昼食頃にはおかしいと思い始めた。ヒルを幸せそうに看病しているエレンさんを見て、仕事がお休みだったアレンさんも微妙な顔をしていた。気を利かせてサエが、昼食は自分が食べさせると申し出た。


「あれ?なに?ダメ男をお世話してるのに愛おしさが湧いてくる!幸福感が凄い!これはハマるわ。」


「ダメ男って面と向かって言わないでくれよ」


どうやらヒルの世話を焼いていると、チートイケメンの魅力にやられるらしかった。つくづく厄介な能力だと思う。他の事が出来なくなるから困るとのことで、ヒルの看病は僕の仕事になった。


晩ごはん用のおかゆを作り、食べさせる時に火傷しないよう冷ました。息を吹きかけると雑菌が入るかも知れないので、自然に冷めるのを待っていた。周りのゴミが入るのを防ぐため蓋をしていたので、時間がかかった。ヒルは早く食べたがったが、安全のためだ。僕はだいたい冷めてきてから3分おきぐらいに匙でおかゆをすくい、自分の手の甲に垂らして温度を確認した。


「そんな赤ちゃんの離乳食みたいに気を使わなくても、少しぐらい熱くても大丈夫だよ。腕に力が入らなくて食べさせてもらってるけど、お腹は普通に減るんだ。もうペコペコだよ。」


「昨日は食欲に負けて体調崩したんでしょ。もう少し我慢だよ。」


それから10分くらいすると良い温度になった。ヒルはお待ちかねだった。蓋を外して食べさせようとすると、小さな羽虫が飛んできておかゆの中に入ってしまった。僕はおかゆを見つめて少し考え込んだ。


「レイリくん、まさかとは思うけど…虫の周りだけ捨ててくれたら食べられるからね?」


「うーん、異世界の虫がどんな危険をもってるかわからないし、ヒルは今体力が弱ってるから、作り直すよ!」


「レイリくーん!!」


哀れな口調で訴えるヒルをベッドに残し、僕は台所に向かった。看病もなかなか大変だ。

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